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新しい教室で

2023-06-02 16:38:46 | 「立つ」健康法

 先月新しく開講した太極拳の教室で、質問を受けました。「こういうタイプの人は上手くならないというのはありますか?」と。こういう質問を受けたことがなかったので、咄嗟に考え、そして「先入観や思い込みのある人」と答えました。

 太極拳とはこういうものだというのは、本やネットで調べれば分かります。上達するための練習方法も分かります。それに従えばある程度上手くなるかも知れません。太極拳の形(外から見える姿勢・動作)だけを身につけたい人はそれでもいいでしょう。

 健康法において大事なことは、身心のバランスを整えることです。カラダの中でのバランス(重心や筋肉の緊張・弛緩のバランス)と意識の状態を整えることです。カラダのバランスを整えるためには、カラダだけを単独で調整するのではなく、同時に意識も整える必要があります。太極拳が動作だからといって、意識が関係ないわけではありません。意識の関係しない姿勢や動作はないのです。たとえば「立つ」という姿勢も、意識によって上手く立てたり立てなかったりするのです。

 私がこういう太極拳以前のところを重視するのは、そこをキチンとしない限り、太極拳の上達はありえないと考えているからです。「先入観や思い込み」によって、太極拳を「形(動作)」だと思い込んでしまえば、それ以上のところへは意識が向かず、進歩が止まります。惜しいことです。

 「意識を整える」とは、聞きなれない言葉だと思いますが、意識をニュートラル(偏りのない状態)にするということです。完全にニュートラルにすることは不可能ですが、なるべく「先入観や思い込みのない」状態を作ることが健康に近づくことだと思います。具体的な方法としては、イメージとカラダの感覚を使って、モノ「限定しない」ということをします。「自分」を「自分」と限定せず、「あなた」を「あなた」と限定しない。それは自分(あなた)を自分(あなた)として「切り出す」ことができないということになります。どこから切り出せないのか?ある一つの場所からです(荘子はその場所を渾沌と呼びます)。切り出す(分ける)ことができなければ、つながっています。「自分」と「あなた」がつながります。ヒトだけでなく、モノもつながります。壁や天井も自分とつながります。こうしてイメージを続けていくと、意識が日常(普段)のものから変わってきます。その変わった意識によって、また身体が変わります。

 常識的な意識のままではできないことが、「先入観や思い込み」を外せば、今すぐにでも、できるのです。軽くて気持ちのよい身心になります。

 

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