気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

「栄宝斎」の女性店員

2010-10-10 16:07:19 | 中国

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 これは斉白石(セイ ハクセキ・清朝末期~中華人民共和国の画家の掛け軸で、もちろん複製である。北京の「栄宝斎(書道具等を扱う老舗)」で買い求めた。当時(1992年頃)北京に留学していた私は、友人と一緒にバスと地下鉄を乗り継ぎ、「和平門」を下りてこの「瑠璃廠にやってきた。

 私は名字が「白石」なので、中国で自己紹介するときには、「斉白石の白石です」と言うことにしている。彼の描いた昆虫やお玉じゃくしの絵が気に入っている。

 さて「栄宝斎」には斉白石の原画が置いてあると本に書いてあったので、その旨店員に訊ねてみた。その女性が「観たいのか」と言うから、「観たい!」と言った。「こちらへおいで」と言うから着いて行くと、別室に案内された(わざわざ部屋の鍵を開けてくれた)。そこには初めて観る斉白石の原画が幾つも飾ってあり、その墨の生々しさに感動した。

 彼女は我々のためだけに鍵を開けてくれた。我々がそれを味わっている間も、話しかけることもなく、静かに見守ってくれた。日本から来た若造のわがままを、受け容れてくれる大きな懐の有る中国の女性だった。

 

 

 

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