気を感じながら暮らす

からだや自然について思うことなどを気ままに

名曲を勝手に解釈する⑯

2015-06-06 09:21:21 | 音楽
 ギターを始めたのは、18歳で中国・厦門に留学した時である。同じ留学生仲間のGちゃんに教えてもらった。長渕剛は、高校生の時に良く聴いていて、中でも「素顔(アルバム『逆流』)」という地味な曲が好きだった。

「夜の顔を鏡で映せば なんて悲しい顔なの
強がりばかりで 素直になれない なんて悲しい顔なの」

女の気持ちを男・長渕が静かに唄う。
女は自分のことを良く知っている。今の自分は、昔のような素直な自分ではないことを。

「こんな私のどこが好きなの なぜにそんなにやさしいの
私がかわいそうに見えるから それともなつかしく思えたから」

自分でも自分のことが好きではないのに、なぜあなたは私にやさしくするのだろうか。

「気まぐれだったら やめてちょうだい 本気で好きになりそうだから
あなたの前ではきれいでいたいし かわいい女でいたいの
厚化粧は嫌いでしょう でも今の私 昔の私じゃないから」

私は本気でしか人を好きになることができない。昔の私だったらすべてを出し(晒し)て好きになることができたが、今の私にはできない。



「『私は いつも 嘘をついてきたわ!』お前はいつもそう言うけれど
けして それは裏切りじゃないんだし そこまで自分を責める事もないさ」

男には女のすべてを引き受ける覚悟がある。だからたとえどんな「嘘」でも「裏切り」にはならないのだ。

「お前の素顔がきれいだったからこそ あの時手鏡おくったんだ
お前の過去を化粧でかくすためじゃなく 素直な心を映せばいい」
 
男は、化粧の下に隠された女の素顔を見ることができる。強がりの中にある素直な心を聞くことができる。

「さあ化粧を落としたら髪をとかして このまま静かに眠ろう」

男はこれからも女に寄り添い、女が自ら化粧を落とし、素直な自分に戻れるよう、励ましていくことだろう。

 
 東京郊外・青梅線の中神駅、線路沿いにある居酒屋「美奈」には良く行った。気のいいマスターとママがいて、くつろいだ。店の壁にギターが掛けてあり、そこで弾き語りしたのが、この「素顔」である。

 歌集は留学中に、日本から送ってもらったもの。アルバム「乾杯」の中の曲はすべて弾き語れる(下手だが)。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする