ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

葡萄のブレンド①

2010年03月26日 03時31分16秒 | ワインの事

ワインは葡萄で造るわけですが、必ずしも一種類に葡萄で造るわけではありません。中には10数種類の葡萄を使うものもあります。かのボルドーでも5種類使うのが通常ですし、シャンパーニュも3種が普通です。

これは最初から葡萄をブレンドする目的で始まったことではありません。つまりワイン作りは農業ですから毎年毎年の出来が違ってしまうものなので、それを回避する必要がある、っていうのが大きな理由なのです。

ある葡萄の収穫前に雨が降れば果汁が薄まってしまいます。それより熟期が早い葡萄を栽培していればリスクを回避できますし、遅い葡萄を栽培していても然りです。なるべく多くの種類を栽培しているほうが回避し、なおかつ毎年変わらぬ品質をブレンドによって達成出来やすいのは目に見えています。これらはどちらかというと南の雨の影響のある地方に見受けられる現象です。

では単一品種の場合はどうか、というと寒い地方がそれにあたります。寒いと複数の品種を期待するのが難しいのですね。向いている葡萄にかける、というのでしょうか?

しかし、そうしたところで毎年全く同じワインを作り出すことは不可能です。強い年、弱い年があります。早く飲める年、長く待たねばならない年のあります。お陰でバリエーションが出来るのですから、それも必要な神の仕業なのでしょうね。

「この年のここのワインは優しいねえ」「あの年のは待たなければいけないね」「いや、デキャンタすれば大丈夫かも・・・」なんていうのが楽しいワインの世界なのです。

さて、葡萄の種類が何を何パーセント、などと考え出すと頭が痛くなります。どうぞ皆様はそんなことを考えずにお楽しみくださいね。