蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

弥生、三月

2021年02月11日 | 映画の感想
弥生、三月

弥生(波瑠)と太郎(成田凌)は、共通の幼なじみのサクラが高校時代に病死したことがひっかかって思いを打ち明けられず、別々に伴侶を見つけていた。弥生は教師、太郎はプロサッカー選手になるという夢をかなえるが、家庭の事情や天災などにより挫折し、孤立していた・・・という話。

遊川和彦さんの監督・脚本ということで、突拍子もない筋書きを期待して見ました。しかし、展開はオーソドックスでカットバックの手法もありきたりだったように思えました。何より、成田さんの魅力が発揮されていなかったように思えて残念でした。

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Fukushima50

2021年02月11日 | 映画の感想
Fukushima50

福島第一原発の事故をモデルにした話。ほぼ実話に沿った内容となっている。

原作やモデルとなった事象が(自分にとって)とても興味深いものである場合、映画化された作品を見るのが(自分が持っている理想的イメージを壊されないか心配で)怖い時がある。
しかし、いい意味で裏切られて映像化作品が案外いいものであることもたまにはある。例えば(世間的評価はイマイチみたいだが)キムタク主演の「ヤマト」は(私にとっては)存外に楽しめるものになっていた。

本作品も(期待レベルが低かったせいもあるが)思ったよりはるかに良い出来だったと思う。
免震重要棟の緊迫感、すれちがう現場と本社や政治家(自衛隊ヘリによる放水を吉田所長が「ありがたいが、セミのションベンだ」なんていう場面は(実話かどうか知らないが)よかった。今から思うと無謀で無駄なことをしていたなあ、と思えるが、事件当時はけっこう「放水成功!」なんて感じで盛り上がっていたのも確かだ)、現場職員の献身など、どの側面から見ても水準を超える出来だった。

事実に基づくフィクションという建前で作られているので、「なぜ2号機において破滅的結末が発生しなかったのか」というクライマックスにおける謎解きを(想像でいいので)もっと具体的に描いてみたらよかったんじゃないか、という点はちょっと残念だった

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ハミングバード・プロジェクト

2021年02月11日 | 映画の感想
ハミングバード・プロジェクト

ヴィンセント(ジェシー・アイゼンバーグ)は、いとこで天才的エンジニアのアントンとともに鞘取り専門のヘッジファンド?に勤務していたが、ニューヨークから1600キロ離れたカンザスにあるデータセンターと取引所にある自社サーバを一直線の地下ケーブルで結ぶことができれば板データをミリセカンドレベルで早く獲得でき鞘が取り放題できるというプロジェクトを思いつく・・・という話。

マイケル・ルイスの「フラッシュ・ボーイズ」でも紹介された(本作の)モデルとなった事例は実際にケーブルを敷設して目論見通りの成果を得たのだが、本作では苦い結果となる(観ている方としては、ハッピーエンディングを期待していたのだが)。

病に冒されながらもプロジェクトを決してあきらめないヴィンセントの芸術的?早口と、天才ってこんな感じだろうなあと思わせるアントンのぬぼーっとした言動がとてもよかった。
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サイロンの挽歌

2021年02月11日 | 本の感想
サイロンの挽歌(宵野ゆめ ハヤカワ文庫)

グインサーガ続編プロジェクト第2弾。

外伝「七人の魔道士」の後のサイロンを舞台にした話。シルヴィアの愛人?パリスが率いる??トルク(ねずみ)の大集団がサイロンに現れ、グインはその対策に追われる、という筋。

うーん、栗本グインのときからそうなんだけど、グインが主人公のエピソードは、どうもつまらないんだよねえ。グインがシルヴィアにだけは強く出られないという設定もどうしても馴染めない。
敵がねずみというのもぱっとしない原因だろうか?

あと、黒幕がグラチウスとヤンダル・ゾックばかりというのにも飽きが出てきた。魅力的や悪役の出現が待たれる(ナリスがその役割を果たすのだろうか?)。

本書によると、これからケイロニアは没落していくらしいのだが、そうすると中原にはまともな国は残らないことになってしまいそうだ。これぞグラチウスやヤンダルの思うつぼ???
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