ブラックペアン1988(海堂尊 講談社文庫)
東城大学病院の佐伯外科部長は消化器関係の手術技術が抜群。その東城大学へ、ライバルの帝華大学から高階医師が派遣されてくる。高階は、スナイプという食道の手術器具の導入を提唱するが、佐伯は否定的。医師になったばかりで、出身の東城大学病院で修行中の世良の視点から佐伯と高階の確執を描く。
テレビドラマは1回だけしか見ていないのですが、面白かったので原作を読んでみました。テレビでは主役の渡海医師は、小説では(重要な役ではあるものの)脇役で、本作では世良の成長物語が展開されます。
ある程度著者の経験に基づく筋立てのようで、例によって聞き慣れない専門用語が(あまり説明なしに)飛び交うものの、それがかえって手術場面では臨場感を高めています。
私にも消化器系の大きな手術をした親族がいます。5時間くらいかかって手術が終わった後、執刀医から説明がありました。
摘出したばかりの臓器などを見せられてちょっとぎょっとしたのですが、それ以上に驚いたのは
「開腹したら当初見込みよりも病変が広がっていてXXとXX(臓器の名前)も摘出しました」
とあっさり言われたこと。
まあ、手術中に本人や親族の了解を得るわけにはいきませんし、事前の同意事項にそういう項目があるのでしょうが、
「医師の裁量って広いんだなあ」あどと思ったものです。(急いで付け加えると、その親族はこの手術のおかげで(術後8年経った今も元気です)
本作では、手術中にあやまって血管を傷つけてしまい、切除範囲を広げる検討を行う場面があります。そこを見事な手技で救うのは渡海医師なのですが、テレビでは、手術に失敗して渡海がそれを収拾する場面が毎回のようにあったそうで、医療不信を招かないか心配です。
蛇足ですが、(1回見ただけでナニですが)ドラマのキャストでは佐伯教授役の内野さんが原作のイメージにぴったりでした。渡海は・・・うーん、原作とはかけ離れていたなあ。
まあ、ドラマ自体が原作とは全くの別物のようなので、そんなことを言ってもむなしいのですが。
東城大学病院の佐伯外科部長は消化器関係の手術技術が抜群。その東城大学へ、ライバルの帝華大学から高階医師が派遣されてくる。高階は、スナイプという食道の手術器具の導入を提唱するが、佐伯は否定的。医師になったばかりで、出身の東城大学病院で修行中の世良の視点から佐伯と高階の確執を描く。
テレビドラマは1回だけしか見ていないのですが、面白かったので原作を読んでみました。テレビでは主役の渡海医師は、小説では(重要な役ではあるものの)脇役で、本作では世良の成長物語が展開されます。
ある程度著者の経験に基づく筋立てのようで、例によって聞き慣れない専門用語が(あまり説明なしに)飛び交うものの、それがかえって手術場面では臨場感を高めています。
私にも消化器系の大きな手術をした親族がいます。5時間くらいかかって手術が終わった後、執刀医から説明がありました。
摘出したばかりの臓器などを見せられてちょっとぎょっとしたのですが、それ以上に驚いたのは
「開腹したら当初見込みよりも病変が広がっていてXXとXX(臓器の名前)も摘出しました」
とあっさり言われたこと。
まあ、手術中に本人や親族の了解を得るわけにはいきませんし、事前の同意事項にそういう項目があるのでしょうが、
「医師の裁量って広いんだなあ」あどと思ったものです。(急いで付け加えると、その親族はこの手術のおかげで(術後8年経った今も元気です)
本作では、手術中にあやまって血管を傷つけてしまい、切除範囲を広げる検討を行う場面があります。そこを見事な手技で救うのは渡海医師なのですが、テレビでは、手術に失敗して渡海がそれを収拾する場面が毎回のようにあったそうで、医療不信を招かないか心配です。
蛇足ですが、(1回見ただけでナニですが)ドラマのキャストでは佐伯教授役の内野さんが原作のイメージにぴったりでした。渡海は・・・うーん、原作とはかけ離れていたなあ。
まあ、ドラマ自体が原作とは全くの別物のようなので、そんなことを言ってもむなしいのですが。