蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

きよしこ

2008年10月06日 | 本の感想
きよしこ(重松清 新潮文庫)

前のエントリで、浅田次郎さんのことを書きましたが、重松清さんの作品も、失礼ながら、同じような傾向(あざとくて、お涙頂戴、ワンパターン。でも、やめられない)かなあ、と思います。

本書は、どもり癖がなかなか直らない少年を主人公として、その小学生~高校生時代を描く短編連作集。
著者の自伝に近いものらしくて、どもり癖がある人の苦しみ(例えば、カ行とタ行で始まる言葉はどもる可能性が強いので、しゃべる時にそういう言葉が出そうになったら、とっさに言い換える、とか)が、とてもリアルでした。

夏休みにどもり癖の矯正のために通った学校で出会った少し年上の少年のエピソード、近所のアル中のおじさんとのエピソードが特に良かったと思います。

ゲルマといういじめっ子の話は、悪い方のワンパターンにはまっているかな、と思いました。

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