f植物園の巣穴 (梨木香歩 朝日新出版)
表紙のデザインから「家守綺譚」のような内容を期待して読んでみた。
確かに「家守綺譚」のような幻想的な雰囲気の話なのだが、全編ほぼ夢の中という感じで現実とのつながりがあまりに薄くて、ちょっと期待とは違ったものだった。
もっともオチの部分で夢と現実をつなぐ種明かしがされるが、これもありがちな感じがしてしまい、むしろ、最後まで夢物語の方がよかったかも、という気がした。
ただし、筆者が描く「昔の日本の風景、風俗」は、本書でもとても見事で、年をとったせいか懐古趣味的な嗜好が出てきた私には、とても鮮やかな印象があった。
表紙のデザインから「家守綺譚」のような内容を期待して読んでみた。
確かに「家守綺譚」のような幻想的な雰囲気の話なのだが、全編ほぼ夢の中という感じで現実とのつながりがあまりに薄くて、ちょっと期待とは違ったものだった。
もっともオチの部分で夢と現実をつなぐ種明かしがされるが、これもありがちな感じがしてしまい、むしろ、最後まで夢物語の方がよかったかも、という気がした。
ただし、筆者が描く「昔の日本の風景、風俗」は、本書でもとても見事で、年をとったせいか懐古趣味的な嗜好が出てきた私には、とても鮮やかな印象があった。
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