蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

盤上のアルファ

2014年08月11日 | 本の感想
盤上のアルファ(塩田武士 講談社)

花形の社会部から文化部の将棋担当へ左遷された新聞記者の秋葉は、いきつけの飲み屋で、奨励会の編入試験を受けようとしている真田と知り合う。真田は元奨励会員だが、規定年齢までにプロになれず退会していた。近年できた編入制度を利用して再挑戦を目論んでいるが、失業中で、住んでいたアパートも追い出され、秋葉のマンションに転がり込む。すべてをかけて真田が将棋に没頭している姿を見て、失意の中にあった秋葉も立ち直る・・・という話。

新人賞を受賞した作品で、一部の書評でも好評だったらしいが、ちょっと予定調和がすぎるというか、ステレオタイプというのか「きっとこういう展開だろうな」という通りに終わってしまった感じ。

重苦しい話にならないように、おそらく意図的におちゃらけたエピソードを交えているのもイマイチかな、と思えた。
クライマックスの場面は盤面図を入れてくれないと、私のような素人には、逆転の一手がどれくらいすごかったのかを理解するのは、ちょっと厳しいと思う。
(読んだのは2012年12月頃)

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