円朝芝居話 夫婦幽霊(辻原登 講談社)
著者がたまたま見つけた江戸末期~明治時代の落語家・円朝の「夫婦幽霊」という口演の速記録を翻訳したという設定で、実際は著者の創作(と思われる)「夫婦幽霊」の話が主題。
辻原さんの著作の全体的(というほど読んでいないが)な傾向として、どこまでが現実でどこからが創作なのかよくわからない、少しだけ幻想的な構成が特長となっているが、本書では、ある程度史実が混じっているのかまるっきり著者の創作なのか(私の知識が不足しているせいで)判然としない。
多分ある程度歴史上の事実や実在人物が登場していると思われ、それが良くわかる人にとってはこたえられない面白さがありそうな気がする。
とはいっても、著者の嘘にうまく乗せられてもいいと割り切れば、「夫婦幽霊」の話自体もその前後の円朝とその息子をめぐる物語もとても楽しく読める。
ただの読み物としてさらっと読んでもいいし、落語や明治期の風俗に詳しい人がじっくり読み込んでも楽しめそうなすぐれた小説(だと思う、多分)。
著者がたまたま見つけた江戸末期~明治時代の落語家・円朝の「夫婦幽霊」という口演の速記録を翻訳したという設定で、実際は著者の創作(と思われる)「夫婦幽霊」の話が主題。
辻原さんの著作の全体的(というほど読んでいないが)な傾向として、どこまでが現実でどこからが創作なのかよくわからない、少しだけ幻想的な構成が特長となっているが、本書では、ある程度史実が混じっているのかまるっきり著者の創作なのか(私の知識が不足しているせいで)判然としない。
多分ある程度歴史上の事実や実在人物が登場していると思われ、それが良くわかる人にとってはこたえられない面白さがありそうな気がする。
とはいっても、著者の嘘にうまく乗せられてもいいと割り切れば、「夫婦幽霊」の話自体もその前後の円朝とその息子をめぐる物語もとても楽しく読める。
ただの読み物としてさらっと読んでもいいし、落語や明治期の風俗に詳しい人がじっくり読み込んでも楽しめそうなすぐれた小説(だと思う、多分)。