蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

アルゴ

2013年02月26日 | 映画の感想
アルゴ

朝、通勤電車の中で「キネマの神様」を読み始めたら、とても面白く、映画館で映画が見たくなった。単純ですね。

それで、カレンダーを見るとちょうど20日(2月20日)で、確か20日は自宅近所のシネコンが1000円均一だったことと、水曜日で会社が早帰り(残業の多い会社なので、水曜日は強制的に早く終業しようということになっている)だったことを思い出した。
早速そのシネコンのスケジュールを見ると、19:00から「アルゴ」をやっていたのでこれを見ることにした。
実は映画館で映画をみるのは10年ぶりくらい。昔に比べると椅子が広々しているなーと感じた。料金が安い日ということもあって、封切から相当な期日が経過している映画だけれどお客さんの入りはまあまあだった。

イラク革命下のテヘラン:アメリカ大使館へ暴徒が乱入する。ビザ担当?の6人は裏口から逃げ出してカナダ大使を頼り、その私邸に匿われる。
イランの革命防衛隊はアメリカ人狩りを行っていて、6人が見つかるのも時間の問題と思われた。国務省は救出作成として、CIAの人質奪還の専門家:メンデスの、6人をSF映画のロケハンにテヘランを訪れたカナダ人に偽装させて民間機で出国させるというアイディアを採用し、メンデスはテヘランへ派遣される、という、実話に基づく話。

そういうストーリーを丁寧に説明する前半部分はややもたつき気味ではあるし、6人は無事出国できたという結末を見る方はあらかじめ知っているのだけれども、カナダ大使私邸を出て出国を果たすまでの一連のシーンの迫力と緊迫感、スピード感は(前半のもたつき感はむしろ、この後半をよりビビットにするための「タメ」のようなものだったのかも、と思わせるほど)相当なもので、搭乗した民間機がイラン領空を出たあたりは6人とメンデスにハイタッチをしたい気分になった。映画館全体にも、そんな高揚しつつも安堵したムードが(「キネマの神様」の影響だと思うが)漂っているような気がして、映画館にも「ライブ感」みたいものがあるんだなあと、勝手に思い込んだ。

国務省は、6人を救い出そうと、自転車脱出作成とか英語教師偽装作戦とかをCIAといっしょに懸命に考える。映画のロケハン作戦に方針が決まった後も、本当に映画を作るくらいの予算を事前活動につぎこんでメンデスを支援する。
この6人は公務員ではあるが、マスコミが事前に事態を知っていたわけでもないのに、ここまでリソースと情熱を投入するのだから、アメリカの在外の自国民に対する保護の責任感はすごいなーと思った。

映画の最後に6人が救出されてすぐ、マスコミに大々的に取上げられる場面が出てくる。「そんなことして大丈夫だったのか」なんて心配になってしまった。今だったらアメリカ国内でテロにあっちゃいそうな気がするけど、当時はそういう懸念は薄かったのだろう。
心配になっといえば、6人を空港で取り逃がした人たち(手形的書類がないのに関門を通してしまった人とか、尋問をした革命防衛隊の人とか)だ。この後、彼らに過酷な運命が待っていたのではないかと懸念される。特に人のよさそうな防衛隊のリーダ格の人が心配だ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« キネマの神様 | トップ | 黒王妃 »

コメントを投稿

映画の感想」カテゴリの最新記事