蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ペンタゴン・ペーパーズ

2018年04月10日 | 映画の感想
ペンタゴン・ペーパーズ

1971年、ベトナム戦争中のアメリカで、その戦況等の経緯や判断について政府が極秘裏に作成していた大量の文書がリークされ、NYタイムズがスクープする。特オチしたワシントンポストも同じ文書を入手するが、すでに政府がNYタイムズに対して(裁判所に)差止請求をしており、ワシントンポストが報道した場合、法廷侮辱罪?に問われる可能性があった。編集長のベン(トム・ハンクス)は掲載を主張するが、ワシントンポストは上場直後で不祥事は絶対に避けたい役員たちは掲載に反対する。社主のキャサリン(メリル・ストリープ)は間に挟まれて決断を迫られるが・・・という話。

実際の事件を知らないのだけど、ワシントンポストは特オチした方なので、NYタイムズの方にこそいろいろなドラマがありそうにも思えるのだけど、直後に起こったウォータゲート事件(ワシントンポストがスクープ)のインパクトが強すぎて、アメリカではニクソンの不祥事=ワシントンポストの手柄みたいなイメージが強いのだろうか???

専業主婦だったキャサリンは近親者の死により止む無く社主をやっているが、ビジネス経験は乏しく、依存的な性格で、決断を迫られても何を基準に判断していいのかわからないのだけど、勢いで掲載OKと言ってしまった、
というのが、本作の伝えたかったことではないかと思う。
キャサリンが苦悩する場面とか決断に至るプロセスがあまり描かれていないためにそう思ったのだが、間違っているかなあ??(というか、あの状況で掲載OKというのは経営者としては無謀だよなあ。まあ、だからこそドラマになったのだが)

人生の重大な決断は、案外いいかげんに決められる・・・それが本作のメッセージ・・・やっぱり間違いか。

強い女性、自立した女性、くじけない女性を演じたら天下一品のメリル・ストリープは、その全く反対の性格の役柄の演技でも絶品の演技。
キャサリンは、気弱で、優柔不断で、ビジネス的能力は劣り、周囲に頼り切りの人、としか(この映画の中では)見えないのだった。

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