蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

ウインターズボーン

2012年05月30日 | 映画の感想
ウインターズボーン

17歳の主人公の父は、麻薬絡みの事件で裁判にかけられようとしていたが、借金してこしらえた保釈金で出所した後、行方をくらます。
主人公の母は精神病で、幼いきょうだい二人を抱えて、主人公は日々暮らしていくのがやっと。
そこへ保安官?が来て父が裁判に出頭しなければ保釈金の担保に入っている自宅や森をとりあげる、という。
主人公は父を捜し始めるが・・・という話。

主人公は、叔父や遠縁の一族?を訪ね歩くが、皆、父にかかわるのを避けて非協力的である。しかし、困り果てた主人公が無謀な策をめぐらすのを見て、やがて協力しはじめる。その、主人公の悪戦苦闘ぶりが周囲の大人の態度をしだいに変えさせていくあたりがいい。

舞台は、「ここは現代のアメリカ?」と思えるほどの田舎(例えばリスを銃で捕獲して皮をはいでフライにして食べちゃうとか)なのだけれど、アメリカと言えど、そんな僻地に行けば一族や血縁の関係というのは濃密(この映画で見る限り日本の田舎のそれよりずっと濃い感じ)なんだなあ、と思えた。

暗いストーリーなんだけど、主人公が支える家族関係は暖かくて、この手の映画にしては珍しくハッピーエンディングが訪れるので、見終えた後さわやかな気分になれた。

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