蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

海辺のカフカ 2/5

2005年09月21日 | 本の感想
村上春樹さんが書いた「海辺のカフカ」(新潮社)を読み終わりました。

私の住むマンションでは共用部の小さな部屋が図書室になっていて、住民が読み終わった本を寄贈して、それが並べられ、自由に借りられることになっています。読み終わるとすぐに持ってきてくれる方もいらっしゃって比較的最近出版された本もたくさんあります。

その中に「海辺のカフカ」もありました。
この超話題作の感想を今頃書くのは、我ながらどうよ、という感じですが、少々退屈しながらも長い話を読み終わったので書いて見ることにします。

村上さんが書いた本を読んだのは「ノルウエイの森」のみです。それもかなり昔で、当時もベストセラー作家でしたし、「ノルウエイの森」もかなり売れていたように思いますが、私にとってはあまり魅力ある本ではありませんでした。それきり一冊も読んだことはありません。

出版される本のことごとくが例外なくベストセラーという著者の本の中でも「海辺のカフカ」は特に話題を集めたようですが、私にはどうしても面白く感じられませんでした。
相当に長い話ですが、登場人物が少なく、筋も単純で、文章もとても読みやすいので、本を投げ出したくなるようなことはないのですが、作者が昨日見た夢をだらだらと聞かされているような感じがして、有体に言って退屈な本でした。

田村カフカという家出少年とナカタさんという老人のエピソードが交互に語られるのですが、ナカタさんのエピソードの方が相対的には楽しめました。ともに幻想小説的な建てつけなのですが、作者の狙いはよくわからないままでした。

慢性的な不況のような出版界でこれだけ長年にわたって継続的に多数の本が出版され読者から支持されているのですから、私の読解力に問題があるのでしょうが、やはりこの本がどうしてこんなに売れ、読まれるのかが、私にはわかりませんでした。
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