翔竜雷撃隊 (谷甲州 中公CNOVELS)
今度も前刊から長々と待たされた、覇者の戦塵シリーズの最新刊。
本シリーズは、1冊のボリュームが少ない(200ページ前後)ということもあって、数巻ずつがまとまってエピソードが完成していく形になっていることが多く、「電子兵器奪取」「空中雷撃」と本作が一つのグループになって、日本軍による誘導爆弾開発が語られる。
今回のエピソードは、地味さが売り物の本シリーズの中でもとびっきりの地味さ(ほとんど架空戦史ものとは思えない内容)だった。
本作は貯めこんだエネルギーを放つように戦闘シーンが目白押し。といっても、戦うのは艦名さえない駆潜艇と潜水艦一隻のみ。他の架空戦記ものを読みなれた人には信じられないかもしれない。しかしこの戦闘シーンはリアリティと迫力に満ちていて読みがいがあった。
本書は、わずか数人の日本兵が敵の偵察員を追う話から始まり、偵察員に補給に来た潜水艦との戦闘→撃沈された潜水艦のサルベージ→(機密満載の潜水艦を)サルベージさせるものかと米機動部隊が空襲のため出動→陽動にひっかかりかけた日本軍がぎりぎりのところで空母を補足し誘導爆弾を発射、というストーリーになっている。このようなエスカレーションが非常に納得性の高い形で展開されていて、あたかもバタフライ効果の一例のような鮮やかさがあった。
と、いうことで1年以上待たされた甲斐があったというものだが、次はいつ出るのだろう。あとがきで著者が「もうネタ切れ」という趣旨のことを言っているのが気になる。
今度も前刊から長々と待たされた、覇者の戦塵シリーズの最新刊。
本シリーズは、1冊のボリュームが少ない(200ページ前後)ということもあって、数巻ずつがまとまってエピソードが完成していく形になっていることが多く、「電子兵器奪取」「空中雷撃」と本作が一つのグループになって、日本軍による誘導爆弾開発が語られる。
今回のエピソードは、地味さが売り物の本シリーズの中でもとびっきりの地味さ(ほとんど架空戦史ものとは思えない内容)だった。
本作は貯めこんだエネルギーを放つように戦闘シーンが目白押し。といっても、戦うのは艦名さえない駆潜艇と潜水艦一隻のみ。他の架空戦記ものを読みなれた人には信じられないかもしれない。しかしこの戦闘シーンはリアリティと迫力に満ちていて読みがいがあった。
本書は、わずか数人の日本兵が敵の偵察員を追う話から始まり、偵察員に補給に来た潜水艦との戦闘→撃沈された潜水艦のサルベージ→(機密満載の潜水艦を)サルベージさせるものかと米機動部隊が空襲のため出動→陽動にひっかかりかけた日本軍がぎりぎりのところで空母を補足し誘導爆弾を発射、というストーリーになっている。このようなエスカレーションが非常に納得性の高い形で展開されていて、あたかもバタフライ効果の一例のような鮮やかさがあった。
と、いうことで1年以上待たされた甲斐があったというものだが、次はいつ出るのだろう。あとがきで著者が「もうネタ切れ」という趣旨のことを言っているのが気になる。
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