蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

教場

2016年07月16日 | 本の感想
教場(長岡弘樹 小学館)

警察学校を舞台に、学生が抱える様々な問題をベテランの教官が解決していく中で、日常の謎系の謎解きをするミステリ。殺人事件がおきたりするわけではないが、非常に厳しい規律のもと、いつクビになるかわからない緊張状態がうまく表現されていてサスペンスフルでさえある。
短編の連作形式なのだが、もともと雑誌連載されていたせいか、各編の終わりが「謎解きは次回で」みたいな感じで尻切れトンボで終わるのがやや違和感があるが、かえってそれが魅力になっている側面もある。

それにしても警察学校って(本書の描写は多少オーバーなのだろうが)時代錯誤的に厳しいところなんだなあ。人手不足の今時、こんなんで警官になってくれる人がいるのか心配になるほど。
まあ、しかし日常的に武装しているわけだから規律にしたがえるような人でないと警官になってもらっては困るわけだけど。
コメント
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