老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

米大統領選:「ステイ・ザ・コース」はどこへ?

2006-10-25 21:36:27 | アメリカ
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20061025k0000e030037000c.html
米政権:イラク政策スローガン「この道を突き進む(Stay the Course)」撤回  

イラク単独先制攻撃(戦争)した米英両政府は、どうやら、宗旨(「テロとの戦い」)替えをしそうです。1年後か、その半年後位に、イラクから撤退する模様です。少なくも、英政府は、その気になったようです。

そんな模様もあり、今日は、ヨーロッパの最近の情勢を見ておきたいと思います。

『護憲+』 資料館 (分類別一覧) ⇒ 7.ヨーロッパ < http://easyform.net/bn/FR.exe?Parm=kp!K0036B&Val=BR!07&Init=Kensaku

「護憲+BBS」「市民のための“米国大統領選挙”」より
蔵龍隠士
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三波春夫「この国が好きでした」(NHK)

2006-10-25 11:12:03 | マスコミ報道
今朝(10/24)テレビを見たら、森村誠一さんが三波春夫さんについて「日本人が大好きだった。日本の国が大好きだった」と話していました。
http://www.nhk.or.jp/shiruraku/200610/tuesday.html

森村さん自身もそうだからこそ、「二度とこのようなことが起きないように」との願いを込めて731部隊の蛮行を暴いた(悪魔の飽食)に違いありません。

ところがそうした行為を国を貶めるものとして、反日とか媚中と非難する人々がいますが、わが子の万引きを指摘されて「うちの子に限ってそんなことをするはずがない」とか「誰でもやるちょっとした過ち」とかいう親と同じです。

誤った愛情が子供の将来を台無しにしてしまうように、愛国心の押し売りは国の将来を危うくする元だと思います。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
宮天狗
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米国大統領選挙

2006-10-24 20:20:39 | アメリカ
米中間選挙(11/7) もう、すぐそこです。良き結果を。

http://www.toonippo.co.jp/news_hyakka/hyakka2006/0503_3.html
Web東奥/ニュース百科: 米中間選挙
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/senkyo/
’06米中間選挙:最後の攻防/5止 バージニア州 人種差別発言で混とん
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200610230015.html
米大統領、イラク情勢のほか国内景気を強調へ 中間選挙
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200610240007.html
米中間選挙の共和党候補、ヒラリー議員の容姿批判を否定

まずは、最近の動きのおさらい。
『護憲+』 資料館
http://yufuu.com/user/goken/Shiryoukan.htm
(分類別一覧) ⇒6.米国
http://easyform.net/bn/FR.exe?Parm=kp!K0036B&Val=BR!06&Init=Kensaku
次に、大きな争点となっているイラク情勢のまとめ。
(分類別一覧) ⇒4.イラク
http://easyform.net/bn/FR.exe?Parm=kp!K0036B&Val=BR!04&Init=Kensaku

「護憲+BBS」「市民のための“米国大統領選挙”」より
蔵龍隠士
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制裁ブームの愚かしさ

2006-10-24 16:55:34 | 北朝鮮問題
今度の北朝鮮のことでは、このコラムにまともな意見をとても書きにくいので、私が親しい友人に当てた手紙で代用させてもらうことにします。
 
「護憲運動はまだ続けるつもりです。これが、戦中の反戦少年のせめてもの節操です。

北朝鮮を制裁、制裁という国は、日本を除いてみな核兵器を沢山持っています。それで北朝鮮はいつやられるか分からないから、(イラクだって、大量破壊兵器をもっていないのに、もっているといってやられました、北朝鮮はアメリカに対して何もしないのに「悪の枢軸」呼ばわりされ、日韓米の合同軍事演習の<仮想敵>にされています)怖くてたまらず、せめて核を持っていれば、持っている国もやりにくいだろうと思うのは自然です。

制裁、制裁なんていうのは、この意識をますます強めるだけです。それも分かっていてアメリカはやっているのだと思います。そしていざとなったら、前衛基地日本で日本兵を使うつもりでしょう。

北朝鮮の立場に立って考えれば、米国に自国を攻撃するのをやめさせるためには、一刻も早くアメリカ本土の東部も攻撃できる核兵器を作りたいのだと思います。日本を攻撃できるぐらいではアメリカは困らないでしょうから。 

それに本当は日本だって、アメリカの前衛基地日本が狙われるより、米本国が狙われる方がまだましなわけです。それで「護憲+」のコラムに、一刻も早くアメリカ本土を攻撃できる核爆弾やそこまで運べる武器を作れるよう、北朝鮮に科学者や技術者は協力すべきだ、なんて書きそうになって困っています。(これは不可能です。)

わたしは北朝鮮の体制そのものは大嫌いです。(念のため)ただしこれを直すのは北朝鮮の人民のすべきことで、よその国がすることではありません。」

ここまでちょっと変な文章を引用しましたが、頑固な護憲主義者の私は、今まで書いたことは本当に困った挙句の暴言です。

日本の現憲法の九条に自衛権などありえないし、この憲法が議会を通った時、吉田茂首相(当時の提案者)も「この憲法に自衛権はまったくない」といっていて、この憲法は議会で可決されているのですから、最近の政府の九条二項の解釈はまったく間違いです。
 
したがって我々が今できることは、国民投票の時憲法改悪を否決して、原爆の被害を受けた日本人は今でも戦争や核戦争には反対であることを世界中に示すことだけで、それが悲しいながら現在の状況に対して唯一の対処法だと思っています。安保廃棄の大国民運動は今すぐは無理です。

「護憲+コラム」より
くぬぎ林
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栗東市長選

2006-10-23 23:19:01 | 選挙
毎日新聞の朝刊に『「新駅推進」現職が再選』という記事がありました。

東海道新幹線の新駅建設を、「もったいない」で当選した嘉田由紀子知事のお膝元、栗東市の市長選挙で、推進派の現市長が再選されたという記事です。

再選そのものも大変ですが、確定得票数をみてください。

国松正一   無現(自)   12082
田村隆光   無新(民,社)  11053
杉田聡司   無新(共)    5992

つまり野党側は、共闘すれば楽に勝てた戦いで負けたのです。共産党が、すべての選挙区に立候補者を立てるという戦術を考え直さない限り、参院選でもこういうことが繰り返されるでしょう。 

それぞれの地域での自党の勢力を確認するために全選挙区に立候補者をたてるのだ、ときいたことがありますが、まさに国民のための政治を考えない視野狭窄的な態度だと思います。

大政党を相手に難問ですが、ここを何とかしたい、何かできることがあるか、の思いで書きました。

「護憲+BBS」「2007年参議院選挙に向けて」より
松林
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清宮の挑戦に学べ (民主党への提言)

2006-10-23 16:26:49 | 選挙
今回の補選、結果はまことに残念。絶望感に襲われるのはよく分かりますが、結果は結果、受け入れるしかありません。

選挙であろうと、スポーツであろうと、【戦い】というものは、勝者と敗者しかありません。「Winners take all」の世界なのです。だからこそ、人々は【戦い】が好きなのです。自分の全知全能を傾けて相手に勝利する。勝敗もしかりですが、その過程の痺れるような充足感が人々を魅了してやまないのです。その意味で選挙はスポーツだともいえるのです。

早稲田大学のラグビー部に清宮監督というカリスマ監督がいました。低迷を続けていた早稲田ラグビーを建て直し、5年間で学生の頂点にたつこと2回、早稲田の属しているリーグ戦では5年間無敗の常勝チームに変身させました。今年から、日本ラグビー界の頂点のリーグであるトップリーグのサントリーの監督に就任しています。

ここ数年低迷を続けているサントリーラグビー部が、常勝チーム東芝を押さえて、現在リーグのトップに立っています。NHKTVの「情熱大陸」でその秘密を探っていましたが、さすがと思わせる内容でした。

彼はまずここ数年のチームの低迷の原因を徹底的に分析することからはじめます。あらゆるデータ、とりわけビデオ分析を徹底的に行うのです。そして、選手一人一人がゲームの中で「考えていない」「生きていない」という点に着目します。どの競技でもそうですが、一つ一つのプレーには意味があります。ところが、選手は競技に慣れると惰性でプレーをこなしがちになります。このラグビーに対する「慣れ、惰性」が積み重なると、一つ一つのプレーが雑になります。これがチーム全体に蔓延し、知らず知らずのうちにチーム全体が低迷するのです。野球で言えば、ジャイアンツの長期低迷に似ています。民主党で言えば、細野議員の女性スキャンダルというわけです。

彼は、まずこの選手間に蔓延しているラグビーに対する「慣れ(狎れといってもよい)」を一掃することからチーム改革をはじめました。格好よい言葉で言えば、【意識改革】とでもいうのでしょう。

実は、「意識改革」というのは簡単ですが、これが一番難しいのです。「意識改革」を選手に迫るには、ラグビーのプレー一つ一つを理論的整合性を持って解析し、選手がなるほどと納得させなければ、変らないのです。まして、トップリーグの選手たちは、ラグビーのエリートの集まりです。いわば、ラグビーのプロです。それぞれ自分のプレーに自信を持っているのです。それを納得させ、変容させるのは、口で言うほど簡単なことではないのです。

彼は、それをビデオを使って具体的に視覚的に行いました。試合の中での選手の動きを一つ一つ具体的に指摘し、自分はどう考えて動いたかを考えさせます。そして、この場合どう動いたらベストかということを一つ一つ具体的に指摘し、解析したのです。さらに、練習の動きを逐一ビデオにとり、練習終了後、その中で問題になる動きを取り出して指摘しました。文字通り、「鉄は熱いうちに打て」を実践したのです。選手たちは、ビデオの中の自分の動きを見せられるのですから、反論しようにも反論のしようがありません。つまり、【客観的・科学的事実】を持って、意識の変容を迫ったのです。

もちろん、清宮監督は、その前に練習のビデオを自分自身で点検し、その中から必要なものをピックアップするのですが、この選別作業に監督としての目、ラグビー観が凝縮されているのです。※これが非常に重要な点で、この選択がチームや選手の意識変革の帰趨を決定するのです。

彼はこう語ります。「選手に指示を与える以上、監督は選手をはるかに超える情報をもたなければなりません。同時にその情報を絞って選手に与えなければなりません。全ての情報を選手に与えたら、選手はパニックになります。トップリーグのように短い期間で何かを成し遂げようと思えば、リーダーの軸がぶれてはいけません。どんなときでも、軸がぶれないようにするためには、あらゆる情報を集めなければならないのです。」

上記のような考え方を軸として、今期「アライブ」と「自分で考える」という二つの目標を設定し、浸透させたのです。アライブとは、「自分が生き生きとしているか」という一人一人に対する問いなのでしょう。

さらにもう一つ、清宮は、ラグビーのような身体をぶつけ合う格闘技的要素の強い競技には、選手の熱い思い、「熱」が必要だと考えているのです。東芝の薫田監督は、同じ事を【どのチームより痛い練習をしたという自信が必要だ】と語っています。ラグビーを観戦されれば一目瞭然ですが、2m・100kg近い大男がぶつかり合うのです。一瞬でもひるんだら、負けてしまうのです。どんなに恐ろしくても、前に出て相手に正面からぶつかる勇気が必要なのです。そういう勇気を奮い起こす「熱」をかもし出すために、彼は、あえて非科学的、非論理的練習を課す事もあります。雨が降っている日、暑さで倒れそうな日、前日試合で選手が疲労困憊している日などにあえて厳しい練習を課したりするのです。

これはスポーツ(特に団体競技)をしたことがある人なら誰でも経験があるのですが、勝負には【勢い】という摩訶不思議な要素が非常に大切なのです。冷静に見れば、絶対負けるはずがない相手に負けてしまう、というケースがよくあります。これは相手チームの目には見えない【勢い」に飲みこまれたた結果、こういう現象がおこるのです。

清宮の新しさは、科学的合理的発想を徹底的に追求しながら、過去の日本のスポーツ界の主流だった上記のような非科学的、非合理主義的な【根性主義】の長所も取り入れるというきわめて柔軟な発想の持ち主だというところにあるのです。

さて、それでは清宮監督の発想から見ると、今回の選挙の敗北はどのように映ずるかという問題です。

1、まず【政権交代】を目指すという軸がぶれてはいけません。

2、選挙の敗因分析は徹底的に行わなければいけません。しかし、清宮監督がビデオ映像を選択するように、きちんとした意図に基づいた分析でなければなりません。そうしないと、焦点がぼけてしまいます。

自民党は政権与党です。外交・内政あらゆるものを選挙対策に使えます。安倍首相の中国訪問、北朝鮮の地下核実験など全てを選挙対策に使えたのです。これが、選挙(スポーツで言えば試合)の摩訶不思議な【勢い】になったのです。今の選挙は、この【勢い】をどのようにして醸成するか、という視点での分析がきわめて重要になります。※この視点が、読売新聞の社説だと思います。http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20061022ig90.htm

3、選挙で言う【どぶ板】は、スポーツでいう【根性主義】に当たります。これは戦う人間に【熱】を生み出す原動力になる重要なものですが、同時にその熱は、強固な【理念】に基づいていなければなりません。

宗教団体が強いのは、一人一人の支援者にこの強固な理念(どんなに間違っていても)があるからです。民主党が一番弱いのはこの点です。支援者の理念はばらばらなので、【熱】を生み出し辛い体質なのです。だから、どうしても【風】頼みになるのです。これを指摘したいるのが、朝日の社説でしょう。http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu1

それに勝つためには、強固な理念に基づいた細部にわたる科学的合理的方策が必要になります。政党で言うならば、【政策】なのです。この点がまだまだ不足だと思います。

この欠点を克服するためには、参議院の候補者全ての演説などをビデオにとり、一人一人の長所・欠点を洗い出し、具体的な指導を行わなければなりません。また、TV出演する民主党代議士の録画を仔細に点検し、発言時間、発言内容、TVうつりその他をプロの目(TVに関係している人間)で洗い出す必要があります。

4、【政治は生活】というキャッチフレーズは良いのですが、参議院選挙までに人心を昂揚させるもう一つのキャッチフレーズを考える必要があります。選挙は【勢い】なのです。【勢い】という摩訶不思議なものを味方につけたほうが勝つのです。論理的・合理的思考を突き詰め、それに加えるサムシングが【勢い】なのです。今回の選挙は、この【勢い】が希薄だったと思います。

たかがスポーツと馬鹿にするのではなく、選挙はスポーツというくらいの割り切りで見ると、非常に多くの教訓が得られると思います。

「護憲+BBS」「2007年参議院選挙に向けて」より
流水
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衆院補選の結果を受けて(2題)

2006-10-23 16:13:03 | 選挙
きのうの補選の結果(自民2勝)を見て、がっかりしています。しかし、がっかりしている場合じゃないですよね。私たちができることを考えていきませんか?共謀罪や、憲法改悪・教育基本法改悪を見過ごすわけにはいきませんよね・・・

「護憲+BBS」「2007年参議院選挙に向けて」より
コナシ

何かやるにあたっては現状分析が大事との考えで、昨日の結果を「社説」をもとに振り返ってみると、自民2勝の要因は以下のようになります。

〔自民党勝利の要因〕
(1)タカ派的歴史認識を封印し中韓訪問を実現させた。
(2)北朝鮮の核実験への「毅然とした対応」が評価されている。
(3)公明党の集票活動が後押しした。
(4)自民党前職議員の死去に伴う補選だった。
(5)「テレビ政治」の広がりで「考える政治」が影をひそめている。

〔民主党敗北の要因〕
(1)北朝鮮ショックで「格差問題」を争点にできなかった。
(2)安全保障に関する基本政策が党内で統一されていない。

〔低投票率〕(神奈川16区:47.16%、大阪9区:52.15%)
(1)明確な争点がなく「無党派層」の関心を引き付けられなかった。

以上を踏まえ、有権者としての私たちに何ができ、どこに焦点をあて、何をすべきかを考える必要があると思います。

「護憲+BBS」「2007年参議院選挙に向けて」より
笹井明子
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『安倍首相の歴史認識は甘い』立花隆氏

2006-10-23 07:15:53 | 安倍内閣
以下のURLで外国特派員協会(プレスクラブ)で行われた講演のビデオが見られます。その中の9月27日立花隆さんのスピーチは安倍晋三総理の性格や力量をとても上手く説明していて、一見の価値があります。(安倍氏は思っている以上に手ごわそうです。)

プレスクラブ・ビデオニュース
http://www.videonews.com/press-club/

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
笹井明子
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ETV特集「許されなかった帰還~福岡・振武寮」

2006-10-22 06:39:04 | マスコミ報道
ETV特集「許されなかった帰還~福岡・振武寮」という番組を見ました。

振武寮とは、劣悪な飛行機で已む無く不時着したり戻ってきた特攻隊員を人目にさらさず収容し、精神を鍛えなおす施設だったそうです。陸軍の公式の記録は皆無とのこと。ドキュメンタリー作家の林えいだいさんが、この施設を作った参謀の持っていた資料からその生き残りの隊員を探し当て、聞き取った記録です。

「特攻なんて勇ましいものでもなんでもない」
「あんな無茶な作戦はもうごめんだ。それは死んだものも生き残ったものも同じ気持ちじゃないでしょうかね」

振武寮にいて生き残った元特攻隊員の方のつぶやきです。

「護憲+BBS」「戦争体験者の証言」より
コナシ
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核武装論の理念喪失!

2006-10-21 14:45:47 | 安全・外交
中川・麻生両氏が口火を切った形の「核武装論」は、日本政界の中に底流として流れていた。石原慎太郎の核武装論は有名だが、中国が核実験をしたとき、時の総理大臣佐藤栄作が核武装に言及し、専門家を集めて核武装の可能性を研究していたことが昨日の報道ステージョンで流されていた。ことほど左様に、力を標榜するものにとって、核というものは魅惑的な存在である。

国連安保理の常任理事国はすべて核保有国であり、その他インド・パキスタン・イスラエルも保有している。核の抑止力理論は、20世紀の遺物ではなくて、現実の問題として再浮上し始めている。しかし、20世紀と決定的に違うのは、核がテロリストに渡り、それが現実に使われる可能性がある点である。核の小型化(スーツケース爆弾のような)がそれを可能にした。科学技術の進歩が、人類の首を絞める、という科学と人間との逆説的な関係が核問題に象徴されている。

ともあれ、国家対国家の間なら有効である「核抑止力理論」も、国家対テロリストには効力はない。その意味で、核問題は、20世紀よりはるかに深刻で、一歩間違えば本当に核が世界中に拡散し、人類の生存を根底から揺るがしかねない。

加藤尚武はを戦争論を3つの類型に分けて考えている。
1、絶対平和主義
絶対平和主義とは、非戦論・非武装中立、自衛権も含めた戦争放棄、絶対無抵抗の立場。日本国憲法に先取りされた理念。(※解釈改憲とは、「自衛隊」を認知するために、国際法で「個別自衛権」は認められているという理論付けで戦後自民党政府が行ってきたもの。現在の安倍政権は、この解釈を「集団自衛権」まで拡大しようというもの。)
2、限定戦争論
今回の北朝鮮の問題のように、平和的手段が効をなさない場合がある。そのとき、条件をつけて限定的な最小限度の武力行動を容認する立場をいう。基本的には反戦論の立場で、絶対的平和論ではなく、相対的平和論とでも言うべき立場である。現在の国連の立場は、基本的にこの立場であり、7章の41条、42条というのは、条件付、限定的武力行動の容認と読むべきであろう。
3、無差別主義
2の「限定的」というのは、きわめて歯止めが難しい論理で、現実に戦争が始まったら、戦場の論理が優先される。現にイラク戦争では、民間人の死者は5万人を越え、使用されている武器も核爆弾を除けば、限定されていない。つまり、戦争はいったん始まってしまえば、「戦場の論理」が優先される。さらにいえば、米国の「先制攻撃論」は簡単に言えば「やる前にやれ」という論理で、この発想はどう考えても、条件付「限定戦争」とはいえない。つまり、「危機があるからやむ負えない」「戦争だから、やむ負えない」という論理が通る可能性が高い。こういう無限定な戦争のありようを肯定する考え方を無差別主義論という。

日本国憲法9条を非現実的、理想主義的夢物語、平和ボケなどと嘲笑・揶揄する右派の論調から、それでは自分はどのような「戦争観」を持っているかを判断するのは難しい。今回の中川・麻生両氏の「核武装論」も、両氏がどのような「戦争観」を持っているかで大きくそのありようが異なってくる。ただ、「絶対平和主義」にしても「限定戦争論」にしても、「戦争は悪」「平和が正しい」という前提がある。正しい「平和」を守るためにどうすべきか、という方法論の相違が両者を分けている。

しかし、悲しいかな「平和が嫌い」「戦争が好き」というタイプの人間が多数存在する。わたしから見れば、中川・麻生両氏とも、「平和が嫌い」なタイプに見える。これは両氏に限らず、政治家全てにいえるのかもしれない。選挙のときの政治家の姿を見ていればよく分かる。ほとんどの政治家が生き生きとしている。選挙は戦い。そこで生き生きとなるというのは、人間の性としかいいようがない。

高村光太郎が、真珠湾攻撃を聞いた時、ものにつかれたように、戦争賛美の詩を書いたのも、戦いが好きという人間の性なのだと思う。何も高村だけはない。真珠湾の戦果に胸をときめかせ、歓呼の声を上げた日本人は無数にいるはずである。ことほど左様に人間という奴は、「戦いが好き」だし、静かな「日々」に何となく物足りなさを覚えるものである。(※この場合、人間を男といった良いかもしれないが、現在は女性にもこういうタイプが増えているので限定しなかった)

こういう人間の心理を計算に入れない政治家の発言は、きわめて危険である。逆にその心理を計算に入れて発言しているのなら、そういう発言こそ「扇動」というべきであり、厳しく糾弾されねばならない。

さて、今回の北朝鮮危機で明らかになったのは、21世紀人類が直面している「核拡散」の恐怖である。この恐怖を如何にして取り除くか、という課題解決に人類の未来がかかっている。

ここでわたしたちがよく考えなければならないのは、唯一の被爆国である日本と世界に先駆けた先見性を持っている日本国憲法の意味である。北朝鮮の核の恐怖に晒されている今こそ「核廃絶」を世界の先頭に立って叫ぶことが、世界から尊敬されることだという認識がなくてはならない。

こういう恐怖にさらされても、なぜ日本は核武装をしないのか。なぜ、非核三原則を遵守するのか、ということを世界に大きく発言するべき、絶好のチャンスである。政治家の先見性とはそういうものだと思う。同時に、目の前にある危機には、国際社会と連携して、日本がとりうるできるだけの手を打てばよい。臨検などという戦争一歩手前の手段をとらないのは、上記の理念に基づいているからである、というメッセージを発信すればよい。

国家の品格とは、そういう高い「倫理性」をもってはじめて生まれるものである。今回の中川・麻生はじめ安倍内閣のネオコン連中には、そういう先見性も倫理性も何もなく、危機の政治利用しか頭にないことがはっきりしたと思う。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水
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