老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

スポーツよりも政権から目が離せない

2023-03-27 16:37:06 | マスコミ報道
WBCの準決勝が終盤に差し掛かったその時、テレビのニュース速報と携帯電話のプッシュ通知の音が次々と聞こえた。
「まだ試合は続いているのに」

決勝進出を強く待ち望むあまり、報道関係者が先走ってしまったのかと勘違いをしていたが、通知の詳細を読んだところ「岸田首相、ウクライナを電撃訪問」というとんでもない内容であった。

野球の試合への関心が失せたと同時に、「もしやこのタイミングを狙っていたのではないか」と疑ってしまい、呆れと怒りの感情が一気に湧いてきたことをはっきりと覚えている。一般市民が国際的なスポーツイベントで勇気と感動を得て歓喜に包まれている、半ば酔っているような状態であれば、何をしても許されるかのごとく、国民を馬鹿にしているのではないか。

オリンピックをはじめとしたスポーツイベントの開催で不都合な真実を覆い隠し、なかったことにしようとする、スポーツウォッシングとはこういうものだと突然に実例を見せつけられ、現実はゲーム以上にハラハラするものだと痛感した。まさに目が離せない展開である。

岸田首相がウクライナを訪問した際に、「お土産」としてしゃもじを贈ったことが特に注目されているようだ。まさに命がけで戦っている人々に、選挙の必勝祈願でもするかのごとく地元の特産品をプレゼントすれば、激励の気持ちがあったにせよ、センスがないと評されても仕方がないだろう。

しかし、しゃもじや駄菓子といった贈り物の内容より、ウクライナを直接訪問したこと自体が問題になるのではないか。戦争関係にある複数の勢力のうち、ひとつの国だけに応援・支持を示す時点で、戦争自体を止めようとする意向は感じられなくなる。

「何事もそう簡単にはいかない」と即座に反論されるだろうが、関連領域の国際機関などとも連携し両国に対し停戦を要請したのであれば、試合のクライマックスに飛び込んできたニュースであっても、WBCの王座奪還以上に感動と勇気を与え、純粋に支持されるのではないか。

放送番組の政治的公平を定めた放送法4条の解釈をめぐっても、当時の総務大臣が議員辞職するかどうかに焦点が当てられているようだ。しかし、そもそもの問題として政府が報道に介入してはいけないということを定めた法律である。日本ペンクラブの声明にもあるように、「政治家や政府が放送の中身に口を出すこと自体、法解釈上間違っている」のだ。
https://japanpen.or.jp/

今回のスポーツウォッシングともいえる突然のウクライナ訪問、そしてその報道のタイミングは、報道の自由とは何かを考えさせられると同時に、現時点で自由なのかを疑わざるを得ないものである。

「護憲+コラム」より
見習い期間

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