老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

SDGsを市民の権利であり義務であるとの立場から意識して付き合っていく(1)

2022-06-06 15:32:00 | 社会問題
SDGs(Sustainable Development Goalsとは国連加盟各国が一致して合意したあるべき目標の世界と地球の姿を示すものであり、市民が住み・暮らす今後の社会のあるべき姿を示しているものといえる。

17の目標と169のターゲットからなるSDGsは、前段と位置づけられるMDGs(Millenium Development Goals:2000年のミレニアムを新たなスタート地点として2015年までの期間に、特に貧困問題・衛生的な水の確保の様な衛生問題等の世界的改革を各国が協力して進めていった運動)の後に、発展的に2015年からスタートした2030年を目標年とする現在進行中の運動であり、逐次進行状況を確認しながら進んでいるものである。

進めていく責任を有する組織及び機関は、国連であり・構成各国であり・各国政府及び各機関であるが、本質的には間接民主主義の上に立つ上記各組織及び各機関を選択した世界市民がその進行を行い、そして進捗状況を監視していく権利と責任を持っているとする絵姿を意識していくことが大切と思います。

市民は、得てして大切な権利である選挙自体も軽く見る傾向が見られ、よって全ての生活に直結する行政も“人任せで良し”とする、極めて具合の悪い状況が、大げさに言えば直接民主主義のみでは立ち行かなくなり間接民主主義に移行していった大昔以来今に至るまで続いている。という認識も重要な視点と思っております。

現状のSDGsの動向も自治体を巻き込む形での経済団体および主要企業が目論むスクラップ&ビルドの絵姿が世上を賑わしていると感じております。自治体も財界もそれぞれ自己を中心とする体制が持続可能となるプランを立てるものであり、実施していくものとの認識です。そこには市民の立場が何処まで重視されているかは、これまた人任せになると感じております。

国連が主導し各国が協力して現在進行している世界的な規模のSDGsも、世界市民の意識の持ちよう次第では同じ轍を踏むと感じております。既に15年の期間の丁度半分が過ぎた所であり、今後市民の立場をSDGsの動きに反映させていく一助になることを期待して、色々なSDGsの問題点を市民の身近な問題として捉えて調べて行きたいと考えております。

私自身の為であります。皆さんの参考にもなれば幸いと思います。
第一回目としてプラスチックの現状を紹介する記事から始めてみます。

拡大するプラスチック公害にどう対処するか?
         DeutscheWelle、2022年6月3日 Tim Schauenberg氏記す

地球環境に及ぼすプラスチック問題は悪化する方向に急速に進んでいる。OECDの報告によれば、2060年までにプラスチック汚染を大幅に低減させる方策があるとしている。

プラスチックは永年に亘り地球環境を支配している。海岸を覆うプラスチックや海に漂う小島のような景色が頻繁に見られる。そして鳥類や他の動物の胃の中にもあり、更に我々人間の血流中にも入り込んできている。

現在、リサイクル出来ているプラスチックの量は世界で僅か9%。12%ほどは焼却されており、残りが埋立地や自然環境に打ち捨てられている。

非常に悲惨な状況と聞こえる所ではあるが、一方各国が協調して努力をすれば、このプラスチック汚染の闇の中にも光が見えてくるとOECDが最新の地球プラスチック概況(Global Plastic Outlook Report)で述べている。

(何ら変更しない場合のシナリオ)
現状を変えずに行きつく先は2060年の段階でプラスチック使用量は今の3倍になると言われる。使用されるプラスチックは生態環境中で分解されないことからゴミとなって行き、世界の至る所でマイクロプラスチック公害が拡大していくことになる。

インドのガンジスやインドネシアのチリウンのような河川は既にプラスチックごみで溢れ、現状を変えなければゴミは倍増していき動植物の生存危険性や地球環境の悪化を更に進める、とOECDの報告は述べている。現状が持続可能な状況ではないことは明らか、とOECD環境政策担当のPeter Borkey氏はいう。

(朗報:各国が協力していけば問題の解決は可能)
将来は変えることができる。

特にドイツ・米国・日本のような高収益国が大規模な改革を実施し、そしてOECDの加盟各国も同調していけばプラスチックの使用量は2060年までに5分の1までに減らすことは可能である。これによりゴミの量も大きく低下できることになる。

そしてOECD非加盟国も協力すればプラスチックごみの量は3分の1まで減少し、世界の経済成長を損ねる心配もないと思われる。この目標が達成された状況では環境の汚染となるプラスチックはほぼ無くなる、と報告書は述べている。

しかしながらこの目標の達成には、60%程のプラスチックごみのリサイクルが世界規模で為されていることが必要であり、現在のリサイクル品の市場占有率6%を41%までに拡大する必要がある。併せてゴミ政策システムの大革新も求められる。

OECD加盟国が今日のプラスチック製品の最大利用者である。そして2060年頃にはプラスチック消費のほぼ半分がアジア・中東及びアフリカの諸国になると見られる。アジア・中東及びアフリカの諸国では、既に自然界へのプラスチックの流出事例が見られ始めている。

“プラスチックの環境への汚染を抑制する最良の方策は、何よりも先ずは途上国を支援して、途上地域のゴミ処理システムの改善を図ることだ”とBorkey氏は言う。

(新たに生産するプラスチックへの課税)
報告書が述べるシナリオと計算は大胆なものであり、新たに生産のプラスチック1トン当たり1000ドルの税を課すことで、使い捨てプラスチック製品を見直して別の物質へ業界を誘導することを促すことを目論んでいる、とBorkey氏は言う。

問題を抱えているもののプラスチックは有用なものではある。風力発電用タービンや電気自動車にも使われている。代替えとなる良いものが無いケースやその利用が持続可能な場合には得がたい素材である。

今後のプラスチック削減の趣旨は、環境に最終的に流出し放棄される種類のプラスチック製品を減らすことである。典型例は包装用プラスチックであり、それが消費されるプラスチックの約3分の1を占めている。

リサイクル割り当てを固定化する事がゴミの発生を抑え、新規のプラスチック生産を抑えることに繋がる。また包装資材・衣料や車両を生産する企業に対してより持続可能性を持つ製品作りに誘導するような、また修理が容易で製品寿命が長い電気製品作りをメーカーに誘導するような法律作りが大切となる。

循環型経済に結び付くこれらすべてのアイデアが、ゴミの発生を可能な限り削減し、次の製品の生産の際の資源として再利用することに繋がっていく。

(プラスチックに基づく危機に対処するには小さいながらも数多くの第一歩を踏み出す事)
2022年3月、プラスチックの生産・消費および廃棄に関して、実行義務が拘束されるルールと手段を2024年までに施行することを200ヵ国が初めて合意している。

野生生物保護を目的とするWWFはこの合意が歴史を画するものとして評価している。
しかしながら、各国にはその細部を詰める努力が残されている。また何処まで拘束されるかの範囲もこの合意したルールにおいては決定されていない。

2021年に欧州連合は、使い捨てナイフやフォーク・皿・持ち帰りカップ・発泡スチロール容器やストローを含めて数多くの使い捨てプラスチック製品の使用を禁止している。

OECDの報告が提案している世界規模でプラスチック利用を制限する方策は、コスト的観点では2060年までの世界のGDPの1%以下のコストを要求するものである。

以上

ついでにマイクロプラスチックのことを理解するのに良い情報がありましたのでご紹介します。
          Irene Banos Ruiz氏の2018年1月17日の記事

マイクロプラスチック:日常生活に取り込まれているもの

(口の中のプラスチック)
直径が5mm以下のプラスチックがマイクロプラスチックと定義される。これらの小さなプラスチックが海中に蓄積され、食物連鎖の中に組み込まれ、そして大気中にも見出されている。歯磨きのような日常のお手入れ商品類が日常生活で積極的に利用しているマイクロプラスチックの一例である。

(プラスチックを用いての皮膚洗浄)
ある種の化粧品には、包装容器に含まれるプラスチックの量と同じ量のプラスチックが追加されている場合がある、と専門家が言う。角質を除去する洗浄を頻繁に行うと“マイクロビーズ”とも呼ばれるマイクロプラスチックを多量に利用する事になり家庭から排水として河川に流出していくことになる。

(予期せぬ摂取)
こうして出てくるマイクロプラスチックは海に到達し、そこで食物連鎖の始まりとなる動物性プランクトンに取り込まれていく。2017年に研究者らがインドネシア及びカリフォルニアの市場で販売されていた海洋魚を調査した結果、25%の魚の腸内にプラスチックや繊維片が見つかったとしている。それらの魚を摂取した場合の人の健康に及ぼす影響についてはまだ判っていない、という。

(プラスチック調味料)
2017年に行われた幾つかの研究からマイクロプラスチックが海水から作った塩にも含まれていることが、米国・欧州と中国での調査から判明している。海洋に存在するゴミの60%~80%がプラスチックごみであり、毎年1200万トンに及ぶプラスチックごみが海に流れ込んできていることを思えば当然ではある。

(逃げ場のない状況)
魚・エビや貝類のような海産物中のマイクロプラスチックとは別に、ハチミツの様な他の食べ物にも存在していると研究者らは指摘している。最近採用された欧州連合のプラスチック対策では、ハチミツをマイクロプラスチックを含有する食品群の一つと規定して、禁止し排除していく方向と言う。

(衣料・寝具)
合成繊維類もまた多量のプラスチック繊維類を排水中に流出させている。研究者らによるとふわふわの毛布のようなアクリル繊維製品を6kg用洗濯機で洗濯すると70万以上の繊維片が発生するという。合成繊維片が海洋中のマイクロプラスチックの3分の1程を構成しているという。

(自動車等の車両タイヤから)
車両タイヤもまた環境中に放出されるマイクロプラスチックの主要発生源になっている。タイヤはゴムを混ぜた合成ポリマーで出来ており、走行中にすり減っていき、風で飛ばされたり雨水で洗い流されていく。ノルウェーとスウェーデンの研究者らは海水中の微粒子のかなりの部分がタイヤからのものと言う点で一致した見方をしている。

(蛇口を開くと、---マイクロプラスチックも)
マイクロプラスチックは蛇口からの市水中にも含まれている。世界の多くの国の市水の分析から80%以上の頻度でプラスチック繊維片がある程度の量含まれていることが判明している。市水にそれらが混入しているのであれば、当然例えばパンのような他の基本的な食材にも多く含まれていると予測される。

(ビールには入っていて欲しくないが)
2014年の調査では、多い少ないはあるものの調べた24種のドイツビール中にプラスチック粒子が見いだされている。但し政府機関は更なる詳細研究が必要だと指摘している。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan

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