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life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

「大地の滴」の季節♪

2013-07-31 23:57:50 | 【旅】ぼちぼち放浪
 昼休憩ついでに六花亭に寄った。
 そしたら、ここ2年くらい食べ損ねていた「大地の滴」があった! ……のでつい飛びついてしまった(笑)。

 「大地の滴」は、生のブルーベリーをホワイトチョコレートでコーティングしたお菓子で、ブルーベリーが旬の時期の1ヶ月? いや2、3週間くらい? 正確なところはわからないけど、ごく短期間にしか出回らない。生もの扱いなので消費期限も短い。
 特に発売日が決まってるとは聞かないので、なんとなくこのへんの時期か? と思ったときにちらちらお店を覗いて、運が良ければ出会える。でも入荷されてる店でも夕方にはたいていなくなってるので、昼休みがぎりぎりのタイミングだと思う。なので嬉しい♪

 そういや今回の「おやつ屋さん」もおいしそうだったので予約してしまった。紅茶や抹茶やジャスミンティーなど、お茶のお菓子だそうな。お茶派にはたまらないラインナップである。あとは、取りに行くのを忘れないようにしないと(笑)

圧倒的。アンドレアス・グルスキー展@六本木。

2013-07-13 21:12:00 | 【旅】ぼちぼち放浪
 今日は特に予定を立てておらず、朝ダラダラしながら何をするか考えてたんだけども(笑)。とりあえず午前中は、会社の人がけっこう面白いよーと教えてくれていた代官山の蔦屋書店に行ってみた。
 個々の建物は意外にわりかしコンパクトなんだけど、雑誌なんかは和洋取り混ぜてディスプレイされてて面白い。旅行関係の単行本も各地いろいろあって、そこにたとえば北欧ならムーミン本とかも一緒にあって楽しい。琳派関連の本も気になるのを見つけたので、いずれ図書館で借りる。←買わないのかよ

 全体的にほの暗い感じの照明で、スタバの店舗っぽい雰囲気かも。いや実際併設されてるけど。ただ、フリーの読書スペースはほとんど図書館並みの使い方をされてるので、かなり席の回転は悪そう(笑)。
 ガーデン側には行けなかったけど、そのへんは1人じゃないときに行ってみたいなぁ(笑)。犬が遊んでるところを見ながらまったりしたい~。東京まで犬は連れて来れないけど(笑)。

 あとは駅周辺をちょっとだけうろうろして代官山を出る。次は結局、国立新美術館に行くことにした。
 というのも、普段あまりメインで観てない写真作品だけど、このアンドレアス・グルスキー展の告知に使われてるメイン写真が、あの! スーパーカミオカンデだということを知ってしまったから(笑)。Webのメインになってる写真「99セント」も気に入ってしまったし。

 行ってみたら、展示スペースがかなり広々してたし、休日の午後のわりには人出もひどくなかったので、けっこうゆったり観て回れた。これであとはガラスの反射さえなければ……(笑)←だって姿見かと思うくらい反射するんだもの……

 肝心の作品といえば、とにかく画面全体が細部に至るまではっきり見える……ように作られている。遠近感をあえて出さない感じ。そして基本的に作品が2mや3mとでかいので、その細部がものすごい迫力を持って迫ってくる。
 でも、画面を構成しているのは、反復を思わせる、たとえば画面を横切るラインとなる要素と個が特定されないたくさんの人々(あるいは動物や、カミオカンデの内部のような静物)というのが主なパターン。被写体は実在のもの、具象であるんだけど、それがこんな画面構成になることによって抽象に生まれ変わったように見える。
 って、そもそも抽象は具象から生まれるものなんだろうけど。ただ、具象が具象のままそこに見えているのに抽象に見えてくるというのが、絵画ではなく写真という手法だから味わえる不思議な感覚なんじゃないかなぁと思った。色の鮮やかさも手伝って、この世のものなのに違う世界を観ているよう。スーパーカミオカンデじゃなくても(笑)まるで近未来SFの舞台にも思える。

 そんなわけで、とにかくすごい。なんかハマる感覚がある。理由もなく、ずっと観ていたくなるような。
 個人的に好きな作品は、やっぱり「カミオカンデ」が筆頭。あとはカラフルな窓が印象的な「パリ、モンパルナス」、「図書館」、牛舎の列がビルみたいにも見える「福山」、それから「ベーリッツ」あたりかな。「バンコク」シリーズも、細部に目を凝らしたときに見える雑多なものが、抽象の中の具象って感じ。
 とにかく、グルスキー作品の不思議な空気感はお勧め。行って良かった!

ファインバーグコレクション展「江戸絵画の奇跡」@江戸博。

2013-07-12 23:55:25 | 【旅】ぼちぼち放浪
 仕事が落ち着かない最中、現実逃避に(笑)。しかし、いかんせん猛暑が……。

 数分ばかし外気に触れただけでなんだか顔が茹で上がった気がしたものだが、スープストックでヴィシソワーズが始まったので、電車を降りて迷わず直行。
 季節メニュー「但馬牛すじ肉とクレソンのスープ」を一緒にオーダーしたら、これがまたうまかった! 春先にあった桜海老のクリームスープもおいしかったし、ガーリックが効いてるスープはハズレがない。欲を言えば、今回のスープにクレソンをもっとがっつり入れてみたい(笑)。

 そして本題、久々の江戸博。暑い。会場入ってもなかなか汗がひかないくらい、外は暑い~。10分も歩いてないのに~(笑)
 今回第一に観たかったのは例によって琳派であって、宗達はもとより抱一であり其一で、あとは若冲。でもたいして詳しいわけでもない私は、神坂雪佳を知らなくて、今回(たぶん)初めてちゃんと観た。琳派らしい琳派だった。「四季草花図」二幅。

 抱一はこれまた例によって「十二ヶ月花鳥図」だったけども、やっぱり、花鳥だけじゃなく昆虫もすばらしいんだよなーと再確認。1点だけあった浮世絵も着物の線がやわらかくて、らしいなぁと思いながら眺めていた。
 其一は小襖シリーズ2作が良かった。青、緑、金と抑えた色数がモチーフを引き立たせる感じで。
 若冲は「菊図」3幅と「松図」。種類の違う菊の花が、どれもデザインとしてのバランスの取り方すごいなあと。葉っぱの描き方もパターン化されてて、それがまた全体わ絶妙なバランスにしていて……。松はまたガラッと違う、ものすごい勢いのある筆致。葉っぱも触ると痛そうだと思っちゃう(笑)

 ほかに気になったのは中林竹洞「四季花鳥図」。文人画の人が描くとこんな感じなのかー。面白い。ちょっと版画っぽい雰囲気にも見えたり。
 あと、谷文晁「秋夜名月図」や鈴木松年「月に雲図」はシンプルなだけにすごい迫力だった。特に谷文晁の、濃淡だけで立体感というか遠近感を出す技術が……見れば見るほど、色が見えてきそうなほど。

 久々に抱一観られてテンション上がってしまったので(笑)珍しく物販にも手を出してしまった。展覧会グッズではないけど、芸艸堂から出てる和綴じ豆本の「抱一筆 光琳略画」。
 あまりにかわいいんで、ほかのもいろいろ欲しかったんだけど、何せサイズのわりにお値段がアレなので(笑)迷った末にまずは抱一からってことで(笑)。あとはがんばって通販とか。って、そういや「北斎漫画」も買おうと思っていたのに忘れていた……

 帰りに東京駅の駅ナカに寄ってみたら、イタリア食肉加工品? のお店で試食させてくれたブルーチーズがこれまたおいしくて……しばらく舌に味の余韻が残っていた(笑)。プロシュートやサラミもおいしそうで、思わず、チーズと肉のプチおつまみセットを買って帰りたくなってしまった。いや、買わなかったけど(笑)。

出張ついでに、ラファエロ@上野。

2013-04-21 21:43:28 | 【旅】ぼちぼち放浪
 何故か土曜に東京出張の羽目に陥り、それならばと延泊して午前中は久々の友人とブランチ。
 ……で、午後はどうしようか迷ってた。ラファエロ、一応前売券を準備はしておいたが、日曜の真っ昼間だと混んでそうだし、本当は別途金曜に休みを取って来る方が無難だと思ってたので。
 ただ、昨日夕方からの雨脚が意外に弱まらず、今日も朝から天気も悪かったのでちょっとは人も落ち着いてるかなーと思い、結局意を決して上野にやってきた次第。時間もまあまあ余裕あるし、いつものように混んでたらもうとにかくゆっくり回ってやろうと。実は、会社の人に薦められた代官山の蔦谷書店もいい感じに時間が潰せそうで興味があったけど、それは次回に持ち越してみる。

 で、行ってみたら、さすがに空いてはいないけどフェルメールのときみたいな混み具合じゃなかった! ので安心して回ることに(笑)。

 ラファエロの描く肖像画の、あの首から肩にかけてののっぺりしたラインが昔からどうにも気になって仕方なかったのだが、今回もやっぱり気になった(笑)。しかし、そうでない肖像画もあることを知った。
 「大公の聖母」の黒い背景は後世に加筆されたものだということだが、でもこれ、黒で全然問題ないなぁと思う。宗教画的にどうなのかは不勉強でわからないけど、雰囲気は凄く好みなんだよなぁ……
 あと、「継承者たち」の中で作品が出てきたジュリオ・ロマーノの作品が個人的に好きだった。

 次は久々に江戸東京博物館に行きたいな。「ファインバーグ・コレクション展。あと、科学博物館の「深海」も! どのタイミングで行くか考えなければ……。

円空さん展@上野。

2013-03-16 23:35:45 | 【旅】ぼちぼち放浪
 前売券を買い忘れる失態をしたものの、やっぱり観ておきたかったので。
 家を出る時には雪が降ってたので「おいおい(汗)」だったけど、東京は桜の花もほころび始めているほどの陽気。コートとブーツ(だってまだ凍ってる地面もあるし~)を脱ぎたくて仕方なかった。(笑)

 今回は平成館じゃなかったのでコンパクトな展覧会。でも、飛騨の山林をイメージした設営で、いい雰囲気だった。
 本題の円空仏はと言えば、何をかいわんやという話で……強いてたとえるならば、棟方志功の板画や肉筆画から感じるような素朴なあたたかさや包容力、力強さ。極限まで削ぎ落とされたシンプルさに宿る表現力は、何度観ても見飽きることがない。
 いつまでも眺めていたいし、見つめている間は、そこに宿るものを素直に信じられると思えてくる、そんな不思議な仏さまたち。市井の人々に愛され、慕われ続けた理由が、理屈抜きに体感できる。またどこかで会えるのを楽しみに。

 夕飯は久々にもつ鍋。例によって食いすぎてしまった……いつもより抑えめにしたつもりだったのに、何故。(笑)
 でも、キムチベースのトマト鍋はうまかったっす。

招待券をもらったので。@琳派芸術II

2012-12-09 23:04:42 | 【旅】ぼちぼち放浪
 正確には、つてを頼って「招待券ください!」とお願いしたので、「もらったから行く」のではなく「行くからもらった」のであるが……(笑)
 というのも、もちろん琳派だからである。特に江戸琳派ってーか抱一だからである。出光のこのへんの所蔵品が私の好みに合っていて、時々企画展やってくれるのでありがたい。そして、休日でもわりと快適に鑑賞を楽しめるくらいの人の入りなのもありがたい。規模も(個人的には)大きすぎず小さすぎず。

 奔放な明るさをもその表情に湛えたような神様たち。金屏風もいいけど銀も素敵ですよ、とあらためて語りかけてくれる梅の佇まい。最少限の色数でひとつひとつの花の個性すら描き分けた杜若の群生。「風神雷神図屏風」に始まり、「紅白梅図屏風」「八ツ橋図屏風」と抱一の(あるいは琳派の巨匠たちが描き継いできたと言うべきか)代表作が並んでいるのを見れば、自然と頬が緩んでしまう(笑)。
 そして前回ここに来たときも観た、小さな小さな八曲一双の「四季花鳥図屏風」! 裏面は銀泥で描かれた「波濤図屏風」になっていて、2倍楽しめるという素晴らしい作品。これ、サイズもかわいいし描かれた草花は見事だし、逆に波濤図は豪快だけどクールで、表と裏で違う角度から抱一を堪能できるので、本当に大好きなのだ。たとえば福岡伸一ハカセがフェルメール作品でやったような高精細のプリントで5桁で済むならレプリカ買ってもいい。←おい(笑)

 それから、抱一といえばやっぱりこれも外せない! のが「十二ヵ月花鳥図貼付屏風」。毎月の花々はもちろんのこと、小禽類は本当にかわいいし、蝶やら蜻蛉やらな昆虫の体の線の優美なことったらない。あと「燭台図扇面」も良かったなぁ。金粉を全面に散らして、小さな燭台をひとつ。画面の作り方が絶妙だなーと思った。
 そして抱一といえば当然、その弟子の其一も大好きな画家である。今回もあの、画表装が見事な「三十六歌仙図」があったし、「四季図」の「田家月」なんてもう……。不揃いに連なる田圃と家々、上空で折れそうな三日月を描いてあって、墨だけなのに、しかも夜の風景なのに稲のみずみずしい緑色が目に浮かぶよう。牛を牽きながら畦道を行く農夫の小さな姿もいい。

 乾山をはじめとした工芸品の展示もあった。いちばん印象に残ったのは「海浜蒔絵貝形茶箱」。作者不詳ながら、蒔絵の繊細さと美しさが半端じゃない。3つの貝殻を組み合わせた形の箱の蓋は貝殻の模様の中に本当――に細かく花が散らしてあったり、側面を一周するように描かれた浜には鳥や松や……もう、これを手に取って観られるものならばー!! という気分になった(笑)

 しかし、会期終了間際だからなのか、会期中には出さないのか、今までどうだったか覚えてないからわかんないけど、展覧会のフライヤーが置いてなかったのが残念。次回展のはあったんだけど、私はまさに今回のが欲しかったんだー!←なんとなく、記録代わりに集めちゃってるので。(笑)
 私設美術館で琳派というと他に細見美術館が思い浮かぶけど、そちらはまだ行ったことがないのでいつか行ってみたい。
 本当はサントリー美術館の「森と湖の国 フィンランド・デザイン」もかなり行きたかったんだけど、ちょっと丸の内周辺を探索してみたかったので、今回は断念。でもやっぱりもったいなかったかなぁ。うう。

ずっと行き損ねていたえのすい。

2012-12-08 23:39:47 | 【旅】ぼちぼち放浪
 これはオキトラギスという魚。かわいかったので。

 ……というわけで、このオキトラギスもいた新江ノ島水族館に行ってみた本日。数年前から、年に1回か2回は鎌倉から江ノ電沿線をうろうろしてるわりに行ってなかったのが、やっと(笑)
 しかし今日の鎌倉・湘南方面は、天気は素晴らしいのだが台風の如き強風に見舞われていた。江ノ島駅から島に渡るあの橋の手前の通りに出るまでの間ですら向かい風に一苦労し、さらに道を折れて水族館への橋を渡るのにまた一苦労する始末(笑)。風が舞うわ砂は飛ぶわ髪も顔も口の中もざりざりだわ……(笑)

 そんな中で見たイルカ&アシカのショーでは、一部のイルカがショーの最中に喧嘩を始めてしまうというアクシデントもあったけど、トリーターさんはさすが慣れたもので、観客に全体の乱れを感じさせないスムーズなMCだった。
 イルカのジャンプの高さだけで言えば、須磨水族館のイルカの方が高かったと思うけど、えのすいのショーはトリーターさんとのコンビネーションが面白かった。数mの高さからイルカプールに飛び込んで、イルカに押し上げてもらいながら一緒にジャンプするトリーターさんがすごかったなー! イルカとの息もぴったりって感じで。

 あと、10年前に現役を退いた「深海2000」の展示があった。年季の入った外殻やら、計器類満載のコクピットやら、これが深海の圧力に耐える技術の結晶か~とか思いながら見てると、やっぱりわくわくしてしまう。
 さらにこの「深海2000」オリジナルグッズが意外にかわいかったり(笑)。フィギュア付きのペンとか、深海の生物をデフォルメして描いているクリアファイルとか。わりとお勧め。

 というわけで、長らく行きそびれていたがやっと行けた! という達成感は味わえた。あとは、もう少し、風が穏やかな日に行けるともっといいかも(笑)。

前売券買ってあったので。その2@リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝展

2012-12-07 20:07:09 | 【旅】ぼちぼち放浪
 上野から六本木に移動して、チャウダーズ(東京に来るとどうしても食べたくなる)で早めのごはんにしてたら、なんか揺れた。地震だったらしい。
 とりあえず、揺れはしたけど何事もなかったので、ポストカードがもらえる18時の入場を狙って(笑)現地へ。(……が、夜にニュースを見てやっと、だいぶ大きな地震だったことがわかった。ううむ。)

 「夏の離宮」での展示方法を取ったバロック・サロンは、調度品の豪華絢爛ぶりと天井画が印象的。「貴石象嵌のテーブルトップ」とか、「コンソール・テーブル」「飾り枠付き鏡」とか……。中国や日本の磁器もある。マイセンによる「ティーポット」をはじめ、絵柄やモチーフはまんまシノワズリ。
 工芸といえばクンストカンマーのコーナー。「貴石象嵌のチェスト」なんて、どの面も、象嵌でいくつもの風景を描いてあって……この象嵌の作業を思うと気が遠くなる(笑)。「万年暦」もほんとに細かい細工で、その前を立ち去りがたかった。食い入るように見てしまった(笑)。本当に「万年暦」として使いたいなあ。

 そしてやはり個人的にはルーベンスは外せない! 「デキウス・ムス」の連作も迫力あるけど、今回いちばん気に入ったのは「マルスとレア・シルヴィア」かな。ルーベンスらしい、風が吹いているような動きのある場面。レア・シルヴィアの怯えたような、でもまっすぐさのある眼差しには、マルスでなくても(笑)引き込まれてしまうかも。今回の展覧会のポスターにもなっていた「クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像」も、小さな作品だけど、一心にお父さんを見つめている! って感じの瞳が……目を逸らせない(笑)。

 ヤン・ブリューゲル(子)「死の勝利」はピーテル・ブリューゲル(父)の模写だけど、まさにブリューゲルの個性って感じの作品で、不気味なんだけど見ずにはいられない。アイエツ「復讐の誓い」はマスクを外している女性の美しく鋭い、そして何かしら不穏な情念を秘めた顔つきにすごく惹かれた。黒いヴェールやドレスの質感も素晴らしい。

 これだけのものを個人で蒐集するんだから、途方もない。ナチのオーストリア併合という危機を乗り越えてきた美術品の数々。戦火を避けるため、ときには苦渋の選択を迫られることもあったようだ。
 その過程で是非が問われる部分もあったことは事実であろうし、だからすべてを肯定することはできないのかもしれない。でも、リヒテンシュタイン家がこれらの品を守り抜いて現代に受け継いできたことは、やはりとてもありがたいことだと思う。歴史の陰にあるものを思いながら、美術品そのものを歴史として大事にしていける社会であり続けられればいいなと思う。

前売券買ってあったので。その1@メトロポリタン美術館展

2012-12-07 17:44:22 | 【旅】ぼちぼち放浪
 仕事が読めない読めない! と思いつつ、無理矢理来てしまった(仕方ない。チケット捨てるの嫌だし)。
 良く考えたらアメリカの美術館からの展覧会って、意外に初めて観に来たんじゃなかろうか。ナショナルギャラリーのが最近あったと思うんだけど、そのときは行かなかったし。

 実際に回ってみて、油彩の風景画とか、アメリカの人がオーソドックスに(というのもおかしいが)描いたものってあまり観た記憶がなかったので、新鮮。って勿論、所蔵品展なのでアメリカだけじゃなくて世界中の作品があるんだけど。アメリカの絵画は、たとえばウォーホル(今回は出品なかったけど)やオキーフなんて私でも知っているくらいあまりにも有名だけど、そのせいかなんとなくコンテンポラリーアートのイメージが強い……と勝手に思っていた。でも(当然)それだけじゃなくいろんな作品持ってるんだよ! という印象。

 絵画の中では、ブルトンの「草取りをする人々」がまさに、良く引き合いに出されるというミレーの隣にあって、どっちも素晴らしかった。ブルトンの方は日没直前の強い陽射しと闇の交じり合いが作る雰囲気が素敵だし、ミレーの「麦穂の山:秋」は麦穂の山の質感がまるで匂ってきそうなのと、群れてる羊が可愛い♪
 それとビアスタットの「マーセド川、ヨセミテ渓谷」。切り立つ岩山、岩肌と水面に当たる日の光の描写が醸し出す質感とリアリティがすごい。本当に目の前にその風景を観ているよう。ホーマーの「月光、ウッドアイランド灯台」も同様で、月そのものは見えなくてもその光と、それが照らす砕けている波に目が惹きつけられる。ちょこんと置かれた灯台の赤も。
 誰もが知っている有名どころでは、ゴーガン「水浴するタヒチの女たち」の、女性の後ろ姿。いっそ単純で平面的にも見える配色と塗りなのに、特に臀部のあたりの肌の起伏というか質感というか、まるで触れた気分にさえなるような感じで伝わってくるように思った。なんか今さらだけど、ゴーガンのすごさを感じた。

 絵画以外ではやっぱりポンポンの「シロクマ」! これ以外にはないと思う(笑)。とにかくかわいいのである。白い大理石で、造形はものすごく単純化されているんだけど、絶妙。ちょっと硬いような、でも空気を含んでいそうな毛並みに触れそう。表情もかわいい。
 工芸品ではティファニー関係。ルイス・コンフォート・ティファニーのステンドグラス「ハイビスカスとオウムの窓」は色使いが目を惹く。ティファニー社の花瓶やお盆(モチーフのカエルが今にも動き出しそう!)も気に入った。あとは、白山谷喜太郎の装飾になるルックウッド製陶社製造の「桜の花の容器」。渋みのある色合いと満開の桜の花のひとつひとつの繊細さ。日本らしさここに極まれりである。

 こうやって見ると、実は(という言い方も失礼だが)ものすごく広い分野の芸術が揃っている美術館なんだなぁと、漠然とだけど思う。アメリカの美術館の展覧会ってヨーロッパの美術館の展覧会に比べて、企画としては少ないような気がするけど、ヨーロッパとは毛色が違っているように感じた。どこがどう、と言葉にしにくいのだが(笑)それがきちんと言葉にできるようになるまで見比べてみるのも面白いかもしれない。

最終日は大阪

2012-09-11 23:52:10 | 【旅】ぼちぼち放浪
 予定通り、大阪に通っていた時期には行かなかった、ベタベタの大阪観光スポットに初めて足を踏み入れた。通天閣。
 周辺地区には、けっこうな数の年配の男性(いわゆる「おっさん」的な??)たちがぶらぶらしてる。

 通天閣の中自体は、まあ普通の展望台な感じかな~と。ビリケンさんがいたことだけは確認しておいた。(笑)
 ところで、通天閣のネオンはパターン? があって、天気予報を表しているらしい。夜だけだけど、ちょっと便利かも。