中国人観光客のことがいろいろ取り沙汰されている。
日本での「爆買い」なる言葉も、今や流行語のひとつだ。
でもそのマナーの悪さが、中国の国内での観光も含め、
どんどんエスカレートしてきているという。
僕は中国には一度だけ、北京へ行ったことがあるが、
そこで見たのは、やはり人々のマナーの悪さだった。
以前「北京ダックも青ざめる」という記事を載せたけれど、
北京ダックを食べるのに入った店で、ウエイトレスが、
お手拭きを、客の僕らの前にポイと投げて渡したり、
自分の不注意で床に落として粉々に割れたグラスを、
「チェっ」というふうに足で蹴って隅に寄せるという、
信じられない光景を目の当たりにしたことを書いた。
そういう類のことは、書いていけばキリがないほどだ。
ある書店では、お釣りを、これまた投げて渡された。
道行く人は「カァッ~ペッ」と、所かまわずタンを吐く。
小さい子供の母親は、町のどこにでも子供におしっこをさせる。
バスに並んでいても、バスが来たらわれ先にと乗車口に殺到する。
マナーという言葉自体がこの国にはないのか? …と思うほどだ。
トイレでは「大」でも扉を開けたままでしゃがんでいる。
(扉そのものがないトイレも多くあった)
男性だけではなく女性も…と妻が驚きながら言っていた。
(ま、これはマナーというより習慣かもしれませんが)
頤和園(いわえん)という、後に世界遺産にもなった庭園では、
園内にあった露天のお店で物を買おうとしたら、おばちゃんは、
「今はお昼の休憩中だから働かない」と横を向いて、知らん顔。
日本でこんなこと、考えられますか…?
そういうことで、ビックリ仰天の繰り返しだった。
まあ、北京へ言ったのは1994年のことで、
あれからもう20年余りの歳月が流れている。
今はそんなことはないだろうと思っていたら…
今朝のニュースを見たら、それがちっとも変わっていなかった。
元々日常生活でのマナーが悪いのだから、
旅先でも同じことをするのだろう。
あまりの中国人旅行者のマナーの悪さに、
さすがの中国政府も黙っていられなくなったようで、
「迷惑中国人ブラックリスト」として、タチの悪い人間を、
実名で公表し、その他の旅行者にも警告を発したという。
その内容が、いかにも…という感じでなのある。
銅像の頭の上に座って写真を撮る旅行者たち。
ある有名な観光地では、楊貴妃の上半身裸の像の胸を、
手を伸ばしてさわりまくっている観光客が数多くいた。
その映像がニュースで映し出されていたけれど、
見ているほうが恥ずかしいほどのさわり方だった。
「入場料を払っているのだからさわってもいいだろ」
な~んて、ある客は言っていたが、そ~ゆ~問題か?
この楊貴妃像の胸をさわる客が沢山いた。
こうなると、ルーブル美術館のミロのヴィーナスも、
中国人観光客が来たらケイカイしなければならない。
まあそんな実情を踏まえ、中国政府も、
マナー向上への対策を講じざるを得なくなったわけで。
政府が「旅先で守るべき心得」として公表したのは…
大声で話さない
落書きしない
法律に違反しない
たんを吐かない
列に並ぶ
遺跡に落書きしない
椅子の上に立つな
公共の場で鼻をほじるな
プールでおしっこをするな
飛行機の救命胴衣を盗むな
…というようなことだそうである。
これらのことを守りなさい…と政府が警告しているということは、
つまり、そういうことを、これまでにしてきたということだろう。
プールでおしっこをするな…ってねぇ。
幼い子供に言い聞かせるようなことである。
やれやれ…。
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