僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

900円貸してください…と言われて

2020年01月19日 | 日常のいろいろなこと

先日のお昼、大阪市内に住む義姉がわが家に遊びに来た。

妻が義姉を藤井寺駅まで迎えに行き、2人で駅前のイオンに寄ってお昼に食べるものを買って帰るというので、僕は少しあとから自転車でイオンまで行き、食品売り場で2人と合流した。

そこでお寿司やらオードブルやらと、何やかやと食べ物を買い、レジを済ませ、買った物を全部僕が持って、一足先に自転車で家に帰ることにした。妻と義姉はぼちぼち歩いて帰るという。

というわけで、僕一人だけ、自転車置き場に行き、荷物を自転車の前と後ろのかごに入れて、さて出ようとしたそのときのことである。

周囲に人はほとんどいなかったが、一人の男が僕のそばに来て、
「あのぅ」と、声をかけてきた。
「は?」と、僕は自転車の鍵を開けながらその男の顔を見た。
歳の頃なら30~40代。ダウンジャケットとジーンズという姿の男性だったが、何となくかしこまった様子である。そして、
「あのぅ、介護の仕事をしているものなんですけど」
と切り出した。
僕は彼の目を見て「はぁ?」と、中途半端に返事する。そりゃそうだ。見知らぬ男から「介護の仕事をしている」って言われてもなぁ。それがどうしたん?
すると、次にこう言ったのだ。
「電車で奈良まで帰りたいのですけど、お金がないんです
「ん?」
「奈良へ帰るお金がないんです」
……
「すみません、900円、貸していただけないでしょうか」

な~んや、お金かいな。
ふむ、ちょっと怪しいで。
関わらんほうが、ええやろ。

僕は返事をせず、自転車の鍵を開けて後ろに移動させた。
「ダメでしょうか?」
とその男は気の弱そうな声を出しながら、僕から少し離れた。
そのタイミングを見計らい、僕は自転車に乗って走り出した。
振り返ると、その男はもと来た方向へゆっくりした足取りで戻って行った。

…………………………………………………………………………

男がお金を持っていない、と言った時、一瞬本当かな?と思ったことは事実だ。そんな悪そうな人間には見えなかったし。まぁ、「貸してほしい」と言われても、僕はお金を出す気はありませんけどね。

でも、「交番へ行けばどうですか? 相談に乗ってくれるはずです」と言って、近くにある交番の場所を教えてあげてもよかったし、あるいは「電車の駅へ行って事情を離せば、何とか考えてくれるのでは?」というアドバイスぐらいはしてもよかった。

しかし、そういう会話を始めると、相手はまた何だかんだと言って、長引いてしまいそうで面倒だったので、いっさい無視したわけです。

それと、いきなり「介護の仕事をしている」と言うのは何のため? お金を借りるのと何の関係があるのだろ。まぁ、介護職というのは大変ご苦労で立派なお仕事だから、それでまず信用を得ようとしている、と考えられないこともない。

それともうひとつ。900円という金額だ。見ず知らずの人間に1,000円貸してくれというのも言い過ぎかな? という発想かも知れない。何百円だったら、イメージとしてそう高くない。おまけに、気のいい人だったら、「900円は中途半端だから、ほら、1,000円」と、お札を1枚くれる可能性だってある。

そういうことを考えると、介護の仕事をしている人が、奈良へ帰るお金がない、というのも、にわかには信じがたい。最初からお金を持っていなかったのならなぜここまで来られたのか? 途中で紛失したのなら、それこそ交番へ届け出るのが最善の策だ。

やはり、あの男性の言ったことはウソだと思う。

それにしても、900円ねぇ。

寸借詐欺(すんしゃくさぎ)というのがあるらしいですけど、なんか、寒~い話ですわ。

 

 

 

 

 

 

 

コメント (2)
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