僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

眠れぬ夜にはこれが効く?

2017年04月03日 | 心と体と健康と

先日、図書館で「気になる部分」という本を借りて読んだ。著者は岸本佐知子さんという翻訳家だ。愉快な本だった。中でも、夜に眠れないとき、しりとりをする、というくだりが面白かった。どんなのか、と言うと…

目を閉じたまま、頭の中で、
しりとり→りす→すいか→かに→にぼし→しまうま→

…などとやっているうちに、すうっと意識が遠のいて、眠りに入るというのである。な~るほど。僕も夜中に目が覚めるとなかなか眠れない。まぁ言えば、睡眠障害である。睡眠薬こそ最近はやめているが、デパスという安定剤はよく飲んでいる。それでも、身体が薬に慣れてしまったのか、この頃はあまり効かない。なんとか、夜中に目が覚めてもすぐにまた眠れないものか。何かいい方法はないだろうか?

そんなことを常々思っていたので、この本の「しりとり」の話を読むと、そうか、そういう方法もあったのかと思った。さらに、一緒に借りた阿刀田高さんの「日本語の冒険」というエッセイ集にも、よく似たことが書かれていたので、これにはちょっと驚いた。この本の1ページ目からその話が出てくる。

阿刀田さんの若い頃、病床の叔父さんを見舞いに行ったとき、叔父さんはこんなことを言う。「眠れないときは、いろはカルタの文句を思い出している」と。

「い」から順に全部覚え、それを眠れないときに思い出すのだそうだ。思い出しながら、意味も考えるのもいい、と叔父さんは言う。

犬も歩けば棒に当たる→論より証拠→花より団子→憎まれっ子世に憚る→骨折り損のくたびれ儲け

という感じである。ちなみにこれは江戸いろはカルタで、関西バージョンは、

一寸先は闇→論語読みの論語知らず→針の穴から天覗く→二階から目薬→仏の顔も三度

となっており、これはまぁ、どちらでもいいわけですけど。

そういうことで、夜に寝つけない時や夜中に目が覚めて眠れないときは、しりとりでもよし、いろはカルタでもよし、要するに何かを思い浮かべてむにゃむにゃとやっているうちに寝てしまうという、睡眠薬ならぬ睡眠術とでもいうひとつの方法なのである。

ということになると、僕は百人一首を全部覚えているので、夜中に目が覚めて眠れない時は、これを一首ずつ思い出しながら頭の中で暗唱しているうちに眠れるかも知れない、と思ったのは自然の成り行きだったろう。

そこで僕も、深夜に必ず目が覚めるので、その時は静かに目を閉じて、百人一首を順番に思い出してみることにした。

秋の田のかりほの庵の苫をあらみ…
春過ぎて夏来にけらし白妙の…
あしびきの山鳥の尾のしだり尾の…

とやっているうちに、すうっと意識が遠のいて、眠りに入る…という計算どおりにはなかなかいかず、百番目の「ももしきや古き軒端のしのぶにも…」まで行ってもまだ眠りに入らない。う~む、そういう時はどうするのだ? また1から始めるのか? とか思いながら、再び「秋の田のかりほの庵の…」と始める。

と、最初の夜はそんなことで、よけいに頭が冴えて眠れない気がしたのだけど、毎晩繰り返しているうちにだんだん早く眠気が来るようになってきた。しめしめ。じゃぁ、百人一首だけでなく、本にあったように、いろはカルタも覚えようか、な~んて思ったりもしている今日この頃です。

不眠に悩む方がおられたら、ぜひお試しを。

 

 

3年前のブログに「秘伝!百人一首暗記術」というのを載せました。
「結局そういう知識は、今の生活には何の役にも立っていませんけどね」
と最後に書いていますが、これで睡眠障害が解消されたとしたら、
大いに役立った、ということになるんですけどね~ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

コメント
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