僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

3億8千万円はどこへ消えた

2017年04月23日 | ニュース・時事

「森友学園」をめぐる問題で、籠池理事長が国会での証人喚問の際、「事実は小説より奇なりでございます」と、得意げな顔で芝居がかったセリフを吐いたのは記憶に新しいところだが、まさにそれを地で行く奇々怪々な事件が起きた。

福岡市の中心部にあるみずほ銀行で、東京から来た貴金属関連会社の社員が現金3億8400万円引き出して、それを銀行の近くの駐車場へ運んできたところを3人組に襲われ、現金を強奪されたというあの事件である。

だいたい、たった一人で4億円近い現金を引き出し、しかも40キロはあるだろうと言われる札束を入れた大型スーツケースをエンヤコラと引っぱって、近くの駐車場まで運んだというのが不思議だ。それほどの大金なら、銀行の地下にも駐車場があったというから、せめてそこまでは銀行関係者(たとえば警備員など)も同行して一緒に運んであげるという厳重な扱いが必要だったろう。それなのに、会社員は別の場所の駐車場に車を止めていて、そこまで一人でメチャ重いスーツケースを引きずって行った。

その会社員によると、その駐車場には自分が銀行へ来たときすでに白いワゴン車が駐車されていたという。白いワゴン車というのは、犯人たちが金を奪って逃走した車のことである。つまり被害者よりも犯人たちのほうが先に銀行に来ていて、待ち伏せしていたということになる。これも奇妙な話である。

そんな疑問から、ひょっとして、犯人たちと被害者の会社員はグルなのではないか、と思ったりした。しかし、その後の報道を見ていると、そうでもないかという事実がいくつか浮かんできた。

そもそも、なんでイチ会社員がわざわざ東京から福岡へ来てそんな大金を引き出す必要があるんだ? という疑問が湧くが、新聞によると、会社員は金塊の買い付けのために来たという。彼が勤務する東京の貴金属買い取り会社は、過去にも、社員が福岡へ来て、現金を引き出して取引をしたことがあったそうだ。とすると、犯人たちはそれをよ~く知っていて、しかも銀行近くの特定の駐車場に車を止めることまで知っていた、ということになる。

おまけに、最新情報によると、その会社員は事件の前日にも、ほぼ同じ額の現金を引き出していたという。その時は2人で銀行を訪れていた、と報道されている。もう1人は誰か知らないけど、そんなことをしていたら、そういう行動を誰かに把握されていても仕方ないだろう。

さらにもうひとつ、ややこしいことが起きる。事件があったその日、福岡空港で、何億円もの現金を海外へ持ち出そうとして関税法違反容疑で韓国人4人が逮捕されたことだった。これで強奪事件の犯人は捕まった、と、その一報を聞いたときは誰もが思っただろう。

しかし、
その大金を運ばせたソウルの自動車販売会社の社長は、お金は高級輸入車の購入代金として預かったもので、強盗事件とは関係ない、と否定。警察が調べてみると、それらの札束には、奪われた3億8千万円とは別の金融機関の帯封が付いていたうえ、紙幣から被害男性の指紋も検出されなかったという。 つまり、盗まれた紙幣ではなかったってことですよね。

ということだけど、考えれば考えるほど信じられない偶然だ。松本清張に「十万分の一の偶然」という小説があるが、その題名そのままである。まったく同じ日、同じ福岡で、よくもまぁこんな紛らわしいことが重なって起きたもんだ。

やっぱりウラでは何かあるのではないか、な~んてまだ思ったりしている僕だけど、しかしまぁこの事件は、被害を受けたほうも、あまりに無防備・無神経だったと思われるので、それほど「気の毒になぁ」という同情の気持ちも湧いてこない。大金の扱いに慣れてしまって、油断していたとしか思えない。

何億円もの現金をスーツケースで持ち運び、「金塊の買い入れ」なんて仕事を続けていると、お金の有難みというものが無くなって、金銭感覚がマヒしていたのではないか。そして今回の強奪事件はそこに付け込まれたものではないか。

そう考えるのは、たぶん僕だけではないと思うんですけど。

 

 

 

 

 

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