今朝のほとんどのテレビニュースや新聞紙面でトップに報道されていたのは、米新型輸送機オスプレイに関することであった。昨日、日本維新の会の共同代表である橋下徹・大阪市長らが、安倍首相と会談し、オスプレイの訓練の一部を、大阪府八尾市にある八尾空港で受け入れるという考えを伝え、首相側もその実現の可能性について検討に入った…というニュースである。
八尾市というのは、僕が住む藤井寺市と隣接している市である。わが家は藤井寺市の北の端にあり、すぐそばに大和川があって、川の向こうに八尾市がある。八尾空港はその大和川の近く。つまり、藤井寺市の北にある僕の自宅から八尾市の南にある八尾空港は、川を隔てて目と鼻の先なのである。先日、僕のマラソン練習のコースとしてご紹介した「大阪・南河内サイクルライン」のホームページの書き出しにも…
南河内サイクルラインの起点は、大和川にかかる大正橋。すぐそばの八尾空港から飛び立つ小型飛行機を見ながら、河内長野をめざしてスタート。
…と書かれている。その大正橋がわが家の近くにあると、前々回(6月3日)のブログで書いたばかりだ。う~む。八尾空港にオスプレイが…本当に来るのか。来れば、僕も空港から飛び立つオスプレイを見ながら、ランニングをする…ということになるのかも知れないが、そんなのんきなことを言っている場合ではない。昨夕、急きょ記者会見を開いた田中誠太八尾市長は、地元に何の相談もなく一方的にこの話が進められていることに対して大きな不満を表明し、反対の立場を鮮明にした。周囲には住宅や企業が密集しているところで、本当に安全なのか…?ということだが、わが家の周辺もその圏内に入っている。
テレビを見ていると、周辺の住民の人たちのインタビューが行われていた。テレビに映っていた場所は、僕にもなじみの深いスーパー・イズミヤの前だった。インタビューに答えていた人は、ひとり「沖縄の負担が少しでも軽くなればいいんじゃないですか」と答えた人を除いて、あとはすべて「安全性に問題がある」と反対意見であった。僕が通うスポーツジムで、八尾空港のすぐそばに住んでいる男性がいるが、「飛行機やヘリの騒音がやかましくて仕方ない」とボヤいているのを何度も聞いた。そういう人たちは、その上にオスプレイなんて、「とんでもない、ふざけるなっ」と言いたいところであろう。
沖縄の人々の負担を少しでも和らげる…という考え方はとても尊いことである。しかし、今回の橋下氏の言動の流れを見ると、新聞などでも指摘しているが、「従軍慰安婦」「風俗」などの発言問題で国民の信頼を失墜したと言われる橋下・維新の会にとって、失地回復の道具として使われているのなら、動機が不純すぎる、と言わなければならない。(橋下氏そのものは、僕は嫌いではありませんけど…)
八尾の田中市長は「市民は騒音がどうなのか、本当に安全性が確保されているのか。疑問や不安が先に立つ」と述べた。僕も近隣の住民の一人として、市長の言うとおりだと思う。そしてこの問題を、いろんな情報やあらゆる角度から探ってみても、オスプレイ訓練の一部が八尾空港に移転される実現性は、限りなくゼロに近いようにしか見えない。障害が多すぎて、はかどらず、そして、難航したあげく、たぶん実現はしないだろうと思われるのである。