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 僕のほそ道   ~ のん日記 ~

  
これと言ったテーマはなく、話はバラバラです。 つい昔の思い出話が多くなるのは年のせい? 

嵐 → アラカン → そして…

2011年11月24日 | 映画の話やTVの話など

昨日、NHK総合テレビの夜7時からのニュースをかけていると、
そのまま7時半から「嵐の明日に架ける旅」という番組が始まった。
僕はそれをじっと見ていたわけではないが、テレビは消さずにいた。

今年も紅白歌合戦の司会をする嵐を、お年寄りにもアピールしよう、
…というような、そんな意図もあって製作された番組なのかもしれない。

ちなみに、うちのモミィは嵐の松本潤のファンである。
他の芸能人は知らないのに、なぜかマツジュンだけは知っている。
「わたし、アラシのマツジュンが好きやねん」などと言っているのだ。

ま、それはさておき、そのNHKの番組の中で、嵐の二宮クンが、
お年寄りに「嵐って知っていますか…?」と質問する場面があった。
「知ってますよぉ~」と、そのお年寄りは、笑顔で答えていた。
つまり、あなた方のことは知っていますよ~ということである。

う~ん。
もし僕が同じ質問を受けたら「知っていますよ~」とは言うけれど…
なにせヘソ曲がりな人間だから、そんなまともな返答はしませんね。

「嵐…? 知ってるわ。雨や風の強いことやろ」(そのままやがな~)

「嵐…? 知ってるわ。京都やろ
。いま紅葉が綺麗やで~」(そら嵐山や)

「嵐…? 知ってるわ。E・ブロンテの小説。名作やネェ」(そら「嵐が丘」や)

…すみません。どれもつまらないですね。とほほ。

で、マジメな話、僕は「嵐」といえば、まずこの俳優のことが思い浮かぶ。

 ↓

嵐寛寿郎(あらし・かんじゅうろう)。

通称、アラカンである。
年配の人でこの俳優の名を知らない人はいないだろう。
どちらかといえば、僕の親の世代の頃の銀幕のヒーローだったけれども、
「鞍馬天狗」などは、幼い時の夢のような記憶が、今も僕の中に残っている。



      



ということで…
嵐といえば、何よりもまず嵐寛寿郎 → アラカンを思い出すのである。

でもなぁ。 アラカン、と言えば…

現代では、還暦前後の年齢の人のことを、アラカンなどと呼ぶようである。
アラフォーという言葉が流行したあとで、そんな派生語が生まれたのですね~。

早い話、今の僕自身が、アラカンと呼ばれる歳になってしまった。

アラカンが、嵐寛寿郎だったらカッコいいのだけれど、
還暦前後の年齢をあらわすアラカンとは、う~ん、なんだかねぇ…

おまけに僕は、すでに「後期」のアラカンに入っているわけだ。

アラカンを過ぎてしまったら、次は何と呼ばれるのだろう?

もうアカン…だったりして。

 

 

 

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ラストマネー 愛の値段

2011年09月23日 | 映画の話やTVの話など


先日のブログで、テレビを見るとアホになると書いた。
今回は、テレビを見ると賢くなる、という話を書きます。
どのみちこのブログは、ハチャメチャなんだもんね~。

先週の火曜日から、「ラストマネー」というドラマが始まった。
NHK総合テレビで、午後10時からのドラマである。
サブタイトルは「愛の値段」。 全7話ということだ。

ご覧になっている方も多いでしょうね。

テーマは、生命保険。

生命保険会社の査定員の伊藤英明が主人公である。

生命保険は保険金詐欺などともからみ、複雑な背景を持つことが多い。
詐欺ではなくとも、通常でも受取人が誰になるか、難しい場合もある。

先週の第1回目を見て、本当に難しいのだなぁ、と思った。
そこで査定係という、生命保険会社の調査員の役割の大きさを知った。

第1回のストーリーは、こんな感じだった。

夫婦と子ども2人と妻の母親が乗っていた車が、崖から落ちる。
そして夫婦と子ども2人は死に、妻の母親だけ奇跡的に助かる。

夫には6千万円の保険が掛けられていた。
保険金の受取人は、妻である。
しかしその妻も、夫とともに死んだ。
子どもたちも、2人とも死んでしまった。

では、その保険金は誰が受け取るのであろうか…?

ドラマは、そういう展開で進んでゆく。

この場合、夫婦と子どもたちの4人は、「同時死亡」と見なされる。
…ということは、夫に掛けられた6千万円の保険金は、
本来であれば受取人であったはずの妻が亡くなったので、
妻の両親に受け取る権利が発生する…ということなのである。

これに納得できないのが、夫の両親であった。

「うちの息子が死んだのですよ。しかも、生命保険のお金も息子が掛けていたんじゃありませんか。それが、なぜ息子の嫁の親に保険金の全額が行くのですか?」

夫の両親は、保険会社の説明に抗議する。

この主張もまあ、何となくわかるような気もする。
しかし、あくまでも保険金は、受取人を中心に動く。

生命保険査定員の伊藤英明が、事務的に制度の趣旨を説明する。
顔色ひとつ変えることなく、淡々と生命保険の仕組みを説く伊藤英明。

悲痛な叫びで訴える夫の両親を前にしても、
「規則は規則ですから」との態度を崩さない。

このドラマでの伊藤は「情け無用の男」のキャラを演じている。
かつて「白い巨塔」で演じた気弱で誠実な医師役とは正反対だ。

そんなストーリーで、最後は意外な展開で終わるのだけれど、
こんな話って、見ていてなかなか勉強になって、面白かった。

先日放映された第2話は、また違うストーリーだけれども、
一方では、第1話から継続する話も、併行して展開される。

子連れで独身の高島礼子の家に出入りする、男の話だ。
男には、家庭があった。つまり男にとっては、不倫である。

女(高島礼子)は、男を愛してはいるが、
男の言葉の最後の一滴までは信じていない。
男には家庭がある。その一点で、男を全面的に信じられない。

男は「僕は君を心の底から愛しているんだ」と言う。
「では、私の言うことを聞いてくれますか?」と彼女は言う。
彼女…高島礼子は、相手の男にこう言う。
「生命保険に入ってください」と。

3日前に放映された「ラストマネー」第2話は、
当然のことながら第1回とは別のストーリーだったけれど、
この2人の話に限っては、第1話から共通して出てきている。

来週の火曜日がますます楽しみになってくる。

このドラマは生命保険を巡ってのトラブルがテーマだが、
若い査定員が、先輩の伊藤英明に、
「生命保険は亡くなった人からのプレゼントですよね」
と言ったことに対して、
「違う。生命保険は、魔物だ」
と言い放つ。

このドラマが訴えたいことを、端的に物語る言葉である。

たしかに、生命保険って、魔物かも知れない。

と同時に、生命保険や相続というものの仕組みがよくわかる。

テレビって、見ていて賢くなりますよね~

 

 

 

 

 

 

 

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どこが AKB48 やねん !

2011年09月18日 | 映画の話やTVの話など

テレビを見ているとアホになる。
わたしはアホになりたくないから、テレビは見ない…

4年前に46歳の若さで亡くなったユニークな哲学者・池田晶子さんが、
以前、どこかの週刊誌の連載の中で、そんな文章を書いておられた。
ほんとですよね~
テレビには、人をアホにするような要素がゴマンとある。

僕も、テレビを見ているとアホになりそうな気がしてくるのだけど、
(テレビを見んでもアホちゃうんか…? って言わんといてね)
ビールを飲みながら気楽にテレビを見る時間は、それなりに楽しい。

スポーツ番組や良質のドラマやドキュメントを見ると、
やっぱり、テレビはいいなぁ、と改めて思ったりする。
バラエティもつまらんと思いながら、可愛いタレント目当てに見たりする。
まあね。何歳になっても、可愛い女性は見ていて楽しいのだ。わはは~。

昨日だったか一昨日だったか忘れたが、新聞のテレビ欄を見ると、
「めちゃ×2いけてる!」という、題だけを見ても意味のわからん、
それこそアホみたいな番組(と勝手に思っている)があったのだけど、
中身を見ると「AKB48だらけの爆笑アイドル大運動会」とある。
僕はこんな番組なんて、これまで見たこともない。
しかし今日は「AKB48だらけ」らしい。う~む。気になる。
「だらけ」というくらいだから、うじゃうじゃ出るのだろう。

何だかわからないけれど、AKB48がいっぱい出るというので、
そ~か、よっしゃ、AKB48のたとえ1人でも顔や名前を覚えよう…
という魂胆で、テレビのチャンネルをそこへ合わせた。

見ると、アイドルの女の子たちの、相撲大会が行われていた。
それを、他のタレントたちが、ワイワイと囃し立てている。
「低劣」の2文字を絵に描いたような光景である。

しかし、可愛いアイドルに関心のある僕は、
「ははぁ、この女の子たちがAKB48のメンバーなんやなぁ」
と思いながら、テレビ画面を凝視した。

でも、なにか雰囲気が違う。

AKB48と言えば今や日本のトップアイドルグループ…
…というぐらいは、僕でも知っている(顔は知らないけど)。

しかし、目の前で展開されているアイドルたちの相撲大会は、
あまりにもお下劣で、筆舌に尽くしがたいほど低俗である。

次々とアイドルっぽい女の子たちが登場して来るのだが、
その扱われ方が、なんとなく「格下」という感じがする。
「これって本当にAKB48なのか…?」

と、疑問に思った僕は、もう一度新聞の番組欄を確かめた。

すると…

なんと。
よ~く見てみると、その番組欄に書かれてあったのは、
「AKB48以外だらけの爆笑アイドル大運動会」であった。

なにィ…?

AKB48 以外だらけ!

おいおい、そんな日本語の使い方って、あるんか?

ええかげんにせい!

やっぱりテレビは、人間をアホにする。

 

 

 

 

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映画 だらだら日記

2011年07月16日 | 映画の話やTVの話など

レンタルビデオ店でお目当ての映画を探すのも、それなりに難しい。
先日、TSUTAYAで、東野圭吾原作の「容疑者Xの献身」を探したが、
どこを探しても見つけられず、仕方なく別のDVDを借りて帰った。

それを息子に話すと、「絶対に置いてあるはずだけどなぁ」と不思議がり、
「テレビドラマのガリレオのところは見たの?」 と僕に尋ねた。

「見ていない。テレビドラマとこれとは関係ないやろ」 と答えると、
「その映画にはガリレオが出てくるのだから、そこに置いてあるはず」
と自信ありげな言葉が返ってきた。

僕は再びTSUTAYAへ行き、テレビドラマのコーナーを探した。
すると、息子が言ったように、ガリレオシリーズの中にまじって、
映画 「容疑者Xの献身」 があった。 「あ、よかった~」
そう思いながらも、一方では、なんでやねん、という気持ちだった。

テレビドラマはテレビドラマ。 映画は映画。 別のモノではないか。

僕は邦画のコーナーの隅から隅まで探したのである。

「新作」 や 「準新作」 の場所を除き、
アクション、ミステリ・サスペンス、ホラー、恋愛、青春、
…など、いろんなカテゴリの棚をすべて探しまわり、
むろん、分類されていない一般邦画のコーナーも全部見た。

でも 「容疑者Xの献身」 は邦画の場所には置かれていなかった。
それが、TVドラマのコーナーに並んでいたとは、なんのこっちゃ。

「だって、その映画には福山雅治のガリレオが出てくるからね」
と息子は繰り返すのだが、だから映画をTVドラマコーナーに置くのか?
そういうところへ頭がまわらない僕のような人間も、いると思うのだよ。

少なくとも両方のコーナーに置いておくのが、店としての配慮だろう。

とまあ、そんなことで、映画「容疑者Xの献身」を見た。

小説のあらすじを6月11日のこのブログ、
「はじめての東野圭吾」で書いたので、
それをここに、再度掲載します。

天才数学者がひそかに慕う女性が、執拗につきまとう元夫を、娘と2人で殺してしまう。
彼は、自首しようとするその母子を思いとどまらせ、自分の指示通りに動くように言う。
そうすることによって、彼はその女性に寄せる恋慕の情を成就させたいと考えたのだ。

そして、母子のアリバイ工作をし、得意の緻密な思考で完全犯罪を企てる…。

小説は犯人の側から描かれているので、妙に共感し、つい犯人を応援したくなった。

しかし、途中から湯川という物理学者が登場し、事件の謎を解明していく。
彼が、テレビで福山雅治演じた探偵ガリレオである。

ガリレオの明晰な推理で、天才数学者の完全犯罪も、
あと一歩というところで頓挫してしまう。

これが小説のストーリーだが、映画は、原作に忠実に描かれていた。

期待どおりの出来栄えで、容疑者役の堤真一が絶妙の味を出していたし、
原作には出てこない女性刑事の柴咲コウも、キラッと輝いていた。

しかし、小説でもこの映画でも、つい、容疑者の肩を持ってしまう。
快刀乱麻の推理を展開する福山ガリレオが、冷酷非情に見える。
「福山さん、なんとか堤さんを見逃してやってくれない?」 なんて思う。

それだけ、このストーリーの中にハマってしまっている証拠だろう。

原作を読んでいたので、映画の前半の、ちょっとしたシーンにも、
あぁこれが重要な伏線になるんだなぁ、なんて思いながら、楽しめた。

TSUTAYAでさんざん探しまわって借りてきた甲斐があったというものだ。

それに引きかえ…と言えばナンだけど、これまで少し触れてきた
「インシテミル」 という映画には、ついていけなかった。

「7日間のデスゲーム」というサブ・タイトルがつき、

時給112,000円の心理戦。参加者10名。死ぬか、稼ぐか

…というキャッチコピーには思わずヨダレが出そうであるが、
ぞくぞくっとするミステリ映画というものではなく、
どちらかと言えばホラーじみて、荒唐無稽すぎた。

映画は考えるものではなく感じるものである、とよく言われることだが、
こういう世界に入ってくると、何? この映画は? と考えざるを得ない。

う~む。 感性が鈍ってきているのだろうか? 

この映画は、ホリプロの作品だそうだ。 やっぱりなぁ。
…何がやっぱりか、わからないけど。

話のついでに、もう一つ、最近見たDVDの話を。

これも刺激的なコピーが話題になった「運命のボタン」である。

このボタンを押せば、あなたは100万ドル(約1億円)を受け取る。
ただしこの世界のどこかで、あなたの知らない誰かが死ぬ。
さて、あなたはボタンを押しますか?

そういったような宣伝文句だった。

キャメロン・ディアスが出ているので、あやしい映画ではないだろう。
そう思って見たのだが、思いっ切りあやしい映画であった。
面白いといえば面白い映画だったけれど、これもサスペンスではなく、
ホラー系に加えてSFの要素もごちゃごちゃと加わったB級映画だった。

あらすじは、こうだ。 

(ただし、後でネタバレが出てきますので、これから見ようという方は、
あとのほうは、読まれないほうがいいかと思います)

ある日の明け方、ノーマ(キャメロン・ディアス)とアーサー(ジェームズ・マースデン)夫妻のもとに箱が届く。箱の中には赤いボタン付きの装置が入っていた。その日の夕方、スチュワート(フランク・ランジェラ)と名乗る謎の人物がノーマを訪ね、驚くべき提案を持ちかける。
「このボタンを押せば、あなたは100万ドル(約1億円)を受け取る。ただしこの世界のどこかで、あなたの知らない誰かが死ぬ。提案を受けるかどうか、期限は24時間。他言した場合取引は無効」。 ふたりは道徳的ジレンマに迷うが、目の前に1億円を見せられ、生活が苦しいこともあり、結局ボタンを押してしまう。だが、それは想像をはるかに超える事態の始まりに過ぎなかった。(Woman.exciteシネマより)

ボタンを押せば1億円がもらえる。
しかし、それによって知らない誰かが死ぬ。
あなたはどうしますか…って?

う~ん。 1億円と引きかえに、知らない誰かが死ぬ。

最終的には、悩みながらも、押してしまうのかな~と思ったりする。
ま、悩まない人もいるんだろうけど。


映画でも、キャメロン・ディアスの夫婦は、悩み抜く。
しかし最後には、妻のキャメロンが衝動的にボタンを押す。
その瞬間に、ある家庭で、家庭内殺人という悲劇が起きる。

ネタをバラしてしまうと、次にそのボタンは別の家庭に持ち込まれ、
その家の人が同じ条件を提示されてボタンを押すと、そのとたん、
今度はキャメロン・ディアスが、愛する夫に撃ち殺されるのだ。

う~っ。 予想もできなかった結末。 あぁ、怖い。

こうして、次から次へとボタンが押され、
その度に、直前に押した人物が死ぬ…
ということが繰り返されてきたのだ。

映画は、自分の利益のためには他人の死もいとわない、
という人間のエゴがテーマなのかも知れないけれど、
あいだに火星探査プロジェクトやら、人体実験やらが絡み、
鼻血をたらす人たちやゾンビのような集団などが出てくる。
どうも、このへんのところが、よくわからなかった。

運命のボタンをキャメロン・ディアス宅に持ち来む男、フランク・ランジェラは、
やけどが原因ということで、顔の半分がえぐれている。 このメイクがすごい。

この映画の中で最も強く印象に残ったことは…と聞かれると、このメイクと、
キャメロン・ディアスの美貌がちょっと褪せてきたかなぁ、ということでしょうか。

あ、それから、もうひとつ。
キャメロン・ディアスの夫役で出ていたジェームズ・マースデンだが、
顔がタレントの小島よしおにそっくりだった。

まあ、映画の評価としては 「そんなの、関係ねぇ」 わけですが。

オッパッピー! (どっちも、もう古いわ)

すみません。 長かったわりには、つまらない感想文で。

 

 

 

 

 

 

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映画 「悪人」 を見たけれど

2011年07月15日 | 映画の話やTVの話など

TSUTAYAで邦画の貸し出しランキングの上位に入っていた 「悪人」 と、
「インシテミル」 の2本を借りて見たが、どちらも、なんだか期待外れであった。

「悪人」は、出演者が4人も日本アカデミー賞の主演・助演の男優・女優賞をとり、
去年の邦画界を席巻した感があるので、まあ、見ごたえはあるのだろうと思った。

映画関係のネットからストーリーを引用すると、

長崎の漁村で孤独な人生を送り、
ふとしたことから殺人者となってしまった不器用な青年と、
そんな男と孤独の中で出会い許されぬ愛に溺れた女が繰り広げる
出口のない逃避行の顛末を、事件によって運命を狂わされた被害者、
加害者それぞれを取り巻く人々の人間模様とともに綴る。

う~ん、見てみたいなぁ、という気にならせる文章ですよね。

深津絵里は熱演だったと思う。

「博士の愛した数式」でも、彼女の演技は光っていた。
ごく普通に生きる女性が、急に突拍子もない出来事に遭遇したときの反応を、
これほどうまく表現できる女優さんは、ほかにはいないだろう、と思うのだ。

この 「悪人」 でも、主人公の妻夫木聡から、「人を殺した」 と告白されたときの、
驚きと困惑から相手への愛しさへと移っていく、連続した表情が印象的だった。

でもなぁ。 妻夫木聡のほうは本当に 「名演」 だったのか。

これまでのイメージを払拭したといっても、演技そのものとは別である。

この映画では、妻夫木に殺害された女性の父親役を演じた柄本明と、
妻夫木を育てた祖母役を演じた樹木希林の演技にも、凄みがあった。
(2人はこれで日本アカデミー賞の助演男優・女優賞をとった)

さらに岡田将生の、実にいやらしいおボッチャンぶりも好演といえた。

しかし、主人公の妻夫木聡だけが、どうも胸に迫ってくるものがない。

せっかくの豪華なキャスト陣も、これでは今ひとつ浮かばれない。

映画自体も、一本調子で抑揚がなく、ヤマ場のないまま終わる。

「え…、それで終わりなん?」 というのが、
映画を見終えた直後の、正直な感想である。

別に悪い映画だとか駄作だとかまでは言わないが。
まあ、あれほど騒がれたことに値するほどの映画でもなかったようだ。

それにしても、妻夫木聡を見ていると、もどかしさを禁じ得ない。

もう少し、こちらに響いてくるものがあったらなぁ、と思うのだけど、
「不器用な青年」の役だから、それはそれでいいのだよ、
な~んて言われたら、返す言葉はありませんけどね。

「インシテミル」 は、見ている間はゾクゾクっとしたものの、
見終わってしまったら、なんだかわけがわからなかった。

不思議な映画である。 

また次回、少しだけ感想を。

 

 

 

 

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淫 してみる ?

2011年07月13日 | 映画の話やTVの話など


東野圭吾の「秘密」を読み、映画も見たくなったのでTSUTAYAへ行った。
ついでに、同じく東野圭吾の「容疑者Xの献身」も借りようと思った。

しかし…
店には、どちらのDVDもなかった。

「秘密」は10年以上も前の映画なので仕方ないかもしれないが、
「容疑者Xの献身」は比較的新しいからどこかにあるはずだと思い、
目を凝らして「邦画」の棚の隅々まで探したのだが、見つからなかった。

あぁ~残念。

手ぶらで帰るのもつまらないので、別のDVDを借りることにした。

「邦画レンタルベストテン」というコーナーがあった。

1位は「告白」だったが、これは何ヶ月か前にDVDで見た。

2位は「悪人」。 3位が「インシテミル」という映画だった。

「告白」は日本アカデミー賞の作品賞を取った。

「悪人」は主演の妻夫木聡と深津絵里が最優秀主演男優賞と女優賞を獲得し、
さらに、脇役の柄本明と樹木希林が、最優秀助演男優賞と女優賞を獲得した。

しかし3位に入っていた「インシテミル」という映画は、知らなかった。

インシテミル…。

その題名からして変である。 
インシテミル…の「イン」を見ると、何となく「淫」という文字が浮かんでくる。
ということは、え~っと 「淫してみる」 っていうこと? 
でも、それじゃまるでエッチな映画だ。
まさかね~。

まあ、藤原竜也や綾瀬はるか、北大路欣也らが出演しているし、
そんな怪しい映画がTSUTAYAで3位に入っているわけもないしね。

そんなわけで「悪人」と「インシテミル」の2本のDVDを借りて帰った。

映画の感想については改めて書いてみたいと思うのだが、
どうしても気になるのが「インシテミル」の題名である。

この題名の意味は、映画を見ても、最後までわからない。

そこで、またネットで調べてみた。
(ネットは便利だなぁ。何でも載っている)

すると、まさか、と思ったことがそのまま書かれてあった。
つまり、やっぱり「淫してみる」という意味なんだそうだ。
ふむ。これでは、やはりどうみてもエッチな映画ではないか。
「淫」といえば「淫行」とか「姦淫」みたいな言葉しか浮かばないものなぁ。

辞書で調べてみると、もう少し広い意味があるということがわかった。
「淫」には、物事にふけること、度を越すこと…という意味もあるようだ。
たとえば酒を飲み過ぎることを「淫酒」と読んだりするように。

僕はもちろんこの映画の原作は読んだことはないが、読んだ人によると、
原作の中に、「ミステリーに淫してみた」というセリフもあったそうだ。

やっぱり「インシテミル」は、淫してみる、だったのか。
ちなみに映画には、エッチなシーンはまったく出てこないですけどね。

ただ、別の説もあるみたいだ。

映画は、謎の館に見知らぬ10人が集まる、という話なのだが、
その館に 「 IN してみる」 という意味ではないか、とか、
英語の 「i n c t e   m i l l (殺人を駆り立てる)」 ではないか、とか。

いったいどれが本当なのかわからないけれど、映画の作り手の方も、
その解釈はそれぞれのファンにまかせる、ということかも知れない。

インシテミル  インシテミル  インシテミル  インシテミル…

そのうち、それが 「イミシテイル」 に見えてきたりするのである。


 



  

    このタイトルは、何をイミシテイル?

 

 

 

 

 

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「幸せのレシピ」

2011年06月09日 | 映画の話やTVの話など

         

         10日の「金曜ロードショー」で放映されます。
    

夜あるいは昼間からビールを飲んでしまう習慣を断つと、
映画を見たり本を読んだりする時間が増える。 

そういえば、1年ほど前に、作家の浅田次郎さんが、
「酒を飲んでいるヒマがあれば、私は本を読む。
 酒のために時間とお金を浪費している人たちの気が知れない」 
と、新聞に書いていたのを読んで、
う~む、僕も酒にうつつを抜かしているヒマがあればもっと映画でも見なきゃな~、
と内心忸怩たる思いに打たれたことがあったっけ。 

わが家のディスクレコーダーに録画したままだった映画のひとつを見て、
胸が熱くなったことを、前々回のこのブログに書いた。 

その映画 「幸せのレシピ」 が、明日、10日の午後9時から、
日テレの「金曜ロードショー」で放映されるというので、
今日はこれについて書きます。 ネタバレはありませんのでご安心を。

まだ見ておられない方には、ぜひお勧めしたい一本です。

http://www.ntv.co.jp/kinro/

「幸せのレシピ」 は、今年の1月か2月にBSで放映された。 
僕はそれを録画していて、そのままにしていた。 

で、先週、この映画を見て、「あぁ、なんでもっと早く見なかったんだろう」
と、後悔した。 いわばラブコメディだけど、ぐぐ~っと胸に迫るものがあった。

これは2007年の9月に日本で公開された映画だ。
2007年の9月といえば、僕にとっておぞましい耳鳴りが発症した時である。
当時、新聞か雑誌でこの映画の紹介記事を読んだことは覚えているが、
何となく良さそうな映画だという印象はあったけれども、
耳鳴りで混乱していた時なので、映画どころではない、という心境だった。

それから4年近く経ち、やっとこの映画を見ることになった。

ヒロインのキャサリン・ゼタ=ジョーンズが何とも魅力的である。

ずいぶん昔、大阪南御堂会館で 「マスク・オブ・ゾロ」 という映画の試写会を見て、
そこに出てきた若き彼女の、輝くばかりの美しさが、いまでも忘れられない。

その彼女も40歳を過ぎ、こんなに魅力的な中年女性を演じるようになったのだ。
(すでに 「シカゴ」 でアカデミー賞助演女優賞を受賞してはりますけど…)

映画の最初のほうのあらすじだけ、紹介します。

ニューヨークのマンハッタンの有名レストランのシェフをつとめる彼女(名前はケイト)は、
仕事が生き甲斐のすべてだった。 料理人としての誇りも高く、自尊心も強い。 

しかし、自分の腕に自信を持ちすぎ、客から味についてのクレームが来ると、
つかつかとそのテーブルに行き、
「ホットドッグがお似合いよ」と言い放って客を怒らせてしまう。 
レストランの女性オーナーは
「どんなことでも、お客さんの言うことに逆らわないで」
と頼み、いらだつケイトにセラピーの治療を受けさせる。

そんなとき、姉が9歳の娘を乗せて、車でケイトのところへ会いに来ようとしている。
ケイトと姉は、仲が良さそうだ。 姉の娘は9歳でゾーイという。

しかし、悲劇が起きる。
姉の車が交通事故に遭い、姉は亡くなって娘のゾーイが残される。
姉はゾーイと2人暮らしだったため、ゾーイは一瞬にして孤児となる。
ケイトは、ゾーイを引き取り、いっしょに暮らす決意をする。
本業のシェフ以外に、大きな責任を抱え込んでしまうのだ。

ケイトの憔悴ぶりを見かねて、レストランのオーナーは、ケイトを1週間休ませる。

ここから展開されるケイトと姪のゾーイとのやりとりが興味深い。
9歳で過敏なゾーイは、むろん母を亡くしたショックからすぐには立ち直れない。
ケイトは懸命にゾーイを慰め、近くの学校へ転校させ、送り迎えをし、精一杯尽くす。
それでも、はじめての2人暮らしにケイトは戸惑い、ゾーイは時に反抗する。
反抗はするけれど、徐々に心も開いていく。 この映画の一番の見どころだ。
見ながら、なんとなく、わが家のモミィのことを思ったりした。

そんな気苦労な休暇が終わり、ケイトが再びレストランへ出勤すると…

厨房には、副シェフとして新たにオーナーから雇われた見知らぬ男がいた。
ケイトにとってこの厨房は自分の聖域であった。
しかし、今、この男 (アーロン・エッカート) が厨房を仕切っているのである。
それを見て、カッと頭に血がのぼるケイト。

映画はここでギア・チェンジし、次のストーリーへと広がって行く。

これ以上書くと、まだ見ておられない方に迷惑になるので、やめておきますが。

僕はこの映画を部屋で一人で見ていたのをいいことに、何度か涙を流した。
仕事では傲慢なまでに頑固なケイトが、ゾーイには腫れ物に触るように気遣う。
一方、心を閉ざしながらも、ケイトに遊んでもらうと、無邪気に喜ぶゾーイ。 

別に悲しいシーンでもないのに、そんなところで、なぜか涙ぐむのである。

これも歳のせいでしょうか。 ぐすん。 (また涙ぐむ)

 


  
   料理にクレームをつける客に 「反撃」 するケイト。 痛快なシーンだ。



  
  姪のゾーイと暮らし始めたけれど、ゾーイは容易には心を開いてくれない。

 

 
  
新入りの副シェフが気に入らないケイト。  さて、このあと、どんな展開が…?

 

 

 

 

 

 

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新撰組血風録

2011年04月29日 | 映画の話やTVの話など

4月からNHKのBSで始まった「新撰組血風録」が面白い。

昔から、「新撰組もの」 は好きだった。
舞台が自分の生まれた京都であることも、何が親しみのようなものを感じさせる。
新撰組屯所のあった壬生は、僕の生家の近くで、祖父の墓も壬生の寺にある。

三谷幸喜が手がけた大河ドラマ 「新撰組」 にはいささか失望したものだけれど、
今回のドラマは、レギュラー陣にあまり有名ではない俳優さんが多いということで、
余計なイメージに邪魔されず、物語そのものをじっくり楽しめる要因となっている…
…のではないかと、まあ、勝手に思っているわけですけど。
(有名でない…とは、ちょっと失礼でしたか!)

それに、このドラマ、殺陣のシーンが半端ではない。 壮絶、とも言えるほどだ。
真剣のシーンはむろん、屯所の庭での稽古場面ですら、火花が散るほどの迫力で、
あのような凄い立ち回りでは、誰か大怪我をするのではないか、と心配になる。

司馬遼太郎の数ある作品の中でも「血風録」は数え切れないほど何度も読んだ。
 
もっとも…
「竜馬がゆく」 や 「坂の上の雲」 のような大長編は、そう何度も読めないけれど、
「血風録」 は15の短編からなる連作物で、1冊におさまり、手ごろで読みやすい。
しかも、どこから読んでも楽しめる。 僕の座右の書のひとつでもある。

この作品は、昭和39年 (1964年) に中央公論社から初版本が発行された。
僕はそれから10年経った昭和49年に、この本を買って、初めて読んだ。
それまで読んでいた司馬さんの小説の中でも、ひときわ魂を揺さぶる作品だった。
「なんでもっと早く読んでおかなかったのか」 と当時の読書日記で悔やんでいる。

何度読み返しても、構成の妙と文章の巧みさに、恍惚として、ため息が漏れる。

今も変わらず同じ本を読んでいるので、もうボロボロである。
そして、ページのあちらこちらに黄色のマーカーを塗っている。
何か感ずるところがあれば、そこにいちいちマーカーを塗っていたのだ。

息子が高校生ぐらいの頃、この本を読ませてくれと言ったことがあるが、
マーカーを見られると恥ずかしいので、自分で買って読め、と言ったものである。

まぁ、原作にはそれほど思い入れが深いので、どうしてもその眼でドラマを見る。

つい原作と比べてしまうので、これはドラマ鑑賞に良くもあるが、支障もある。

第3話のクライマックスは、芹沢鴨が暗殺されるシーンだった。

芹沢は、粗暴で、酔えばさらに狂人のように凶暴になる男だが、
神道無念流の達人であり、膂力 (りょりょく) は隊内におよぶ者のない男であった…
…と、原作で書かれているように、1対1では、たとえ土方でも勝てない相手である。

芹沢を酔わせ、寝入っているところを、沖田総司、原田左之助、それに土方、
近藤などが急襲し、芹沢の反撃をかわしながら、寄ってたかって討ち倒す。
原作のここのくだりは、いつもハラハラして読むのだが、テレビドラマでは違った。

土方が 「手出し無用!」 と沖田らを制して、庭で1対1で芹沢と対決する。
そして、一進一退の後、土方が芹沢を斬る … ということになったのだが、
最後は芹沢を妙に格好いい男に描いたり、土方ひとりに手柄を持たせたりと、
ちょっと腑に落ちないストーリーで、ここは見ていて不満が残った。

ほかにも細かいところで不満はあるが、全体として眺めたら、見ごたえがある。
沖田総司役の辻本祐樹は、大河ドラマの時の総司役・藤原竜也そっくりだけど、
2人とも、司馬遼太郎の原作の総司像に、ぴったりハマっているって感じだ。

主人公・永田大の土方歳三は、中途半端に気弱さ、優しさが出るのが難点。 
視聴者にわかりやすく、あえて人間らしさを見せているのかも知れないが、
司馬遼太郎の原作を引用するまでもなく、土方はもっと冷酷でなければならない。

この 「血風録」 に登場する新撰組隊士の中で、山崎烝(すすむ)が好きである。

大阪の町人あがりで、剣術が得意だが、新撰組の監察として諜報活動をしている。
薬売りの姿で京を歩き回り、さまざまな情報を拾って、近藤、土方に報告する。

山崎烝の先祖は、この小説によると、播州の赤穂藩士である。
しかし、元禄時代の赤穂義士の討ち入りの時、彼の先祖は参加しなかった。
討ち入りから100年以上経った幕末でも、世間では、参加しなかった家士は、
「義挙にも加わらなんだ犬畜生じゃ」 と指弾されたという。
旧赤穂藩士は、名を替え、生国をくらまして、諸国に隠れ住み、
自分の子や孫にさえ、自分の家が赤穂から出たことを語らなかったという。
よほどの差別を受けていたようである。

ドラマの中で、近藤勇と鴻池善右衛門の2人の会話に山崎のことが話題に出て、
「彼は赤穂の出身でしたね」 と近藤勇が言うと、
「それは、決して彼の前では言ってはいけないことです」
と鴻池善右衛門がたしなめるシーンがあったが、原作を読んでいない者には、
この時点での、この会話は、何のことやら意味がわからなかっただろう。

山崎烝も、父からそんな話は聞かなかったが、あるところから知ることになる。

一方、赤穂義士の討ち入りに加わった47人は、子孫も英雄扱いだったそうだ。

ここに、大高忠兵衛という男が登場する。
倒幕をもくろむ長州藩に近い浪士である。 つまり、尊皇攘夷浪士だ。
この男は、赤穂義士の一人、大高源五の曾孫であった。
ただ、それだけの理由で、尊皇攘夷浪士のあいだで重んぜられていた。

そして、大高と山崎は、偶然にも、これまで数度、会っていた。
山崎は、初対面の時から横柄な大高の態度を、好かぬものと思っていたが、
それが赤穂義士が、討ち入り逃避者に対する侮蔑の態度だったと後に知り、
山崎は怒り狂い、いつかは大高忠兵衛を斬る、と心に誓うのである。 

薬売りとして池田屋へ潜伏し、様子を伺っていた山崎は、ついに…
来るべき6月20日前後に尊攘浪士が御所に火を放ち、天子を長州に動座する、
というおそるべき計画があることを知る。 その下相談が6月5日に行われる。
場所は、自分が潜伏しているこの池田屋である、という情報をつかむのだ。
池田屋には、尊攘浪士として、大高忠兵衛も出入りしていた。

近藤が手勢を引き連れて池田屋を襲撃する話は、あまりにも有名である。

これを導いたのが、監察役の山崎であった。

そして池田屋で、今度は新撰組隊士としての山崎が、
大高忠兵衛と対決することになる。

次に放映される第5話 「池田屋異聞」 は、
たぶん、この山崎烝と大高忠兵衛の闘いがヤマ場になるのではないか。

放送は明後日の日曜日、午後6時45分からです。

お楽しみ~




 
  2004年(平成16年) 
  大河ドラマ 「新撰組」 でブームになった頃の壬生の屯所跡 (2004年4月撮影)

 

 

 

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「美しい隣人」 の結末は ?

2011年03月06日 | 映画の話やTVの話など

NHK大河ドラマ 「江 ~姫たちの戦国~」 には失望した。
信長が実は光秀を自分の後継者と考えていた…という真情を吐露するシーンは、
朝日新聞TV欄 「キュー」 の執筆者である島崎今日子さんもあきれていたが、
いくらドラマといえ、歴史をメチャメチャに歪めてしまうのは、どうかと思う。

江の人物像を中心に、脚本が史実からあまりにもはみ出し過ぎているのでは?
3姉妹の絡みも、江だけが際立ち、 「そんなはずないやろ」 というシーンが多い。

放送が始まった頃には、今年こそ12月まで楽しめるぞ~と思っていたけれど、
見ていても、不満が先立ち、ドラマに感情移入できるところがほとんどない。
岸谷五郎も、のそっとして、大柄で頑丈そうな体躯が秀吉のイメージと合わない。
昔の 「国盗り物語」 の火野正平や、「利家とまつ」 の香川照之は良かったけどね。

そんなことで、早くも離脱した今年の大河ドラマである。

いま、最も楽しみなドラマといえば、「美しい隣人」だ。

火曜の夜10時からのドラマで、それはもう、こわ~い、こわ~いお話である。
第1話からすでに8話を経て、あと2話を残すのみとなった。
明後日の火曜日が第9話、いよいよ最終章へと差し掛かる。 ドキがムネムネする。

仲間由紀恵の、あの無機質な表情と独特なしゃべり方。
これが何ともいえぬ恐怖感を盛りたてる。
謎の女…という役柄が、これほどぴったりハマるとはね~。

「幸せな家庭の妻で健気な母親」 であり、そしてあまり世間ズレしていない檀れいが、
仲間由紀恵が隣に引っ越してきた時から、得体の知れない 「異変」 に翻弄される。

むろん、筋書きも面白いが、2人の女優の競演が、何よりの魅力だ。

先週は、仲間由紀恵が檀れいの子どもを連れ去るシーンで終わった。
「私が本当のお母さんよ…」 と、じっとその子を見据える目が、冷たくて、怖い。

そういえば…
檀れいはNHKのドラマ 「八日目の蝉」 で、赤ん坊を誘拐する役を演じた。

僕はあれからこの人のファンになったのだが、今度は自分の子どもが誘拐される役だ。
なんとなく、因縁めいていて、興味深い。

あと2回で終わるのは寂しいが、果たして、どんな結末が待っているのか…
いろいろ想像していたら、ふと、20年くらい前に見た映画を思い出した。

それは、「ゆりかごを揺らす手」 という映画だった。
ミステリアスで衝撃的で、最後までハラハラしながら見た映画だった。
主演は、レベッカ・デモーネイとアナベラ・シオナという2人の女優である。

ある男性産科医師が、妊娠中の女性 (アナベラ) の診察時にワイセツ行為をする。
アナベラは警察に訴え、それがマスコミに知れることになり、産科医師は自殺する。
産科医師の妻 (レベッカ) はショックで身ごもっていた子を流産する。
また、生命の危機から子宮を除去摘出されるなど、何もかも失ってしまう。

一方、アナベラは無事に男の赤ちゃんを出産して、幸せな日々が戻って来た。
半年後、その家庭へ、ベビーシッターとしてやって来たのがレベッカだった。
レベッカの目的は、自分を不幸に陥れたアナベラの家庭に復讐することだった。
そして、それからアナベラの周辺で次々と不快な出来事が起こっていく…。

アナベラが檀れいの役で、レベッカが仲間由紀恵の役に当てはまる。

映画は、アナベラの家庭を計算どおり崩壊寸前まで追い詰めたレベッカだったが、
最後に子どもに襲いかかったとき、間一髪でアナベラから逆襲を受けて転倒死する。

映画のほうは、そういうことだったけれど、
さて 「美しい隣人」 の結末はどうなるのか…? 
変なオチで片付けられると、がっかりしちゃいますけどね。
まさか、そんなことはないと思いますけど。 
最終回は、3月15日です。 お楽しみ~。

あ、最後にもうひとつ。
「美しい隣人」 の主題歌を東方神起が歌っていますが、
これがまた、しびれるほどの素敵な歌ですね。

 

 

 

 

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映画 「アマルフィ」 と TVドラマ 「外交官 黒田康作」

2011年01月21日 | 映画の話やTVの話など

普段からテレビドラマはあまり見ないのだけれど、今年に入ってから、NHK大河ドラマの 「江」 をはじめ、何本か楽しみなドラマが始まったので、それらを録画し、時間を決めて数本まとめて見ることにしている。 録画ではCM部分がカットされるので、水をさされることもなくドラマに集中できるのでありがたい。

まず織田祐二の 「外交官 黒田康作」 である。
新聞の紹介文を借りると、
「外国の様々な情報を集め、相手の思惑を探って交渉にあたる外交官」 の物語である。

このドラマは、映画 「アマルフィ 女神の報酬」 の続編という形になっている。 その映画もドラマの宣伝の一環として、先日フジテレビで放映されていたので見た人も多いと思う。 まずは、映画の話から始めたい。

映画の舞台はイタリアのローマだ。  
日本の外務大臣がG8外務大臣会合に出席するためイタリアを訪問する。 この外務大臣に対するテロの予告があり、それを阻止するため、外務省から特命を帯びて黒田康作こと織田祐二がローマに赴任してくる。 

同じ頃、ローマに遊びに来ていた日本人母子 (母親は天海祐希) に悲劇が起こる。 女の子が何者かに誘拐されたのだ。 知らせを受けた日本大使館では、来たばかりの黒田康作に、通訳を兼ねてこの事件を担当することにさせる。 (彼はどこの国の言葉でも話せる…みたいだ)。 

そして黒田は、母親の携帯に掛かって来たイタリア人の誘拐犯人からの要求を聞く…。 外務大臣のテロ予告と、この誘拐事件が、ストーリーを追うごとに、密接にかかわっていることが少しずつ明らかになる…

そんな筋書きであるが、なかなかスリリングな展開で、テレビ画面から目が離せない。

織田祐二のそっけないほどの冷静さと、言葉もわからない国で娘を誘拐され途方に暮れながらも気丈さを失わない天海祐希の熱い演技との調和が見事だ。 そこに、天海祐希に思いを寄せるエリート商社マンの佐藤浩市がからんできて、物語は 「あっと驚く」 展開へと進んで行くのだが、ネタをバラしてはいけないので、ストーリーの紹介はこの辺で置いておくが、僕にとって、もうひとつこの映画の見どころだったのは、観光名所のコロッセオとかバチカン市国のサンピエトロ大聖堂などがふんだんに出てくるローマの街の風景だった。 

12年前、妻と長男と3人でローマへ旅行したときに巡ったいろいろな観光地を、織田祐二や天海祐希らが走り回る。 誘拐犯人が身代金の取引場所として指定する場所が、テルミニ駅からサンピエトロ大聖堂、そして映画 「ローマの休日」 で有名なスペイン広場などと、次々と変更されていくので、そのつど、主人公たちが走って行く先に、それらの光景が広がる。

いっしょに見ていた妻と、「あ、テルミニ駅だ。 この駅前のパスタ店に2回入ったね~」 な~んて話しながら映画を見ていると、大事なセリフを聞き逃してしまい、また巻き戻して同じシーンを見たりするわけだけど(笑)。

この 「アマルフィ」 という映画のタイトルは、イタリアの地名からとっている。
映画後半、イタリア南部の美しいこの港町に、事件の鍵があった…という設定だ。

僕たちがローマへ旅行したときは、バスで、南のナポリやポンペイまで行ったけれど、アマルフィという土地は知らなかった。 いま地図を見ると、そこよりまだ南の港町だ。 映画の画面で見た限りは、美しい入り江と崖のようなところに点々と建つ白い家々は絶景である。 ナポリより、ずっと美しい街だと思った。 

 オールイタリアロケ、というのは、邦画では初めてなんだそうだ。
いつか機会があれば、ぜひアマルフィに行ってみたい…と胸をときめかす。 
ついでに、もう少し足を伸ばせば 「ゴッドファーザー」 のふるさと、シチリア島もある。 
この映画を見て、南イタリアへの憧憬の念が、ほとばしるように胸を突き上げてきた。

さて、その映画の続編が、先週の木曜日から始まった 「外交官 黒田康作」 である。 テレビドラマの第一回目の舞台は、今度はサンフランシスコだった。 とにかく織田祐二扮する黒田外交官は、テロなどの危険性があれば、世界中のあちらこちらへ派遣され、命を狙われたり、危機一髪の場面に出くわしたりするのである。

サンフランシスコが舞台だと、これも、「懐かしいなぁ」 と、テレビを見ながら、また妻と語り合う。 2004年の1月に、サンフランシスコの街を歩いた。 坂の街サンフランシスコを象徴する路面のケーブルカーがゴトゴトゴト~ンと音を立てて走っている風景。 かの有名なゴールデンゲートブリッジ。 そんな風景をバックに、織田祐二が事件の謎に挑む。

この日のクライマックスは、織田祐二が怪しい人物を車で追跡するシーンであった。 

追われる車も追う車も猛スピードを出しているので、それを見つけたパトカーが2台の車を追いかける。 サンフランシスコ市街地の坂道を、他の車を避けながら疾走する数台の車。 このカーチェイスのシーンは、昔、スティーブ・マックイーンがサンフランシスコ市警の刑事を演じた痛快な映画 「ブリット」 のシーンとまったく同じである。 やはり、サンフランシスコにはカーチェイスが似合うんだなぁ、と、若きマックイーンを思い出したりしながら、第一回目の 「外交官 黒田康作」 を楽しく見終えた。 

話は続き物だから、第2回目以降の筋の展開が気になる。
なぜ死んだはずの香川照之が生きていたのか…?
ドジでのろまな女刑事の柴崎コウが、いつ真価を発揮するのか…?
などなど、次回が大いに楽しみである。

…って言っても、その次回というのは、すでに昨日に終わっているわけで…。
今日は午後からにでも、その録画を見ることにしよう。

ついでに、同じく昨日放映された田村正和の 「告白 国選弁護人」 (第2回) も、録画しているので、見てみよう。 昼食後から、モミィを迎えに行くまでの時間で、2本見られる。

このドラマもお気に入りなので、明日、このことについて書いてみます。 

ではみなさん、 チャオ~ (… と、気分はイタリア人)。

 

 

 

  

 


 

 

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「 ゴースト 」 で思い出したこと

2010年11月27日 | 映画の話やTVの話など

昨晩、テレビの金曜ロードショーで  「ゴースト ニューヨークの幻」 があった。
20年前の映画である。

この映画は、日本中を感動の渦に巻き込んだ話題作であった。 

ところで、その20年前だけれど…
初めてこの映画を見たとき、主演男優のパトリック・スウェイジを見て…

あ、この顔、この表情。 これって、誰かに似ているぞ、と思った。

そして、すぐに友人の○○さんの顔が浮かんだ。

そうだ、○○さんに似ているんだ。 
顔や表情の雰囲気が、本当によく似ている。

その○○さん、というのは、実は…

いつもコメントをいただいているアナザービートルさんである。

当時、僕はそれをアナザーさんに言ったのかどうかは覚えていない。

でも、本当に、よく似ていたなぁ。

昨夜、アジア大会ソフトボールで日本が金メダルを獲ったのを見届け、
そのあと、チャンネルを変えて 「ゴースト」 を見た。

やっぱり、パトリック・スウェイジは、アナザービートルさんに似ていた。

う~ん。 似ている。 20年ぶりに、改めてそう思った。 

そして…

同じチャンネルで  「ゴースト」 の次の番組が、なんと…

「 アナザー 」  という題名の番組だったので、びっくりした。  

 

  

 

 

 

 

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由美かおる

2010年04月10日 | 映画の話やTVの話など

サッカー日本代表に失望したので…、
ブログのデザインといいますか、…プレートを、今回変えました。

まあ、関係のない話ですが、僕のこのつたないブログも、かつて勤めていたところの人たちが読んでくれています。

「のんブログを読んでいますよ。…お元気そうですね~」
と、言っていただいたりして。
うれしいですねぇ。
病気のことを書いたら 「大丈夫ですか?」 と心配していただいて。
ありがたいことですねぇ。

携帯メールにも、コメントをいただいています。

で、やっぱり、このブログは最低 3 日に1度は更新したいと思っています。おひとりでも、このブログを読んでいただいている方…がおられるとしたら、僕は嬉しいです~。

さて…。

由美かおる。

ホントに綺麗な人ですね~。

59歳だって。

僕とほとんど変わらない歳なんだよね。

顔が、なんとも、愛くるしい。

あまりにも美人。チューしたい~っていう感じです(あはは~。本気)。

30年以上前、「西野バレー団」でデビューしたときからのファンです。
金井克子や奈美悦子より、ず~っと、よかったもんね。

このたび、「水戸黄門」を、12日から始まる第41部(全12回)の出演を最後に、引退するということです。う~ん。 あの有名になった入浴シーンとも、お別れですかぁ~。

新聞によると、これまでの入浴場面は200回を超えるそうである。 
う~ん。

「水戸黄門」に初めて出たのが1986年というから、なんと24年間、この時代劇に出ているんだ。すご~い。ケイゾクは、力…じゃん。

いいね由美ちゃん。

かげろうお銀とか… 疾風(はやて)のお娟(えん)とか…

僕たちも、こんなふうに、格好よく生きたいですね~。

由美かおるのファンのおじさんたちは、自分の娘に「由美」な~んて名前をつけたことも、あったようです。

まあ付け加えるとしたら、由美かおるは、ただ「水戸黄門」でお風呂に入っているだけの人ではなかったと思います。素晴らしい女優さんですよね。何歳になっても美人、というのが、いいよね~。





 


 

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オリンピックと樅の木

2010年02月22日 | 映画の話やTVの話など

つい先ほど。早朝…というより、真夜中に近い時間から、カーリング女子、日本対ロシア戦を見た。

一時は6対0と大量リードされた日本だったが、驚異的な粘りをみせ、ロシアのミスも誘って6対6の同点に追いついた後、一進一退の攻防で9対9となり、延長戦にもつれこんだ。不整脈の持病を持つ僕にとって、こんな心臓に悪い試合はないわけで…。

その延長の一戦。
後攻めで有利なはずな日本だったが、ミスショットもあって、ロシアの方が流れの中で優位に立った。そして、最後から2番目に、ロシアに決定的なチャンスが訪れた。解説者も「う~ん、ここを決められると、最後を待たずしてロシアの勝ちが濃厚ですね」と苦渋のひと言。

しかし、…ロシアの一投は、わずかに狙いを外した。
「ニッポン、命拾いをしました~!」とアナが叫びながら、
「しかし、まだ予断を許しません」と付け加えた。

そして日本の最後の一投。ドキドキ。
むずかしい局面だったが、日本の石が見事に相手の石をはじき出した。
「おぉっ! やったぁ」
一人で、テレビに向かって拍手をした。

これで日本は3勝2敗。
だが、目標の6勝まで、あと3勝1敗で乗り切らなければならない。
まだまだ嶮しい道のりが待っている。
今から5、6時間後の正午から、今度は日本対ドイツ戦がある。
しかし僕は今日は1日中外出なので、テレビ観戦ができない。ざんねん。
でも、こういう心臓に悪い試合を見るのは、1日に1回だけでいいのかも。

   ……………………………………………………………………………

話はコロッと変わるが、一昨日の土曜日の夜、TVで「樅の木は残った」が放映された。田村正和主演の時代劇ドラマである。

    http://www.tv-asahi.co.jp/mominoki/

言うまでもなく、山本周五郎の、仙台の伊達藩を取り巻く有名な長編小説をドラマ化したものだが、3、4年前、仙台在住のじゃいさんに、小説の主人公・原田甲斐の居城であった船岡城跡の公園にある樅の木に案内していただいたことがある。むろん、小説の主な舞台もこの場所だ。
その数ヶ月前に、僕はこの小説を、病床の中で読んでいた。
そんなことがあって、「樅の木は残った」には思い入れが強い。

今からちょうど40年前、この作品はNHK大河ドラマとして放映された。

主人公が平幹二朗で、相手役に、吉永小百合が出ていた。
なにしろ40年も前のことだから、ドラマは見ていたはずだけど、あまりよく覚えていなかった。船岡城跡に
案内していただいたあと、ぜひこの大河ドラマをもう一度見たい…と思い、「ひょっとして」と、レンタルビデオ店で探したら、なんと「NHK・樅の木は残った・総集編」というのが出ていた。
大喜びしてレンタルしたことは言うまでもない。
ダイジェストではあったが、期待どおり、重厚で素晴らしいドラマだった。

それに比べて、今回の「樅の木は残った」はどうだったか。

昨晩、録画していたそのドラマを見た。
実は一昨日の放映当日、チラッと一部分を見たのだけれど、あまりいい印象はなかった。このドラマに造詣の深いじゃいさんも、メールで「がっかり」と送ってこられた。

しかしまあ、せっかく録画をしたのだからと思い、昨日「期待はずれ」を承知の上でそのドラマを見たわけだけれど、案の定「がっかり」であった。

まず、主人公の田村正和の声がずいぶん衰えてきたのに驚いた。あまりにしゃがれた声なので、何を言っているのかわからない場面も多かった。
他の配役陣も、役どころにふさわしくないのが目立った。

それと、大河ドラマで1年かけて放映されたような題材をわずか2時間やそこらの時間で集約するのは、やはり無理がある。最大のヤマ場であるラストシーンは大変な修羅場なのに、登場人物の長々とした説明っぽいセリフが雰囲気をブチ壊し、最後まで不満の残る結果で終わってしまった。

まあ、ラストシーンは、主人公の言動に対して説明をする人物がいなければ、初めて見る人にはここに至ったストーリーがわかりにくいのだろうけれど、それにしても、あの終わり方は安易に走り過ぎた感じがする。

というようなことで、このドラマそのものより、あの絶妙な「古畑仁三郎」の田村正和サマも、声がかすれ、「老い」を感じさせたのが寂しい。

それともうひとつ、強く感じたことは、かつて吉永小百合が演じた役を、井上真央が演じたけれど、それがもう、まるで現代風の若い女の子そのままで、風情も何もない演技だったこと…であった。

もっとも、井上真央ってどんな女優か、これを見るまでよく知らなかった。

真央…といえば、浅田真央を思い浮かべてしまうのである。

あぁ、やっぱり、話はバンクーバー五輪に戻ってしまうのか。

 

 

 

 

 

 

 

 

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1969年のドラマとSMAP×SMAP

2009年11月17日 | 映画の話やTVの話など

昨日の夜9時過ぎのことである。
新聞のテレビ番組欄を見ていると、「1969年…」という文字が目に入った。
JNN50周年記念と銘打ったスペシャル2時間ドラマであった。

目を凝らしてその題名を読んでみると、
「父よ、あなたはえらかった ~1969年のオヤジと僕」
そういう題名だった。

ふむ…。 1969年と聞くと、自分が20歳の頃で、大学3年生の時だ。

「♪ あぁ~青春の胸の血は 夢ひとすじに…」 燃えていた頃である。
(僕の好きだった舟木一夫の歌のセリフです。 おわかり…?)

普段、あまりドラマは見ない僕であるが、気になるので、テレビをつけた。

ドラマはすでに始まっていた。 
主演の西田敏行が、飲み屋で気炎をあげているシーンだった。

団塊世代、…僕らと同じ世代の主人公が、会社にリストラされそうになっている。
それに抵抗し、同じくリストラされかけている仲間たちに激を飛ばしているのだ。

そんな主人公に、20歳代の息子 (加藤成亮) がいる。
息子は就職もせず、漫画家を夢見て、家に引きこもりがちだった。

ある夜、主人公は、言うことを聞かぬ息子をなじり、「出て行け!」 と叫ぶ。
「あぁ、出て行くさ!」 と、息子は、さっさと家を出て行く。 
「おまえ、二度と返ってくるなよ!」 と追い討ちをかける主人公。
「あなた、言い過ぎよ」 と夫を責める妻 (泉ピン子) であった。

その息子が、ビルの屋上から転落して、過去へタイムスリップする。

…という筋書きで、ここからが、1969年の世界が描かれるのである。


40年前の1969年にタイムスリップした息子が、その時大学生だった父親…
つまり主人公の西田敏行の若い頃の下宿に、突然迷い込んで来たのだった。

息子は、その大学生の学校と名前を聞き、さらに顔を見て驚く。
自分の父親の名前だった。 大学も同じ。
何より、その顔は、まぎれもなく若い頃の父親の顔であった。

「げっ、オヤジだ」 と、心の中でびっくり仰天する息子。
「オヤジの学生の頃って、こんなだったの…?」 まじまじとその顔を覗き見る。
なかなか、面白いシーンである。

オヤジは、むろんこの若い男が自分の未来の息子とも知らず、下宿に泊めてやる。
そこへ、家主の娘である若い女性 (相武紗季) がやってくる。
彼女の名前を耳にして、息子はまたまた驚く。
このキュートな女の子が、未来の自分の母親になる女性だった。

(しかしなぁ、相武紗季の40年後が泉ピン子…とは。 それはないやろ)

…とまあ、そんな感じで物語は進んでいくのだが。

あれぇ…? 

どことなく、むかし見た映画と似ているなぁ、と思い当たった。 

「バック・トゥー・ザ・フューチャー」である。
主人公が、過去へ飛んで、自分の両親の若い頃に出会うあのお話と、似ていた。

いくつか映画のパクリと思われるシーンもあったなぁ。

それはまぁいいけれど。

とにかくドラマは、そんなことで、時代が途中から1969年になるのである。
 
40年前の、あの苛烈だった学園紛争が物語の中心になっていたのだが、
ドラマの各シーンには、あちらこちらで 「1969年」 が散りばめられていた。

学生の部屋には黛ジュン (よかたなぁ、ジュンちゃん
) の水着写真が貼られ、
映画館には藤純子と高倉健の 「緋牡丹博徒」 の看板がかかり、
BGMに、♪オラは死んじまっただ~ の 「帰って来たヨッパライ」 が流れ、
パーティの席では誰かが 「フランシーヌの場合」 を歌うシーンが出てきたりした。
(僕は 「フランシーヌの場合」 を聴くと、今でも涙ぐむのだ。 グスン)

う~ん、なつかしい。 なつかし~。 グスン グスン。

そして息子は、両親の青春の日々に接しながら、徐々に共感を覚える…
という具合に、物語は温かく進展していく。

一人でテレビを見ている途中、用事を済ませた妻が部屋に戻ってきて、
「珍しいね」 と、
僕がいつになく熱心にドラマに見入っているのを不思議がった。

「このドラマは40年前の話やで。 なつかしいネェ」

僕は、ここまでのストーリーを妻に説明した。

 (ここから、話題が急に変わります)

そこでふと、10時からの 「SMAP×SMAP」 のことを思い出した。
妻は、昔からブラッド・ピットの大ファンである。
そのブラッド・ピットが、今夜の 「SMAP×SMAP」 にゲスト出演する…。
妻が昼に、そういうようなことを言っていたことに、いま気がついたのだ。

時計が10時をかなり回っているのを見て、僕は妻に、
「スマスマ 見る?」 と聞いたら、 「うん」 とうなずいたので、
僕はチャンネルを そのドラマから 「スマスマ」 に変えた。
(ということで、ドラマは中抜き。 最後のシーンだけまた見た。 なんのことやら…)

さて 「スマスマ」 では中居君がスタジオでブラピーに質問しているところだった。

中居君が 「日本で一番好きなものといえば、何ですか?」 
と聞くと、ブラピーは、ひとこと、
「トトロ !」
と答えた。

さらに…

中居君  「日本には何回ぐらい来ているのですか?」 
ブラピー 「数えられないほど、何回も来ているよ」 
中居君  「日本で、どこが一番好きですか?」 
ブラピー 「東京だね。いい街だ」 
中居君  「東京のどういうところが好きですか?」 

それに対して、ブラピーの答えは…
「東京しか知らないんだ」

おいおい。 どこまでほんまやねん。


大阪もこのごろ急に寒くなりましたが…
この、のんブログも、メチャメチャ さむ~い。   

 

 

 

 

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ダイアン・レインとリチャード・ギア

2009年06月30日 | 映画の話やTVの話など

今日も映画の話題ですが…

先日、映画女優に関する話で、yukariさんからいただいたコメントに、
「私の時代ならジェニファー・ビールスとかダイアン・レインとかソフィー・マルソーにブルック・シールズ???。どれもみな、今は見かけないですね」
と書かれてあった。
僕も、そうですね~、そういえば最近はみんな見かけませんねぇ、と書いた。

ところが…である。
昨日、あの怖~い映画「1408号室」といっしょに借りてきたもう1枚のDVDを見た。リチャード・ギア主演の「最後の初恋」という映画である。これも妻が借りてきた作品である。

何気なく見始めていると、最初に画面に出てきたのはリチャード・ギアではなく中年の女性であった。チラッと見た瞬間、あれぇ…?と思った。
その女性は、ダイアン・レインであった。
ついこの間、「見かけませんねぇ」と言い合っていたダイアン・レインが…

    ………………………………………………………………

何の予備知識もなしに見た映画だけれど、「最後の初恋」という題名を見ただけで、誰でもこれがラブストーリーであることがわかる。おまけに主演が、この種の映画では「大御所」であるリチャード・ギアだ。

リチャード・ギアといえば、ジュリア・ロバーツとの「プリティ・ウーマン」があまりにも有名だけれど、僕は、ウィノナ・ライダーと共演した「オータム・イン・ニューヨーク」が一番好きだ。

プレイボーイのリチャード・ギアが、遊びのつもりで若い美女(ウィノナ・ライダー)に迫る。そして、
「僕は1年以上女性を愛したことはないんだ」
と気障なセリフを吐く。
その言葉を聞いて、彼女はこう言う。
「ちょうどよかったわ。私の命はあと1年もないから…」
彼女は不治の病魔に侵されていたのだ。
リチャード・ギアが、そこから本気で彼女を愛し始める…という映画である。
ラストはとても悲しい。今も心に残る1作である。よかったなぁ。

http://www.dmm.com/rental/-/detail/=/cid=n_610pda923/


さて、この「最後の初恋」という題名は、いろんなことを連想させるけれど、なんとなく俗な題名のような気もする。…というか、原題をそのまま出すことが多くなった最近の洋画界だが、たしかに気の利いた邦題を考え出すのは至難の技であろう。題名だけで「つまらなそ~」と思う映画だってあるものね。

この映画の原題は「Nights in Lodanthe」つまり「ローダンテの夜」だ。
原題を直訳すると余計に意味がわからなくなるので、まあ、「最後の初恋」としたほうが、お客さんもどんな映画か見当がついて入りやすいでのしょうね。

サウスキャロライナ洲の小さな町、ローダンテでの出来事である。

そこで、リチャード・ギアとダイアン・レインが出会う。
そして…

これぞ大人の恋愛映画、いよっ、待ってました!

予告編やストーリなどは、こちらでどうぞ。

http://wwws.warnerbros.co.jp/nightsinrodanthe/


それにしても、ダイアン・レインが魅力あふれる演技を見せてくれた。

2人の子どもたちを心から愛する母親としての顔。
夫に裏切られ、家を出て行かれた妻としての哀しみと苦悶。
その夫から「許してくれ、家に戻りたい」と詫びられた時の女としての怒り。
徐々にリチャード・ギアに引かれていく「恋する女」としての可憐さ。

そんなダイアン・レインを見ていると、若くて美しい女優も結構だけれど、この映画の彼女のように、人生に疲れた翳りの表情と、気丈さ、可愛さ、我慢強さのような、さまざまな感情を入り乱した「年齢相当の美しさ」と表情の豊かさにコロリとまいってしまう僕なのである。

ダイアンレインは44歳。今をときめく「アラフォー」の世代だ。

30年ほど前に、「リトル・ロマンス」という映画があった。
妻の甥っ子が小学生か中学生の時にこの映画を見て、
「あれから、ボクの人生が変わりましたわ」と今でも感慨深そうに言っているけれど、この映画が、ダイアン・レインのデビュー作だったんですね~。
あの時、彼女はまだ14歳だったんだ。

そして、リチャードギアは僕と同じ1949(昭和24)年生まれです。
今年の誕生日が来て60歳、ということになります。

この年代はアラカン、だと、元職場の女の子が言っていた。
「なんやねん? アラカンて…。鞍馬天狗の嵐寛寿郎か…?」
「違いますよ。アラウンド還暦。略してアラカンですわ」

で、アラカンはどういう世代なんだ、という肝心の話の内容は忘れてしまったけれど、まぁ
、ナンとでも呼びなはれ。

僕らは、アラカンゆうたら、チャンバラの嵐寛寿郎しか思い浮かばんわ。

このごろはテレビ界は完全に若者中心だから、つまらないおふざけ半分の恋愛ドラマしか見られないという、劣悪なTV環境の中に僕たちは置かれている。
で、たまにはこういう「大人の恋愛映画」のDVDなんかを借りてきて、心を洗ってみることも必要だなぁ、としみじみ思う。

僕自身の問題として言えば、耳鳴りのせいで安定しない情緒も、こういう映画を見ているときは、とても心地良い時間が流れていくのである。

映画は、極めて上質の心の薬だと思う。

最近、安定剤のデパスの服用数に迫るくらいの数の映画を見ているので、ブログもついつい、映画の話ばかりになってしまいます。


では、そのほかに最近見た極上の「心の薬DVD」お勧め作品を2つほど…


「最高の人生の見つけ方」

http://wwws.warnerbros.co.jp/bucketlist/

ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンの共演…
というだけで、面白くないはずのない映画。
結果は、思った以上、さらに楽しく、笑わせてくれました。


「ステップフォード・ワイフ」

http://info.movies.yahoo.co.jp/detail?ty=mv&id=319890

ニコール・キッドマンがいいですね。いつまでも美しい。
相手役のマシュー・ブロデリックのほか、ベット・ミドラー、グレン・クローズ、クリストファー・ウォーケンらのベテラン俳優たちが、どこまでウソか現実かわからない楽しいストーリーを演じていきます。
特にグレン・クローズといえば、マイケル・ダグラスとの「危険な情事」の、怖~い女性の役を思い出しますが、今回もものすごい迫力でした。
特に女性にお勧めの一作です。


それでは、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

 

 

 


 

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