めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

大雨を呼ぶ巨大台風

2014-07-09 15:08:28 | 自然災害

梅雨前線を共なった巨大な台風が九州に近づいています。
明日明後日にも上陸の可能性が有り、しかも沖縄のように
記録的な大雨も予想されています。

鹿児島は妻の実家があり、私が学生時代を過ごした地でもあります。

県の多くを国立公園としている観光地でもあり、春夏秋冬、錦江湾に
浮かぶ桜島に心を奪われます。

私が、学生の頃、同じよう気象条件で大雨い見舞われ、甚大なる被害に

自然の驚異を感じました。
中でも、同じ学生が住んでいたアパートが地滑りに合い、何人もの学生が
命を落としました。彼らの中には私の知り合いもいて、住んでいる所から
歩いて数分の現場は、前日とは全くの異なった風景に愕然としました。

ちょうど地滑りのあった時間に、けたたましく鳴るサイレンに驚いて外にでると

土砂降りの雨の中を多くの人が山の方に走って行きます。
現場近くに行くと、そこは近づく事も出来ません。
巨大なたっぷりと水を含んだ土砂の山に、蟻のように人が取りついています。
確か、あの下はアパートがあったはずと思っても、その変わり果てた現場は
どこか違う土地のように思える程です。

鹿児島は、火山から噴出したシラス台地によって形成されています。

火山灰と言っても砂の粒のようなもので、水はけは良く、少しぐらいの雨では
水は浸透して流れ出てしまいます。
その為、崖の形はようかんを切ったように数十メートルの断崖になっていて
真下にまで住宅が迫っています。

シラスの土壌でない他県では考えられない構造ですが、昔から滅多に

崩れる事は無く、コンクリートの様な巨大な白壁は鹿児島独特の風景とも言えます。

とは言うものの、記録的な大雨には対処できず、一度崩れると、それは

砂山に水をかけたような状態でアッと言う間に原型が無くなります。
膨大な水を含んだシラスに潰された二階建てのアパートは、
まるでコンプレッサーに潰されたように原型が全く有りません。
残念ながら搬出された学生も家族や知り合いですら判別できない状態でした。

あの惨劇から40年程なります。その間いくつかの災害は有りましたが

それ程の被害は出てはいません。
今回の台風はあまりにも雨量が多く、沖縄で降ったような雨に見舞われたら
またあの悪夢が再現されないか非常に心配です。

災害列島の日本は、様々な天災に見舞われてきました。

それでも人々はこの大地を愛し、長い歴史を築いてきました。
どうか、今回も被害が少ない事を心から願いたいものです。