ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年11月10日。ウクライナ侵攻から261日目

2022-11-10 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年11月10日。
 ミンスクは夕方から雨です。
 
 ベラルーシ大統領選挙後、反政府派のアイコンとなったニーナ・バギンスカヤさんですが、現在所有しているダーチャ(セカンドハウス)を政府当局が没収し、競売にかけられることになりました。バギンスカヤさんの家族は競売に参加しないよう呼び掛けています。逆にバギンスカヤさんの支援者が競り落として、後でバギンスカヤさんに返すということもできるとは思いますが、難しいですね。
 それにしても人の家を政府当局が没収とはどういうことなのかと思われる日本人もいるでしょうが、おそらくバギンスカヤさんは反政府運動をしたことについて罰金刑を課せられているが、支払い能力がないので、財産を差し押さえられ、それを政府が競売にかけて、罰金を払ったことにしようとしているのだと思います。


 ロシアで日本の中古車の輸入が急増しています。国内の自動車生産が低迷しているとか(前年比96.7%減)、半導体を手に入れようとしているとか(その半導体を兵器に再利用するのが目的)言われていますが、極東沿海地方知事自らが、寄付した日本車の前でウクライナの前線で使うための車の寄付をSNSを通じて呼び掛けていることが明らかになりました。
 同知事は「これらの車両はピックアップトラックと同じでシリア内戦でその実力を証明しています。(寄付してくれれば)列車で最前線に送ります。」と話しています。
 ウラジオストクで日本からの中古車を扱う業者は普段は売り上げが多いセダンなどではなく、最近は悪路などに強い車の売り上げが伸びているとしています。
 日本の対ロシア制裁では600万円を下回る乗用車は輸入禁止の対象になっていないため制裁以降、日本からロシアへの中古車輸出が急増しているということです。日本が対ロシア経済制裁を行っていても、このような抜け道があるのでは制裁の意味がないです。
 ロシアでは今年8月には輸入中古車の76%を日本からの輸入が占め、第1位。
 第2位はベラルーシで、全体に占めるシェアはたったの5.3%です。
 ロシアのメディアは「日本の自動車業界は『特別軍事作戦』を支援している」と報じていますが、こんなところでロシアの都合よく日本がロシアを支援しているイメージを流されるのは困りますね。
 まあ、ウクライナの人たちが、ロシアの国営メディアの言うことをすんなり信じるとも思えませんが、


 マツダは今日、ロシアでの生産事業から撤退すると発表しました。ウラジオストクの製造販売会社の保有株式をすべて合弁先のソラーズ社に1ユーロで売却することを決め、同日までに譲渡契約を締結しました。すでに生産は停止しており、譲渡に伴い、約120億円の特別損失を計上する見通しです。


 ベラルーシの経済が混迷中ですが、ここで我が家の話です。S夫は身体障害者協会の会員なのですが、毎年会員に食料品のプレゼントがもらえます。
 今年はやはり今までで最も量も種類も少なかったです。マカロニ1袋と、粉末ポテト1袋。この粉末ポテトというのは、じゃがいもが粉末状になっていて、温めたお湯とミルクと混ぜて加熱するとあっという間にマッシュポテトができるというインスタント食品です。
 しかし、作ってみたらあまりじゃがいもの味がしなかった・・・。でも工夫すればおいしくなりました。(硬めのマッシュポテトにして丸めてバターで焼いたり、スープのとろみ付けにしたり。)
 今年は2種類しかありませんでしたが、何もないよりずっといいです。ありがとう身体障害者協会のみなさん!
 支援してもらっている食料品は毎年変わって本当にいろいろです。食料品のメーカーから安くて大量に仕入れて会員に配っているのですが、今年は調達が難しかったようです。文句は言いません。ただ、こういう状況を見ると、ベラルーシの経済が今年は苦しくなっているバロメータになっていると思います。
 

 EUは今日、ロシアに一方的に「併合」されたウクライナの一部地域などで発行されたロシアのパスポートについて、承認しない考えを明らかにしました。