ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年11月9日。ウクライナ侵攻から260日目

2022-11-09 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年11月9日。

 ロシア国防相は今日、ウクライナ軍が攻勢を強めている同国南部ヘルソン州を流れるドニプロ川の西岸からのロシア軍の撤退を命じました。
 そのヘルソン州のロシア側行政府の幹部(自称副知事)であるキリル・ストレモウソフ氏が高速道路上での事故で死亡しました。 攻撃を受けての戦死? それとも暗殺? とも噂されますが、事故の詳しい状況は明らかにされていません。
 今日の午後1時10分には、SNS上でヘルソン地域の80,000人の住民の避難について報告していました。その後ゲニチェスク近くの路上で事故にあい、死亡したようです。
 同氏は45歳。2019年には無所属でウクライナ最高議会の議員に立候補し、翌2020年にはヘルソン市長選挙に出馬ましたが、得票率は1.37%にしかすぎませんでした。。ウクライナ社会党のヘルソン支部の議長を務めたことがあり、2021年にウクライナの政党ジェルジャヴァ(国家)に参加。
 今年2月、ロシアの特別軍事作戦が始まると、親露派としての立場を取り4月末には、ヘルソン州の軍民行政の副議長に就任しました。さらに今年9月にはロシアのパスポートを受け取りました。もうロシア人になっていましたね。
 5人の子どもの父親で妻は現在6人目を妊娠中だそうです。
 
 
 ロシアでは、学校で初等軍事訓練の授業を復活させるべきだとの意見が出ています。
 ベラルーシはずっと軍事教練を学校で行っていますが、ロシアの教育現場では完全に廃止されていたんですか?
 ベラルーシは高校生だけが対象でしたが、去年から中学生も対象になりました。ただ、日本人が想像する内容の軍事教練は男子が中心で、女子は救急処置の方法などを学んでいます。成績もつけられます。
 ちなみにベラルーシの学校では核兵器で攻撃されたときのことを想定した避難訓練をしています。日本と違って地震の避難訓練はしていません。地震が起きないからです。

 アメリカの国連大使は、ロシアの侵略が続くウクライナを訪問し、同国に対して2500万ドル(約36億円)の越冬支援を実施すると表明しました。シェルターや水などの支援に充てるそうです。
 電力や暖房の供給を外国からの支援は難しいかもしれませんが、お願いします。
 意外とベラルーシ大統領が、ぽろっと「ウクライナで電力不足? ベラルーシから電気をウクライナの同胞に送ってあげよう。」と言い出す可能性がありますね。ウクライナ政府がどう反応するかは分かりませんが。
 ロシアがウクライナのインフラを攻撃。ウクライナで電力不足・停電。とても困る。そこへベラルーシが電気を送ると申し出る。実は電気を売りつける。背に腹はかえられぬとウクライナが購入を決意。そのお金はどこから? アメリカからの支援から出すか・・・という流れもありえると思うんですよ。そして得たお金で、ベラルーシは経済にテコ入れするかもしれないし、またそれでロシア軍への影の支援に使うかもしれない。そうするとロシアも助かるわけで、やっぱりウクライナのインフラ施設、攻撃しておいてよかったな、という考えに行き着くかもしれません。いや、支援金が巡り巡ってロシアに行くんだったら、ベラルーシから電力なんか絶対買わない!とウクライナ政府が突っぱねる可能性も大いにあります。


 ロシア軍のヘルソン撤退命令は、実はウクライナ軍をおびき寄せようとしている罠ではないかという見方もあるようです。
 ベラルーシ領内にロシア兵が9000人訓練をしているという情報がありますが、実は10万人だとか、ロシア兵だけではなくチェチェン人部隊も集まっているとかいろいろ情報が飛んでいます。
 ヘルソンに空白地帯を作って、ウクライナ軍を呼び寄せ、その間に北側(ベラルーシ側)から、ロシア兵を投入、近いキーウを狙うというロシア軍の作戦かもしれません。