ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年5月19日。ウクライナ侵攻から85日目

2022-05-19 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年5月19日。
 
 ベラルーシ大統領はロシアから必要な数の短距離弾道ミサイルのインスカンデルとS-400防空システムを購入したことを明らかにしました。
 ニジニ・ノブゴロド州知事との対談で発表するとは・・・国民向けの説明とか発表ではないですね。


 マクドナルドは今日、ロシアでの事業を、フランチャイズ契約を現在結んでいるアレクサンドル・ゴバー氏に売却すると発表しました。ゴバー氏は自身の企業GiDを通じて2015年からマクドナルドとフランチャイズ契約を結んでおり、極東シベリアへのマクドナルド進出に貢献した。シベリアで25店を経営しているそうです。 


 ベラルーシの海産物加工大手サンタ・ブレモルがロシア輸出向けのノルウエー産サーモンの出荷を一部停止するとベラルーシのメディアが報道しています。
 すでに2014年に対ロシア食料・農産品経済制裁のときに、ノルウエーのサーモンをベラルーシが輸入。加工してパッケージに「ベラルーシ産サーモン」というシールを貼ってロシアに輸出していました。ベラルーシが制裁の抜け穴だったのです。しかし海がないベラルーシのサーモンとは?
 今回はベラルーシ経由で輸入できなくなったのでロシア国内でのサーモンの価格が上がる可能性があります。ロシアは海があるので、自力で領内のサーモンを捕るしかないですね。


 今年中にロシアがデフォルトに陥る可能性が90%という指標が出ています。

 
 ベラルーシ大統領は、メルセデスに匹敵するベラルーシ製の高性能自動車を国内で製造すると述べました。実現すれば、わざわざ外国から自動車を輸入しなくてもいい、という発想です。


 昨日流れた報道「ベラルーシで、ジョージ・オーウェルの『1984』が禁書扱いになる。」というのは、フェイクニュースです、とベラルーシ政府当局が発表しました。


 アゾフスタリ製鉄所から1730人が投降したとロシア軍が発表しています。
 ただアゾフ連隊の司令官はまだ製鉄所内に立てこもっているという情報もあります。
 一方でアゾフ連隊の副司令官が遅れて投降したというニュースが報道されました。


 アゾフスタリ製鉄所への攻撃により、高濃度の硫化水素を何万トンも保管していた建物が崩壊した可能性が高いとマリウポリ市議会が警告しています。硫化水素が海に流出し、海水が緑色に染まっています。硫化水素がアゾフ海に流出すると植物や動物がすべて死滅する危険があります。黒海や地中海にも到達する可能性があるそうです。
 環境にも悪影響を及ぼす戦争・・・。
 この硫化水素、流れるのを止める方法はないのでしょうか。


 5月9日の戦勝記念日のパレードで、ロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長が姿を見せなかったことで、失脚させられたのでは?という憶測が流れましたが、足を負傷して、正常に歩けないため、国民の前に出らなかっただけではないでしょうか。
 と思っていたら、イギリス国防省が19日に発表した分析によると、ハルキウ制圧に失敗したロシア軍の第一親衛戦車軍の司令官が解任され、黒海艦隊の旗艦であるミサイル巡洋艦「モスクワ」が4月に沈没した後も艦隊の司令官も解任された可能性が高いとしています。
 ロシア軍上層部はどうなっているのか・・・

 
 16日に生放送されたロシアの国営テレビのトーク番組でホダリョノク退役大佐が・・・
ウクライナ軍の善戦によってロシア軍が苦境に陥っている。ロシア人は現実を見るべきだ。ウクライナ兵の敵前逃亡や士気の低さに関するロシア国営メディアの報道については、事実に即していない。ウクライナ軍は百万人を武装させることが可能。欧米からの軍事支援を受けたウクライナ軍が最後の一人まで戦うだろう。ロシアは孤立化している・・・
と述べたのですが、その二日後、ホダリョノク氏はウクライナ軍が反撃に転じることが可能だとの見方は「大きな誇張」だと発言しました。
 警鐘を鳴らしたばかりの軍事専門家が、またロシア国営テレビで「ウクライナが反撃能力を獲得していると言う人がいるが、それは大きな誇張だ」と発言しました。
 「ウクライナが反撃能力を獲得していると言う人がいる」って、それ、あなたのことではないですか?
 さらにホダリョノク氏は、「我が国の最高司令部の行動に関して言えば、こうした計画の実行が非常に近い将来、ウクライナに不快な驚きを与えると考える十分な理由がある」「ウクライナ軍が今後数カ月の間に制空権を獲得することは不可能」「我々の黒海艦隊が黒海にいる限り、ウクライナの黒海艦隊が制海権を握ることはあり得ない」と述べました。
 ・・・どうしちゃったんでしょう? 実は認知症なのか、16日の発言を撤回しろと上層部から圧力かけられたのか、今なら失敗挽回できるから、もう一回国営テレビに出ろ、と強制させられたのか・・・
 しかし、ともかく16日の生中継の番組出演時の発言内容が、非常にロシア人にとってインパクトがあり、影響が大きかったということの証拠ではないでしょうか。


 ベラルーシ国内で複数の民間の医療センターが閉鎖されました。国家管理局によると、これらの医療センターでは、条件を満たしていない手術室であることが判明、患者にとって不必要な検査を受けさせ、診療代を上乗せしていたなどの不備があり、医療センターとしての資格を剥奪したそうです。
 それと関係があるのか分かりませんが、今月30日で民間医療センターで行っていた有料のPCR検査も終了するよう指示が出ました。これはおそらくコロナウイルス感染者数の発表が月に1回になったことが影響しているようです。一方で、これらの民間医療センターは、2020年の大統領選挙のときの反政府活動で負傷したデモ参加者や反政府活動家を治療していたため、今回資格剥奪されたという噂も飛んでいます。真偽の程は不明です。