ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2021年6月1日。今日もまた

2021-06-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 2021年6月1日。

 裁判所で自殺未遂事件が起こりました。41歳の会社社長をしていた男性、ラティポフ氏が反政府活動をしていたことで昨年9月に治安部隊に拘束され、政治思想犯として収監されていましたが、裁判が始まりました。

 その裁判中、法廷内で持っていたペンで自分の首を突き刺し、意識不明になりました。すぐに病院に搬送され、緊急手術を受けました。数時間後には意識も回復し、容態が安定したと病院と保健省が発表しました。

 ラティポフ氏はミンスク市の団地内にある通称「変革広場」の壁に描かれていたペイントアートを政府当局の担当者が消そうとしていたので、それを止めようとしたところ、治安部隊に拘束されました。公務執行妨害の罪と言っていいでしょう。

 その後反政府のソーシャルメディアを立ち上げていたとされ、社会騒動を起こそうとした罪で起訴されました。同氏は全ての罪状を否認しています。

 今日の法廷には、父親が証言台に呼び出されていました。その直前、ラティポフ氏は、父親に向かって、「罪を認めなければ肉体的な罰を与えられると法的機関から脅されている。また、家族や親戚や隣人なども刑事起訴すると警察で脅されている。」と(裁判長からすると勝手に)発言し、その後、ペンで自分の首を刺しました。

 法廷内は悲鳴が上がり、傍聴席からスマホで撮影していた人が動画をYouTubeにメディア経由で上げています。

 さらには、9月に拘束されたときのようすも近所の人が動画撮影しており、変革広場のペイントアートの前で数名のペイントアートが消されるのを止めようとしたと思われる人たちといっしょに、治安部隊に囲まれ、その壁を背に両手を頭の後ろに組んで、一列に並ばされていたようすが分かります。

  その後治安部隊は、護送車に乗せたのですが、反抗した女性などは、大勢に体を引きずられるように、文字通り物のように護送車に放り込まれています。上記ラティポフ氏の発言の中の「隣人なども刑事起訴する」と脅されている・・・の隣人というのは、このとき同時に逮捕された人のことや、拘束のようすをスマホで撮影していたご近所さんのことだと思います。

 だからラティポフ氏は自分の罪を認めなかったし、父親にも(自分を含め)いっしょに逮捕された人にとって不利になる発言をしてほしくなかったのでしょう。そんな罪を認めますといった発言をうっかりしないように(できないように)自分の喉を傷つけたのかもしれません。胸を刺すとかではなく。

 ベラルーシの野党リーダー、 チハノフスカヤ氏はラティポフ氏について「自ら罪を認めなければ家族が迫害されると脅された。これはベラルーシの国家テロ、抑圧、拷問の結果だ。直ちに止めなければならない。」と世界に訴えました。

 

 ベラルーシのフリージャーナリストで、ドイツの国外向け公共放送ドイチェ・ウェレで取材をしていたブラコフ氏が今日、20日ぶりに釈放されました。ブラコフ氏は、反政権活動家の裁判を取材したとして5月12日に逮捕されました。その後、公的機関が許可をしていない催しに参加したとして訴追されました。ブラコフ氏は、拘置所で夜中に何度も起こされて服を脱がされるという、非人間的な扱いや拷問を受けたと法廷で証言しました。 

  

 ベラルーシへの経済制裁が続いています。ベラルーシの国営企業9社に対してアメリカは制裁を発表しました。EUはベラルーシの銀行に対する制裁、また国営企業ベラルーシカリ(カリウム塩を採掘、販売、海外への輸出)への制裁が、ベラルーシ経済(政府)に打撃を与えるだろうと予測しています。


ベラルーシのコロナウイルス感染者39万5075人。死者数2861人

2021-06-01 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報

 2021年6月1日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は395075人になりましあ。1日の新規感染者数は636人です。減ったように見えますが、1日の新規検査数も8068件と少ないです。

 死者数は2861人です。

 386088人が回復しました。

 634万件を超える検査数となりました。

 

 今日はベラルーシはこどもの日です。児童図書館にもたくさん子どもが来館しましたが、誰もマスクをしていません。