電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

平岩弓技『はやぶさ新八御用帳』第4巻「鬼勘の娘」を読む

2006年07月07日 20時44分47秒 | -平岩弓技
講談社文庫で、平岩弓技著『はやぶさ新八御用帳』第4巻、「鬼勘の娘」を読みました。
第1話「箱根七湯」、根岸肥前守に奉公するようになって、お鯉さんはずいぶん落ち着いたようです。行方知れずの武士を探して箱根まで来た新八郎、あやうく遭難しかけます。女難です。
第2話「白い殺人鬼」、お高祖頭巾の女にからむ殺人事件が続き、探索の過程で佐渡金山の役人の不正に絡む因縁が明らかになります。親の仇討ちを果たした二人の行く先には病気と死とが待っているのです。
第3話「御老女様の恋文」、かどわかしにあった町女を、偶然に助けた新八郎のもとに、かつて腕利きの岡っ引だった老人、鬼勘こと鬼の勘兵衛が訪ねて来ます。御老女様の出したファンレターがゆすりの種に使われ、起こった事件でした。御老女様ねぇ。うふふ(^o^)/
第4話が表題作「鬼勘の娘」。いやはや、たいへんなキャラクターの登場です。鬼の勘兵衛の娘で、踊りの師匠の坂東小かんことお初のこと。「どうぞ、お上がり下さいって申し上げても、上がって下さらなかったんですよ。あたしにくどかれると思ったんじゃありませんか。」と言い放つくらいですから、もう相当の勝気さです。そうであれば、麻田藩のトラブルを見過ごせなかったのでしょう。
第5話「お化け女郎」、鬼勘と藤助とが初めて名乗りあい、新八郎の左右の利き腕として活躍することに。ところが、小かんことお初が行方不明になり、盗賊団の根城を急襲して救いだしますが、当人はまったく懲りた様子が見られません。
第6話「金唐革の財布」、金唐革とはこういうものらしいのですが、さしずめお宝鑑定団に出してみてからの方がよかったのかも。私には残念ながら骨董愛好の心理は理解できませんです。
第7話「新堀川慕情」、ようやく郁江さんの登場です。あいかわらずおおらかで、家紋が似ていたために兄貴が襲撃されても全然気がつかない様子。お初の活躍もあり、無事一件落着します。
第8話「さいかち坂上の恋人」、元気過ぎる隠居も老害をまきちらすことがありますが、老女の害もあるもよう。姑にいびり出された嫁は、夫である息子が迎えにいかなければはじまりませんね。ひどすぎる姑には、若夫婦うち揃って家を出るのが一番効き目があるようで。
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