電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

文翔館を見学する

2006年05月21日 21時38分18秒 | 散歩外出ドライブ
五月の晴天に誘われて、お気に入りの散歩スポットである山形県郷土館「文翔館」を訪ねました。ここは大正時代に建てられた旧山形県庁で、ほぼ十年の歳月をかけて丁寧に修復され、無償で一般公開されているものです。山形を訪ねた旅行者は、よく山寺や蔵王を訪れますが、実はこの文翔館を忘れてはいけません。飾り天井を見上げると、精緻で華やかな漆喰細工の見事さ!この漆喰細工を完成したのは、山形県内に住む中堅の左官職人さんたちでした。そして、足掛け十年近い歳月をかけて完成したとき、職人たちは初老の域にさしかかっておりました。父親の仕事に見向きもしなかった息子がこの映画を見て、後を継ぐと言うようになった人もいたとか。

また、廊下のリノリウム材やカーペットの復元も見ものです。県民が歩くのに何を遠慮する必要があるか、という知事の一言で、山辺町で織り上げられる本物のカーペットが惜しげもなく使われ、実際に感触を味わいながらその上を歩くことになります。
この旧県庁復元工事を記録した映画「職人の謳(うた)」(約50分)が、施行した業者の一つ千歳建設によって作られ、1996年度日本産業映画ビデオコンクールで文部大臣賞を受賞しています。私もこの記録映画を文翔館の中で見る機会がありましたが、それはそれは感動的なものでした。

相当の歳月と資金を費やしたこの貴重な記録、現在は文翔館のウェブサイト(*)で、ビデオの一部が公開されており、見ることができます。
(*):重要文化財・旧山形県庁「文翔館」
この中の、「■記録ビデオ WMVファイル」がそれです。おそらく、ADSL以上なら充分に鑑賞できることとと思います。

多くの記録ビデオが制作されますが、著作権の壁に守られて、ただ死蔵されてしまうことが多いように思います。一定の年月のあと無償で公開するという山形県の試みに、見識を感じます。

写真は、ツツジが咲く東側の庭からの景観です。
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