電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

もしタイムマシンで過去に戻れたら~音楽編

2008年12月15日 05時37分46秒 | クラシック音楽
もし、タイムマシンで過去に戻れたら、という想像は、人を楽しませるもののようです。子供の頃には「タイムトンネル」というテレビ番組があり、ハラハラドキドキ楽しんだ記憶がありますし、近年になってからも映画「Back to the future!」シリーズ3作を面白く観ました。タイムマシンで過去に戻る、というのは、歴史的経緯を把握しているという強みがあり、空想をかきたてます。では、自分がタイムマシンで好きな過去に行けるなら何をしてみたいか?

(1) まず、ベートーヴェンに会います。そうして、彼がふだん飲んでいる安ワインと、もう少し質のよいワインを並べてグラスに注ぎ、微量の鉛イオンの検出(*)をして見せます。彼が飲んでいるほうの安ワインに、甘味を出すために鉛が微量添加されていることを示し、それが健康と性格を害していることを示します。

(2) 若い青年シューマンに、その少女と仲良くなるのはやめておけ、と一言。でも、たぶん嫌われるだろうなぁ(^o^;)>poripori
でなければ、有害無益な水銀療法をやめさせる。ただし、梅毒の特効薬サルヴァルサン(*2)が発明されるのはずっと後年なので、タイムマシンで現代に連れてきて、音楽好きの某お医者さんにペニシリン系の有効な治療薬を処方してもらう、ってのはどうだろう(^o^)/

(3) いや、タイムマシンで現代に連れてくるのなら、西海岸で演奏中に倒れる前のガーシュインでしょう。これは一刻も早く、脳外科の某お医者さんに見せる必要があります。そうして、ガーシュインにはヘ調のピアノ協奏曲以上の楽しい傑作を少なくともあと数曲、作曲してもらうのです(^o^)/

ただし、タイムマシンの発明以前に、事情を説得力をもって説明できるほど、私がドイツ語と英語の力があるかどうかが、実は大問題なのでありますが、それはそれ、翻訳コンニャクも持っている、という前提で(^o^)/
皆様なら、どんな計画を立てますか?

(*):ppbレベルの鉛の目視検出に成功~産総研プレスリリースより
(*2):Wikipediaより「サルバルサン」

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9 コメント

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Unknown (よんちゃん)
2008-12-15 08:51:52
こんにちは。
久しぶりにコメントを書かせていただきます。

「タイムマシンで過去に戻れたら」という企画で、医学的な切り込みで記事を書かれるのは、すごく面白いです。
僕は「19●●年、△△という町で」というブログネタを温めていたのですが、先に越されてしまいました(笑)
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Unknown (林 侘助。)
2008-12-15 18:24:42
単身赴任の毎日、ご苦労様です。

ヴォルフもスメタナも梅毒であった由。その病が素晴らしく曲想を掻き立てた、といった説もあって、一概に治ったら・・・ということにも(芸術的に)いかないようです。

BEEやんも先天性の梅毒であった説もありますね。
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よんちゃん さん、 (narkejp)
2008-12-16 05:31:10
コメントありがとうございます。先を越してしまいましたか(^o^)/
タイムマシンと作曲家ネタには、医学的な面がつきもののようですね。ただし、作曲家が健康を回復したら同様に素晴しい作品を量産してくれるかどうか怪しいところが難点ですが(^o^)/
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林 侘助。さん、 (narkejp)
2008-12-16 05:39:44
コメントありがとうございます。作曲家が健康を回復したら同様に優れた作品を量産できたかどうかは疑問、という点には同意いたします(^o^)/
シューマンが水銀療法をしないでペニシリンで治ってしまったら、クララと二人でヴィルトゥオーゾ・デュオとして演奏活動に明け暮れていたのかも。そうしたら、シューベルトの「グレート」も日の目を見ず、ブラームスは酒場でピアノ弾きの日々を送っていたかもしれませんね。するとドヴォルザークも見出されない。これはたいへん困った事態です(^o^)/

ベートーヴェンは、殴打説、先天性梅毒説などもあるようですが、50歳代まで長生きしましたからね~。先天性梅毒なら、そんなに長生きできないのでは。私は、毛髪の分析結果から、鉛中毒説を取ります。記事中のリンク先にも、
>鉛は脳や神経に致命的な損傷を与える有害金属であり、
とありますし。
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Unknown (さちこ)
2008-12-17 22:17:02
こんばんは。
くうう、面白いです~。
タイムマシーンに乗って、私ならどこに行こう。
しかし、切り込み方が興味深いですね。(笑)
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さちこ さん、 (narkejp)
2008-12-18 06:41:08
コメントありがとうございます。シューマンも、特効薬が発見されるまでだいぶありますので、気の毒でした。水銀療法で運動機能障害が発生したので、ピアニストをあきらめて作曲に転じたわけで、何が良かったのかはわかりませんね。タイムマシンで時代を遡ることを想像すると、楽しいものです(^o^)/
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脳外科医 (balaine)
2008-12-19 01:46:21
要するに、今の医学がいかに発達しているかの証明でもあるような、過去の音楽家の病死ですね。
ガーシュインはおそらく脳腫瘍によると思われるてんかん発作を起こしていたらしいのですが、CTもMRIもない時代、脳波すらまだ一般に広まっておらず、旧来の「神経学」だけが頼りの時代で診断が遅すぎたようです。
腫瘍が大きくなりすぎて脳ヘルニア一歩手前のところで、「脳外科の父」と言われるクッシングに手術を依頼したところ、「自分はもう引退の身だから」と後輩のダンディに託しました。この二人は近代脳外科の礎を気づいた偉大な医者なのですが、ダンディが駆けつけた時にはガーシュインは昏睡状態に近く、ダンディが開発した「脳室造影」で脳腫瘍と診断しすぐに手術摘出を試みたものの手術翌日に死亡したと伝わっています。
手術所見からは「悪性腫瘍」であった可能性が高く、神の手を持つと言われるbalaine医師(笑)が執刀したとしてもいのちを助けられたかどうかは疑問です。でもてんかん発作を起こしている時期に診断がつけば、数年の単位でもう少し長生きして頂けたのではないかと思います。昭和12年のことですから。。。
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「気づいた」ではなくて (balaine)
2008-12-19 01:55:43
「築いた」ですね、、、、(^^;;;;
私ならモーツァルトにもう少し長生きしてもらい、せめて「レクイエム」を完成してもらいたかった。いや、出来れば、ベーム式になったフルートを見せて、もっとフルートの曲を書いてもらいたかったですね。
夢想は果てしなく。。。(^^
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balaine さん、 (narkejp)
2008-12-19 07:22:25
コメントありがとうございます。ガーシュインは、西海岸で倒れる直前では助かりませんか。それではもっと前に、現代のCT/MRIなどの装置で診断治療してもらうことにしましょう。やっぱり早期発見、早期治療なのですね。
モーツァルトに「レクイエム」を完成してもらいたかったというのは全く同感です。現代のフルートを見せて、フルートの曲を書いてもらいたいというのは、いかにも庄内の笛吹きbalaineさんらしい希望ですね(^_^)/
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