電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

平岩弓技『はやぶさ新八御用帳』第2巻「江戸の海賊」を読む

2006年06月25日 20時28分17秒 | -平岩弓技
平岩弓技さんの『はやぶさ新八御用帳』シリーズ第2巻、「江戸の海賊」を読みました。第1巻に続き、一冊全部で謎解きをする推理仕立ての中編時代物です。

最初に登場する人物が、町奉行所の本所方同心の高丸龍平、話す内容が緋桜小町ことお小夜の噂話です。深川や本所の橋の袂に奇妙な張り紙があり、船幽霊と称する海賊の探索を始めるところから、物語の幕が開きます。「この頃お江戸に流行るもの/地震、大水、船幽霊/退治したくば飛鳥にござれ/花の下なる平将門」という内容です。
隼新八郎は、高丸龍平とともに飛鳥山に出向き、突然降り出した激しい雨に、茶屋で一休みしていました。突然の落雷でお小夜たちに抱きつかれているときに、一人の武家女の背中に白刃が突き立てられて殺害されます。

せっかくの推理仕立てですので、粗筋は省略しますが、発端となった奇妙な張り紙、結局あれは誰が何の目的で張ったものなのでしょうね。そんなことをして、犯人側にどんなメリットがあったのでしょうか。謀計は秘するが良策、なのではないかと思いますが、必然性がよくわかりません。
それでも、新八郎と新妻の郁江さんが心を通わせるところは、ちょっといい場面です。第1巻のお鯉さんはどうするんだい、と突っ込みたくはなりますが。
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2 コメント

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着々と (きし)
2006-06-28 00:17:39
シリーズを読み進めておいでのご様子。

新八郎は本当につっこみどころの多いお人だと思います。



サクランボの収穫、お疲れ様でした。

サクランボは季節感があって好きな果物です。綺麗ですし。
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新妻の郁江さんは (narkejp)
2006-06-28 20:36:18
兄の親友である新八郎氏に思いを寄せていた妹の郁江さん、思いがかなって嬉しいけれど、よくできた奉公人のお鯉さんと新八郎氏との間柄が気になるし、自分の家事能力は今ひとつだし、というところでしょうか。ときどき落ち込んでしまうのも無理はないかもしれませんね。

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