日曜日の芸術劇場、今週は藤原歌劇団の「ボエーム」でした。砂川涼子さんのミミ。彼女は沖縄県の出身で、音大に入るまで生のオペラに接したことがなかったとか。なかなか可憐なミミでした。岩田達宗さんの演出も、1830年代のフランスではなくて、日本人の青春を演じてくれ、という注文だったそうで、意図は明確に現れていたと思います。
かわいそうなお針子ミミが死んでしまう物語ではなくて、それまで疎外されていたミミがロドルフォらと知り合い、愛し合い、生きはじめた物語、ととらえた演出だそうです。結局はミミの死で終わるわけですが、青春を充分に生きた物語と理解したい、ということでしょうか。
第1幕、カルチェ・ラタンに住むボヘミアンの若者たちの生活群像には、このオペラを見るたびに、思わず「いつか見た光景」のように感じてしまいます(^o^)/
火を借りに来るミミは、同じ建物に住むロドルフォたちの貧しいが楽しそうな気配を、じっと見ていたのでしょう。ロドルフォが一人残ったのを見て、たぶん思い切って訪れたのですね。
第2幕、勝ち誇るムゼッタを見て、ミミが「あの人はマルチェルロを愛しているのね」と理解する場面、表面的な姿の内部にあるものを見抜くミミの洞察力に驚きます。しかし、ムゼッタの奔放な魅力は、わざとらしいコケティッシュな演技もそうですが、プッチーニの音楽の力によるところが大きいですね。
第3幕、貧しさから抜け出せない生活では、ミミの病は重くなるばかり、と悩むロドルフォと、真意を知ったミミの別れの二重唱に、ついホロリ。このあたりは、現代の若者たちにも普遍的な感情かもしれませんし、かつて若かった人には、なおさら心にしみる場面でしょう。
第4幕、死を前にロドルフォらの部屋に戻ったミミは、「この部屋はすてき」といいます。なぜか。貧しい、何もないみすぼらしい部屋が、なぜすてきなのか。たぶん、そこには四人の若者たちの生活があるから、なのでしょう。貧しさが結核を招きよせなかったら、もしかしたらともにありえたかもしれない生活。「外套の歌」が描く友情は、その象徴かもしれません。
○
異動など変化の時期ですが、幸いにもN響アワーは変化なし。池辺晋一郎さんも高橋美鈴アナウンサーも、交代はなさそうです。しかし「芸術劇場」は今週から金曜日の夜に移動するのだとか。森田美由紀アナウンサーも交代する模様。楽しみにしている日頃の習慣にもいろいろと変化の多い四月です。
当地には桜の便りはまだ届いておりません。写真は、先日の送別会で用意した花束。ちょいとムゼッタのイメージで。
かわいそうなお針子ミミが死んでしまう物語ではなくて、それまで疎外されていたミミがロドルフォらと知り合い、愛し合い、生きはじめた物語、ととらえた演出だそうです。結局はミミの死で終わるわけですが、青春を充分に生きた物語と理解したい、ということでしょうか。
第1幕、カルチェ・ラタンに住むボヘミアンの若者たちの生活群像には、このオペラを見るたびに、思わず「いつか見た光景」のように感じてしまいます(^o^)/
火を借りに来るミミは、同じ建物に住むロドルフォたちの貧しいが楽しそうな気配を、じっと見ていたのでしょう。ロドルフォが一人残ったのを見て、たぶん思い切って訪れたのですね。
第2幕、勝ち誇るムゼッタを見て、ミミが「あの人はマルチェルロを愛しているのね」と理解する場面、表面的な姿の内部にあるものを見抜くミミの洞察力に驚きます。しかし、ムゼッタの奔放な魅力は、わざとらしいコケティッシュな演技もそうですが、プッチーニの音楽の力によるところが大きいですね。
第3幕、貧しさから抜け出せない生活では、ミミの病は重くなるばかり、と悩むロドルフォと、真意を知ったミミの別れの二重唱に、ついホロリ。このあたりは、現代の若者たちにも普遍的な感情かもしれませんし、かつて若かった人には、なおさら心にしみる場面でしょう。
第4幕、死を前にロドルフォらの部屋に戻ったミミは、「この部屋はすてき」といいます。なぜか。貧しい、何もないみすぼらしい部屋が、なぜすてきなのか。たぶん、そこには四人の若者たちの生活があるから、なのでしょう。貧しさが結核を招きよせなかったら、もしかしたらともにありえたかもしれない生活。「外套の歌」が描く友情は、その象徴かもしれません。
○
異動など変化の時期ですが、幸いにもN響アワーは変化なし。池辺晋一郎さんも高橋美鈴アナウンサーも、交代はなさそうです。しかし「芸術劇場」は今週から金曜日の夜に移動するのだとか。森田美由紀アナウンサーも交代する模様。楽しみにしている日頃の習慣にもいろいろと変化の多い四月です。
当地には桜の便りはまだ届いておりません。写真は、先日の送別会で用意した花束。ちょいとムゼッタのイメージで。
演奏は、酒田フィルで私も出る予定です。
歌手の方々はまだ決まっていませんが、オケの方の練習は既に始まっております。
なので、私は、音楽之友社の対訳ライブラリーを購入し、この藤原か劇団のも録画し、メトロポリタン歌劇場(指揮レヴァイン)のDVDも購入し、準備をしているところなんです。
時期が来ましたら、あらためて告知させて頂きます。
その時はよろしくお願いします。
NHK芸術劇場が金曜日に移ってしまう件、私は残念でなりません。仕事で間に合わないかもしれず、今からDVDレコーダーを買わねばと思案しているところです。日曜日の楽しみが一つ減ってしまいました。
初めて見たボエームですが、ミミは美しかったし、ロドルフォは溌剌としていたし、とても好印象でした。筋も魅力的でしたね。ちょうど見られなかったのですが、演出家からの指示はなるほどと思いました。こちらに等身大で伝わってくるものがありました(^^
NHKの芸術劇場、私も日曜夜に遅くまで起きていられないので、いつもDVD録画でした。たぶん、金曜に移っても、飲み会などが入ることも多く、同じようにDVD録画を後日楽しむパターンだと思いますね(^_^;)>poripori
ところで、時間がたっぷりある若いうちは、語学を学んで歌詞を理解して、と私も思いましたが、残り時間が限られてくると、大半の作品はなんとか対訳で間に合わせて、ほんとにお気に入りの作品だけは歌詞を覚えたい、とか思ってしまいます(^_^;)>poripori
30年以上前にドイツ語は習いましたが、さらにイタリア語もフランス語もとなると、無理~!ですねぇ。脳味噌がついていけません(^o^)/