電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

健康維持には運動が大切だと言うけれど、どんな運動がいいのか

2024年04月09日 06時00分36秒 | 健康
古希を過ぎて、健康の大切さがしみじみと感じられます。春から秋には農作業で野外活動しますので、ある程度は体を動かしているわけですが、冬場はがたっと動かなくなり、自分でも筋力の低下が感じられることから、この冬は無駄に広い田舎家で室内ウォーキングを取り入れるなどして歩数の確保につとめました。そのせいもあってか、春はまずまずの出だしになっています。

ところで、健康の維持には運動が大切だと言われ、自分でも運動するように意識していますが、ではどんな運動が良いのか。ジョギングが良いのか、散歩=ウォーキングでも良いのか、器具を使った筋トレが良いのか、それとも入念なストレッチなどが適しているのか。自分としては、田舎住まいのため器具を使った筋トレができる施設等は近所にはなく、せいぜい自然の中のウォーキングや室内ウォーキング、あるいはスクワット等の簡易な筋トレなどを取り入れるくらいです。健康維持のためにどんな運動が有効なのか、根拠ある考え方を知りたいと思っていました。

たまたま、「北品川藤クリニック院長のブログ」に「3種類の運動の健康効果比較」という医療トピック記事(*1)があり、興味深く読みました。2023年6月14日付けの BMC Public Health 誌に掲載された論文を基にしたもので、興味深い内容でした。要点を抜き出して見ると、

  • 運動 (1)ジョギングなどの有酸素運動、(2)筋力トレーニング(無酸素運動)、(3)ストレッチング の3種類
  • ストレッチングをまったくしない場合と比較し、週5日以上のストレッチングを行う場合、総死亡リスクは20%低下し、心血管疾患による死亡リスクは25%、有意に低下していた
  • 有酸素運動の場合、週に50エクササイズ(メッツ・時)の有酸素運動を行うと、全く行わない場合と比較し、総死亡リスクは18%低下し、心血管疾患による死亡リスクは45%、有意に低下していた
  • 筋力トレーニングのみを週5日以上行っている場合、全くしない場合と比較して、総死亡リスクは17%低下したものの有意ではなく、心血管疾患による死亡リスクの低下は見られなかった

という結果だったそうです。

これに基づき、筆者は

  • 生命予後に関して見ると、運動の効果は有酸素運動が最も優れていて、それに次いで死亡リスクを下げていたのは筋トレではなくストレッチングであった
  • 筋トレの効果は別にあり、3種類の運動を適時組み合わせることが良い

と結論づけています。

なるほど、たいへん参考になります。

ちなみに、メッツというのは運動強度を表す数値(*2)だそうで、例えば犬の散歩は3.0、ウォーキングは3.5、自転車は4.0、かなり速いウォーキングが5.0、ジョギングが7.0となっています。ですから、週に 50 METs・時ということは、速歩きウォーキング2時間を週5回というレベルになります。農作業というのがどのくらいの運動強度になるのかは不明ですが、少なくとも汗をかくレベルですので平均して3.5はあるのでは。週に4日、1日あたり4時間働いたとすると、4時間/日×3.5×4日=56(METs・時)という運動強度になります。ふーむ、やはり夏場は果樹園や畑で働くことが健康の維持に役立ち、冬場の運動量確保が大切だ、ということで間違いないようです。

(*1): 3種類の運動の健康比較〜「北品川藤クリニック院長のブログ」より
(*2): 運動強度(MRTs)で見る、効果的な身体活動は?〜スポーツ庁WEB広報マガジンより

コメント