電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

映画「グリーンブック」を観る

2019年03月27日 06時01分07秒 | 映画TVドラマ
先の日曜日は、お天気に恵まれず農作業日和ではなかったため、午後から映画館に出かけ、妻と映画を観ました。子どもが「良かった」と言っていた映画「グリーンブック」です。

ニューヨークのナイトクラブで用心棒を務めるイタリア系のトニーは、勤め先を失い、金に困って大食い競争で金を稼いだりしています。そこへ、南部への演奏旅行の運転手の仕事が舞い込みますが、雇い主はカーネギー・ホールの上階に住む貴族的上品さを保つ黒人ピアニスト、ドクター・シャーリーでした。

1960年代初頭、出かけた先々の南部の人種差別は露骨でひどいもので、ピアニストを有名人として紹介されながら、控室は物置のようなところで、レストランでは白人と同席することは許されません。黒人が宿泊可能なホテル等、旅のガイドブック「グリーンブック」をもとに宿を手配するトニーは、自分も「イタリア野郎」と蔑まれたときには、怒りを爆発させます。警官を殴って留置場に入れられたトニーの巻き添えを食らい、一緒に留置されてしまった雇い主が電話で助けを求めた先は、なんとロバート・ケネディ司法長官。そりゃあ、警察はびっくりしたことでしょう(^o^)/

なかなか良かった。同じ1960年代に、NASAで計算手として働いていた黒人女性を描いた映画「ドリーム」(*1)も良かったけれど、今回の音楽家の物語も良かった。それほど遠くない過去から、まがりなりにも人種差別が不当だとされる社会を少しずつ実現してきた背景には、愛や幸福とともに、平等に扱われることを願った先人のこうした苦闘があったからなのでしょう。音楽を演奏するシーンは断片的で、もっとじっくり聴きたいと思ってしまったけれど、笑いの中で励まされ、勇気づけられるような映画でした。

(*1):映画「ドリーム」を観る〜「電網郊外散歩道」2017年11月

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