電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

香月美夜『本好きの下剋上』第四部「貴族院の自称図書委員II」を読む

2018年11月03日 05時16分16秒 | -香月美夜
TOブックスの単行本で、香月美夜著『本好きの下剋上』第四部「貴族院の自称図書委員II」を読みました。中高年世代でありながら、ライトノベルを夢中で読むなんて、と少々気恥ずかしく思いつつ、でも面白いものは面白い(^o^)/

前巻では、初めての貴族院で優秀な成績を示すものの、それ以上に周囲との違いというか、一種の異質さが際立ちます。その最たるものが、図書館の魔術具であるシュヴァルツとヴァイスの復活です。この巻では、司書のソランジュ先生とのお茶会や、音楽の先生とのお茶会で、大領地クラッセンブルグの領主候補生エグランティーヌと、彼女にご執心の第二王子アナスタージウスと交流を持つなど、今までのエーレンフェストではあり得ない事態が次々に起こります。

さらに、二体のうさぎ型魔術具は、主が代わる時には新しい衣装を作る必要があるのだそうで、その採寸の際に、大領地ダンケルフェルガーの領主候補生レスティラウトを中心とする集団に待ち伏せされます。シュヴァルツとヴァイスを奪われては大変と、エーレンフェストとダンケルフェルガーがディッター勝負で決着をつけることになります。ローゼマインの奇策で勝利したのは良いけれど、事情説明のついでにエグランティーヌとアナスタージウス王子との仲を取り持つことになってしまいます。

不用意に王族との関わりを持ち、相続争いに巻き込まれることを恐れる保護者たちによって、帰還命令が発せられてしまいます。エーレンフェストでの尋問会で明らかになったローゼマインの社交の問題点は、貴族として暮らした期間の短さを思えば当然すぎるほど当然のことでした。ローゼマインの仕切りなおしは、さらにパワーアップするだけのような気がしますが、待て!次巻!



面白いです。その他にも多彩なエピソードが盛り込まれていて、貴族院を主な舞台とするこの第四部が全体の中でいちばん面白いと感じるのは、もしかするとこの学園ドラマ風の想定のおかげもあったりして(^o^)/

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