電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ブラームス「セレナード第1番」を聴く

2015年09月19日 06時03分20秒 | -オーケストラ
初秋の郊外路は、黄金色の稲穂が頭を垂れ、山々はまだ色づく前の静けさを保ち、ところどころにピンクのコスモスが風に揺れております。こんなところを走る通勤の音楽には、やはりブラームスの「セレナード第1番」のような曲が似合います。

セレナード第1番 ニ長調Op.11 というこの作品は、Wikipedia(*1)によれば、ブラームス24歳の1857年、デトモルトで着手されたとのこと。最初に書かれたのは現行の第1、第3、第6楽章の3つだけで、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの弦楽器が各一本ずつに、フルート、二本のクラリネット、ファゴット、ホルン、という九重奏の室内楽編成だったとのこと。このオリジナル室内楽版も、いつか生で聴いてみたい(*2)ものですが、その前にやっぱりオーケストラ版でしょう(^o^)/
1857年といえば、前年の夏にR.シューマンが精神病院で死去し、残されたシューマン一家を支えた青年ブラームスの献身の時期にあたります。そのわりには暗さがなく、どちらかといえばのどかな明るさ・伸びやかさに満たされた音楽です。
オーケストラ版は、1860年にハンブルクで完成させたもので、ピアノ協奏曲第1番に続く大規模なオーケストラ作品でした。シューマン一家への献身の時期に区切りをつけ、クララはベルリンへ、ブラームスはウィーンへ移る前の、ハンブルク時代の代表作の一つと言って良いでしょう。まるでドヴォルザークの音楽のような印象さえ受けてしまうほどで、もともとブラームスはこういう響きが好きだったから、後に若いドヴォルザークの音楽に注目することになったのかもしれません。

第1楽章:アレグロ・モルト、ニ長調、2分の2拍子。
第2楽章:スケルツォ、アレグロ・ノン・トロッポ、ニ短調、4分の3拍子。
第3楽章:アダージョ・ノン・トロッポ、変ホ長調、4分の2拍子。
第4楽章:メヌエット、ト長調~ト短調、4分の3拍子。
第5楽章:スケルツォ、アレグロ、ニ長調、4分の3拍子。
第6楽章:ロンド、アレグロ、ニ長調、4分の2拍子。

演奏は、ギュンター・ヴァント指揮ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団で、通勤ドライブのお供に聴くには、たいへん快適なテンポです。なお、このオーケストラはケルン歌劇場の専属オーケストラなのだそうな。良好なステレオ録音です。

(*1):セレナード(ブラームス)~ Wikipedia の記述より
(*2):YouTube にはこの編成の演奏がありました。どうやら、繰り返しも忠実に再現している模様です。
Johannes Brahms Serenade nº 1, in D major, op. 11

なるほど、たしかにブラームス調。これならドヴォルザーク風味とは言わせませんね~(^o^)/

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