近頃の通勤の音楽は、プロコフィエフの「ピアノ協奏曲第2番」です。アシュケナージのピアノ、アンドレ・プレヴィン指揮ロンドン交響楽団の演奏による、プロコフィエフのピアノ協奏曲全集から。
音楽院卒業の頃、1912年末から1913年にかけて作曲され、同年夏に初演されたそうですが、第1番と同様に、第2番もやはりセンセーションを巻き起こしたのだとか。ただし、現在のスコアは、ロシア革命の混乱で失われた原譜ではなく、1923年に記憶に基づき復元改訂したものだそうです。1923年といえば、作曲者は32歳、アメリカからパリに移った遍歴の時代で、最初の妻カロリナ・コディナと結婚した頃です。日本で言えば、関東大震災が起こり、憲兵甘粕正彦大尉が大杉栄らを殺害するなど、世情騒然とした頃。
楽器編成は、Wikipedia によれば、独奏ピアノ、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、大太鼓、シンバル、タンブリン、弦五部だそうです。
第1楽章:アンダンティーノ。低弦のピツィカートに導かれて、独奏ピアノがメランコリックな第1主題を提示します。これに対し、第2主題は、若いプロコフィエフらしいリズミックで活気あるもの。ピアノ独奏によるカデンツァ風の展開部はいかにも力のこもったもので、初演時、オーケストラは呆気に取られて沈黙していたことでしょう。再びオーケストラが入ってくると、曲はメランコリックな冒頭の主題をちらりと示して終わります。添付リーフレットの解説では、ソナタ風の自由な形式とされています。なるほど、です。
第2楽章:スケルツォ、ヴィーヴォ。三部形式による激しいトッカータ風の音楽です。ピアノ・ソロは、呆れるほどに猛烈にエネルギッシュで、オーケストラも対抗するようにひたすら突進。
第3楽章:間奏曲、アレグロ・モデラート。低弦がうなり、猛獣が咆哮しつつ転がるような音楽、とでも言えばよいのか、まあなんともすさまじいエネルギーを持った音楽です。野獣的な楽想にピアノがグリッサンドでお付き合いするかと思うと、童話的な幻想の要素や、回転する踊りの要素もあったり。ここはほんとにプロコフィエフらしいところです。運転しながら、力感あるリズムに思わず体が動きます(^o^)/
第4楽章:終曲、アレグロ・テンペストーソ。冒頭、軽やかに奔放に始まる音楽は、やがてゆっくりしたメランコリックなピアノ・ソロに変わり、オーケストラも同じ主題を歌います。次第に速い速度にもどり、印象的な全休止の後のピアノソロは、徐々に速度と力強さを増していきます。一転して終結部は速く奔放な音楽に戻り、未練を残さずスパッと終わります。中間部での、ゆっくりした民謡風のファンタジーが印象に残る音楽です。
第1番と第3番のピアノ協奏曲にはさまれて、人気の点では一歩ゆずりますが、演奏時間から見れば最も長い時間を要する、プロコフィエフの力作だと言えます。体調おもわしくないときにはちょいと聴くのもつらいものがありますが、春を待つ季節に、粉雪をぬって疾駆するドライブのお伴に、あるいはちらちらと雪が舞う早春の休日にはぴったりの音楽です。
参考までに、演奏データを示します。
■アシュケナージ(Pf)、プレヴィン指揮ロンドン響
I=12'04" II=2'35" III=6'21" IV=11'25" total=32'25"
音楽院卒業の頃、1912年末から1913年にかけて作曲され、同年夏に初演されたそうですが、第1番と同様に、第2番もやはりセンセーションを巻き起こしたのだとか。ただし、現在のスコアは、ロシア革命の混乱で失われた原譜ではなく、1923年に記憶に基づき復元改訂したものだそうです。1923年といえば、作曲者は32歳、アメリカからパリに移った遍歴の時代で、最初の妻カロリナ・コディナと結婚した頃です。日本で言えば、関東大震災が起こり、憲兵甘粕正彦大尉が大杉栄らを殺害するなど、世情騒然とした頃。
楽器編成は、Wikipedia によれば、独奏ピアノ、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、大太鼓、シンバル、タンブリン、弦五部だそうです。
第1楽章:アンダンティーノ。低弦のピツィカートに導かれて、独奏ピアノがメランコリックな第1主題を提示します。これに対し、第2主題は、若いプロコフィエフらしいリズミックで活気あるもの。ピアノ独奏によるカデンツァ風の展開部はいかにも力のこもったもので、初演時、オーケストラは呆気に取られて沈黙していたことでしょう。再びオーケストラが入ってくると、曲はメランコリックな冒頭の主題をちらりと示して終わります。添付リーフレットの解説では、ソナタ風の自由な形式とされています。なるほど、です。
第2楽章:スケルツォ、ヴィーヴォ。三部形式による激しいトッカータ風の音楽です。ピアノ・ソロは、呆れるほどに猛烈にエネルギッシュで、オーケストラも対抗するようにひたすら突進。
第3楽章:間奏曲、アレグロ・モデラート。低弦がうなり、猛獣が咆哮しつつ転がるような音楽、とでも言えばよいのか、まあなんともすさまじいエネルギーを持った音楽です。野獣的な楽想にピアノがグリッサンドでお付き合いするかと思うと、童話的な幻想の要素や、回転する踊りの要素もあったり。ここはほんとにプロコフィエフらしいところです。運転しながら、力感あるリズムに思わず体が動きます(^o^)/
第4楽章:終曲、アレグロ・テンペストーソ。冒頭、軽やかに奔放に始まる音楽は、やがてゆっくりしたメランコリックなピアノ・ソロに変わり、オーケストラも同じ主題を歌います。次第に速い速度にもどり、印象的な全休止の後のピアノソロは、徐々に速度と力強さを増していきます。一転して終結部は速く奔放な音楽に戻り、未練を残さずスパッと終わります。中間部での、ゆっくりした民謡風のファンタジーが印象に残る音楽です。
第1番と第3番のピアノ協奏曲にはさまれて、人気の点では一歩ゆずりますが、演奏時間から見れば最も長い時間を要する、プロコフィエフの力作だと言えます。体調おもわしくないときにはちょいと聴くのもつらいものがありますが、春を待つ季節に、粉雪をぬって疾駆するドライブのお伴に、あるいはちらちらと雪が舞う早春の休日にはぴったりの音楽です。
参考までに、演奏データを示します。
■アシュケナージ(Pf)、プレヴィン指揮ロンドン響
I=12'04" II=2'35" III=6'21" IV=11'25" total=32'25"