電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

今夜、NHK-FMで山形交響楽団第197回定期演奏会が放送!

2009年11月01日 09時21分56秒 | -オーケストラ
何気なしにNHK-FMの番組表をチェックしていたら、「山形交響楽団」の文字が!
19時20分から、「FMシンフォニーコンサート -山形交響楽団 第197回定期演奏会から-」と題して、当日の演奏がまるまる放送されるようです。先にテレビ放送(*1)されておりましたが、このときは全曲ではなくて、スペイン交響曲は第2楽章が、カリンニコフは第2・第3楽章がカットされておりましたので、全曲の放送は嬉しい限り。

 - 山形交響楽団 第197回定期演奏会から -

「なき王女のためのパヴァーヌ」         ラヴェル作曲
                       (7分41秒)
「スペイン交響曲 ニ短調 作品21」        ラロ作曲
                      (38分05秒)
                 (バイオリン)滝  千春
「交響曲 第2番 イ長調」         カリンニコフ作曲
                      (41分53秒)
                   (管弦楽)山形交響楽団
                     (指揮)飯森 範親
  ~山形テルサホールで収録~
                   <2009/5/17>

当日は、当方も山形テルサホールでこの演奏会を聴いておりました(*2)。これは、ぜひとも録音しなければ!大雪で倒れたFMアンテナを修理(*3)しておいてよかった!

(*1):NHK教育「オーケストラの森」で山形交響楽団を聴く
(*2):山形交響楽団第197回定期演奏会を聴く
(*3):再びFM専用アンテナを立てる
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モーツァルト「交響曲第40番」を聴く

2009年11月01日 07時06分35秒 | -オーケストラ
最近の通勤の音楽は、何を思ったか、モーツァルトの交響曲第40番、あのト短調交響曲をずっと聴いております。演奏は、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団、1970年五月に来日時のライブ録音です。

季節は秋、麓まで下りてきた紅葉が見事な郊外路を走る車の中で鳴り響くト短調の交響曲は、なんとも見事の一言。39年前の初夏の夜、NHK-FMに耳を傾けていた若い日々(*1)を思い出します。

添付のリーフレットに記載の、大宮真琴氏の楽曲解説によれば、作曲年代は1788年だそうで、楽器編成は Fl(1), Ob(2), Fg(2), Hrn(2), 弦楽5部、(改訂版ではClを追加)とのこと。

第1楽章、モルト・アレグロ、ト短調、2/2拍子。例の、タララン タララン タラランタンという主題の続きが、タララン・タララン・タラランランであって、タララータララータララーラーではない。このあたりに見られるようなリズム感の切れの良さが、愛聴する要因の一つです。一時代前の濃厚なロマン的演奏とは異なり、リズムのしなやかさは、一流のスポーツ選手の体の動きのようであり、かつ劇的な要素もあって、どこかしらロマン的な香りを感じさせます。

第2楽章、アンダンテ、変ホ長調、6/8拍子。緩徐楽章ではありますが、夢見るように優しく穏やかなものというよりは、繊細で気品をたたえながらも、どこか憂いや不安を秘めた音楽であり、演奏です。弦楽が中心ですが、さりげなく用いられる木管の響きが効果的。

第3楽章、メヌエット:アレグレット、ト短調、3/4拍子。優雅なメヌエットというには異形の、緊張感に満ちた楽章です。弦楽セクションは、高弦と低弦と、異なるリズムを刻む二つのグループが対比され、提示のときのバランスとはだいぶ異なる形で、反復時にはチェロやコントラバス等が強調される、その迫力にどきっとします。いっぽうトリオ部は、木管楽器の見事さがたいへん印象的です。

第4楽章、アレグロ・アッサイ、ト短調、2/2拍子。前楽章から持ち越された緊張感が激しい情熱として噴出する楽章です。鋭い明暗の対比と、速いパッセージでも少しも乱れないアンサンブルが、切れ味鋭いリズムで劇的なクライマックスに向かう様子は、オーケストラ音楽におけるフィナーレの醍醐味の一つでしょう。

当日、NHK-FMでは、セル指揮クリーヴランド管の練習風景も放送していました。このモーツァルトの40番も取り上げており、セルがフレーズを歌いながら練習を繰り返す様子(*2)に、音楽家たちが目指すものの高いレベルに感銘を受けたものでした。
それにひきかえ当方は、通勤の車中でCDを反復して聴いております。少しばかり申し訳なく思いながら、でも内心では、ずっと聴きつづけてきた40年来の音楽愛好家の幸福を、かみしめるのです(^_^)/

参考までに、演奏データを記します。ベーム盤は、晩年テンポが遅くなる前の、60年代の録音。こちらも、いい演奏です。
■ジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団(1970年来日演奏会)
I=8'15" II=8'21" III=4'58" IV=5'09" total=26'43"
■カール・ベーム指揮ベルリンフィル(1961年12月)
I=8'21" II=8'02" III=4'46" IV=5'03" total=26'12"

(*1):セル/クリーヴランド管の来日公演ライブ録音のこと~「電網郊外散歩道」
(*2):どこかのブログで、この練習風景でのセルの指示内容を聞き取り、日本語に訳した記事を見かけた記憶があるのですが、ちょいと探せませんでした。残念(^o^;)>poripori
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