電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

ドヴォルザーク「交響曲第2番」を聴く

2009年01月08日 06時21分48秒 | -オーケストラ
パソコンに音楽CDを取り込むことで変則収録の問題を解決できることで味をしめ、引き続きPCオーディオを試みております。外は雪、来客も電話もかかって来ず、室内でコーヒーを飲みながら音楽を聴くのは、実に心休まるひとときです。
先月までずっと通勤の音楽でくり返し聴いてすっかりおなじみになり、ここ数日また聴いているのは、ラファエル・クーベリック指揮ベルリンフィルによるグラモフォンの紙箱全集から、ドヴォルザークの交響曲第2番、変ロ長調、作品4です。作品番号からは想像できにくい、実に充実した作品です。

この曲は、ドヴォルザークが24歳の1865年には完成していたのだそうですが、1887年に改訂され、1888年にプラハで初演されたとのこと。すると、1884年に作曲された交響曲第7番の後で、1989年の交響曲第8番と前にあたり、ピアノ五重奏曲や弦楽五重奏曲と同じ時期の作品となります。なるほど、それで若い時期の溌剌としたものというよりは、充実した響きが印象的な音楽になっているのですね。思わず納得。交響曲第2番、実は7.5番と呼ぶべきなのかもしれません(^o^)/

Wikipediaによれば、楽器編成は、Fl(2、ただし1人はピッコロ持ち替え), Ob(2), Cl(2), Fg(2), Hrn(4), Tp(2), Tb(3), Timp, 弦楽5部 とのこと。

第1楽章、アレグロ・コン・モト。ひそやかに始まる開始のあと、特徴的な主題が一貫して流れます。ソナタ形式による統一が見事な、それでいて旋律の魅力が横溢する音楽です。
第2楽章、ポコ・アダージョ。24歳の青年ドヴォルザークが、楽団の仕事の合間に音楽教師となった、金属細工商の姉娘への恋心が素材となったのでしょうか。そんなことを思わせる、やや悲しげな表情を持った、たいへん美しい緩徐楽章です。ただし、柔弱なものではなく、途中に激するようなところもあり、単純ではありません。
第3楽章、スケルツォ:アレグロ・コン・ブリオ。同じ主題が伸びやかに登場し、舞曲風に晴れ晴れと歌われます。いつものボヘミア風ドヴォルザークの魅力がいっぱいの音楽です。
第4楽章、フィナーレ:アレグロ・コン・フォーコ。魅力的な旋律があふれ出るように登場します。管弦楽の響きのほうも、金管部隊が活躍しかなりの迫力です。Wikipedia の解説では自由なソナタ形式とされていますが、くり返される旋律が、そのつど力を増していき、力感あふれるフィナーレへ。フィナーレで、ピッコロでしょうか、ピロロロ~と鳴る音が、私の携帯電話の呼び出し音と同じで、つい確かめそうになってしまいます(^o^)/

この曲は、知名度も高いとは言えず、けっして録音に恵まれているともいいがたいのですが、現在は DENON のクレスト1000シリーズの中にノイマン指揮チェコフィルの演奏も加わり、安価に購入できるようになっている模様です。作品番号からは想像も出来ない、充実した交響曲第2番、実は交響曲第7.5番。なかなかいい曲です。ドヴォルザーク好きの方には、おすすめできる音楽です。

(*):ドヴォルザーク「交響曲第2番」~Wikipediaより
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