goo blog サービス終了のお知らせ 

電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

NHK「おちょやん」最終回を観る

2021年05月15日 06時01分31秒 | 映画TVドラマ
NHKの「朝ドラ」最終回を観ました。朝食後、後片付けもそこそこにTVの前へ。夫婦で二人して食い入るように(^o^)/
ドラマの最終回のテーマは「和解」でしょうか。例えば千代と一平がお芝居を通してしみじみと本音を語るセリフとなっているところ。なるほど、前日の「セリフを追加してはどうか」という千代の提案がこんな形で生きてくるとは!

妻も夢中でのめりこんでいたようで、テレビ画面への身の乗り出し方がスゴイです。このところ朝ドラを続けて観られる環境になって、私自身も、なるほど面白いものなのだなと実感しているところです。まあ、作品によるものとは思いますが、「おちょやん」の終盤の盛り上がり方はすごかった。

そうそう、役者人生はきちんと役回りを演じなければならず、それも大変なことです。天海一平役の成田凌さんは、一般の人から役者と役柄とを混同して誤解され、「浮気して子どもまで作るなんて、サイテー、嫌い!」と言われたとか。まあ本人にとっては大変なことですが、身から出たサビというか自己責任というか、それとも役者冥利に尽きることなのか、微妙なところですね〜(^o^)/

写真は、私のお気に入りの、東根市神町の菓子店「チェリー」のケーキです。まるで「おちょやん」のように、甘さとほろ苦さが絶妙。

コメント (2)

NHKの朝ドラ「おちょやん」を観るようになって1ヶ月

2021年05月08日 06時01分55秒 | 映画TVドラマ
助っ人フルタイム勤務を退職して非常勤となったおかげで、この4月からNHKの朝ドラ「おちょやん」を観るようになりました。番組の始めに出てくるアニメーションの猫が昨秋20歳で亡くなった我が家のアホ猫(娘)(*1)に似ていると、妻がたいそうお気に入りのようで、朝八時になるとテレビの前に陣取り、地震でも来ない限りはまるで動きそうにありません。私の方もお付き合いで見始めたのですが、主人公おちょやんの夫一平が劇団員の娘と浮気をして子どもまでできているという事態を経て、離婚、継母と孫と同居、ラジオ番組への出演が決まり、生放送の人気沸騰と、なんとも劇的な展開。すっかりハマってしまいました。とかなんとか言っているうちに、来週はもう最終週だそうです。ええっ、もう終わっちゃうの!?

妻にすすめられて、あるいはおつきあいで特定のドラマにハマるのは、このブログを始めた時期、2004年頃の韓流ドラマ「ランラン18歳」以来かも(^o^)/

(*1):記憶に残るアホ猫記事〜「電網郊外散歩道」2020年12月

コメント (6)

NHK「立花登 青春手控え2」第8回「処刑の日」を観る

2021年03月08日 06時02分12秒 | 映画TVドラマ
土曜の夕方、このところ毎週楽しみにしているNHKの連続時代劇「立花登青春手控え2」の最終回、「処刑の日」を観ました。原作は藤沢周平『風雪の檻・立花登手控え(2)』(*1)の最終話、「処刑の日」です。番組予告では、こんなふうに紹介しています。

妾を殺した罪で囚われていた商家の主人・助右衛門。娘のおゆきだけは、父が犯人でないと登(溝端淳平)に訴える。そんなある日、ちえ(平祐奈)が、助右衛門の妻と手代の新七が親しげに一緒にいるところを目撃、不審に思った登は、南町奉行所にもう一度調べ直しをするよう頼み込む。やがて藤吉(石黒賢)の協力で、事件の真相と助右衛門の家の意外な事情が徐々に明らかに。しかし、助右衛門の処刑の日が刻々と迫っていた…。

ストーリーは原作に忠実なもので、まったくそのとおりです。処刑の前に死罪を申し渡す役人に対して、一介の牢医者にすぎない立花登が刑の執行を待ってほしいと願うやりとりは原作と同様に緊迫したもので、今回の藤吉親分と子分の直蔵の探索は無実の男を冤罪から救う、実に良い役まわりと言うべきでしょう。

それにしても、宮崎美子さん演じる叔母の松江さんは、家族思いではあるけれどセコさ満開(^o^)、無実の罪から救われた商家の主人・助右衛門と娘のおゆきが二人で礼に訪ねてきたのに家に入れようともせず、登が訪ねていく機会も全力でつぶします(^o^)/
もう完全に登をおちえの婿にしようと、余計な虫がつくのを妨げ、防御する姿勢です。いやはや、この年齢だからわかるオバサン族の深謀遠慮、全巻読むと結果的には良かったねとなりますが、まだこの時点では恋の花園なのか蟻地獄なのかわかっていない(^o^)
まあ、若い人たちの恋心はそんな思惑は蹴っ飛ばしていくのですが。



ところで、締まり屋の叔母・松江さんは、実は作者の奥様がモデルらしい(*2)。思わずクスッと笑ってしまいますが、これも藤沢周平流のユーモアでしょうか。

(*1):藤沢周平『風雪の檻・立花登手控え(2)』を読む〜「電網郊外散歩道」2007年9月
(*2):山形新聞「藤沢周平没後20年」の鼎談がネットで提供〜「電網郊外散歩道」2018年1月

コメント

NHK「立花登 青春手控え2」第7回「待ち伏せ」を観る

2021年03月01日 06時00分41秒 | 映画TVドラマ
先の土曜日、NHKの土曜時代ドラマ「立花登 青春手控え2」の第7回「待ち伏せ」を観ました。公式ホームページ(*1)の予告では、

牢から解き放ちになった三人が連続して殺される事件が起きる。次に解き放ちになる馬六(田山涼成)の命が危ないと考える登(溝端淳平)。そんな矢先叔父の玄庵(古谷一行)が倒れ、叔母・松江(宮崎美子)とちえ(平祐奈)から頼りにされる。数日後、馬六が解き放ちに。実は、嫁いだ馬六の娘・おかつが、一人暮らしの馬六を引き取ろうとしていた。藤吉(石黒賢)の助けを借りて馬六を守ろうとする登。しかし、馬六は不審な男たちに襲われてしまう…。

とありますが、まさにそのとおりの内容です。丈夫で働き者のおかつが、多田屋の後添えとして嫁ぎ、嫁ぎ先の旦那に大事にされています。女房の父親を引き取ろうというだけでなくたっぷり小遣いをあげていれば、そうそう不祥事は起こさないだろうというのですから、実に太っ腹な旦那です。人間ができています。

ところが、実はおかつの嫁ぎ先の商家の手代がとんだ曲者で、悪事の相談を見られた馬六が商家に引き取られると、自分の正体がバレてしまうことから企てた犯行でした。登と藤吉親分らの骨折りで助かりますが、さて馬六の生来のちゃらんぽらんさは治るものなのだろうか(^o^)/

叔父の玄庵は、どうやら不整脈で倒れたようです。酒の飲みすぎとはいうものの、おちえは登を頼りにするほかありません。頼りにされた登は、自分勝手ではありますがお年ごろのおちえの美貌に今更ながら気づいたようで、最後のベタな描き方はまあなんとわかりやすいこと(^o^)/



原作は藤沢周平『人間の檻~獄医立花登手控え(4)』の第3話(*2)です。手元にあるのは講談社文庫版ですが、最近は文春文庫でも出ているみたい。次回は最終回「処刑の日」。これは緊迫した見ごたえのある回になりそうです。ぜひ見なければ。

(*1):NHK「立花登青春手控え2」公式サイト
(*2):藤沢周平『人間の檻~獄医立花登手控え(4)』を読む〜「電網郊外散歩道」2007年10月

コメント (2)

NHK「立花登 青春手控え2」第6回「見張り」を観る

2021年02月14日 06時01分21秒 | 映画TVドラマ
土曜の夕方のお楽しみ、NHK「立花登 青春手控え2」を見ました。すでに第6回で、予告には

登(溝端淳平)は、町中で具合の悪そうな女・おとし(富田靖子)と出会う。おとしの亭主・酉蔵(浅野和之)は、傘張り職人だったが、酒飲みの怠け者で、おとしは一膳飯屋で働かざるを得なかった。そんなある日、登は牢の囚人から、押し込み強盗の計画を聞く。押し込みを企む連中は、酉蔵に見張りを頼もうとしているらしい。おとしを心配する登は、酉蔵に、おとしが死にそうだと嘘をつく。すると、慌てた酉蔵が、ある行動に出る…。

とあります。ははあ、あの話だな、とピンときました。原作は第4巻『人間の檻〜獄医立花登手控え』(*1)から「見張り」です。過去記事からですが、

第2話「見張り」、牢内で押し込みの相談をして行った奴がいる。女房の養生と遊び心で、酉蔵は見張りを引き受けた。どうやったら仲間から疑いを受けずに酉蔵を抜けさせることができるのか。

ふーむ、ドラマ化にあたって、具合の悪い妻の治療代を工面するために、という面を強調しているようで、女房のおとしの優しさや健気さを浮かび上がらせています。次回が「待ち伏せ」で叔父の玄庵が倒れる場面になるようですので、イメージの重ね合わせというか、そういった手法が意識されているのかもしれません。

まあ、女房殿が具合が悪くなると亭主が心を入れ替えて朝晩の食事も作ったりするというのは、なにも酉蔵に限った話ではなく当方もごく最近に心当たりがありますので、ちょいと「こちょびたい(くすぐったいの山形弁)」面もあったりします(^o^)/



今回のドラマ化は全部で8回。残すところあと2回です。最終回「処刑の日」の緊迫したやりとりと最後の甘酸っぱいシーンの対比がどのように描かれるかがシリーズ一番の楽しみですが、次回の「待ち伏せ」も意外なストーリーだったはず。期待したいと思います。

(*1):藤沢周平『人間の檻〜獄医立花登手控え(4)』を読む〜「電網郊外散歩道」2007年10月

コメント (2)

NHK「立花登 青春手控え2」第5回「みな殺し」を観る

2021年02月07日 06時03分20秒 | 映画TVドラマ
土曜の夕方の楽しみになっているテレビ番組、NHK「立花登 青春手控え2」の第5回「みな殺し」を観ました。予告によれば

二ヶ月の間に、本所・深川の一帯で男たちが次々変死する事件が起きる。そんな折、登(溝端淳平)は、牢で一人の囚人の不審な死に立ち会う。死んだのは研ぎ屋の芳平。登は病死として扱うが、岡っ引きの藤吉(石黒賢)が、登のところ事情を詳しく聞きにやって来る。藤吉は変死事件との関わりを疑っていた。話をするうちに登は、芳平殺しの犯人がまだ牢内にいるのでは、と考え始める。どうやらその男は、とんでもない悪党らしいのだ…。

というものですが、ああ、あの話だなとピンときました。原作は藤沢周平『愛憎の檻・獄医立花登手控え(3)』の第3話「みな殺し」です。

原作について、2007年に記事にしております(*1)が、その時、この話について

「みな殺し」、牢内で芳平が死んだ。だが、牢名主さえ顔をそむけ、真実を語ろうとしない。牢名主もおびえるほどの極悪が牢内にいたということだ。ご赦免になった者の中で、むささびの七と異名を取る悪党は誰か。推理ドラマの要素もあり、緊迫感が快い。

と書いています。

今回の番組化にあたり、工夫したであろうと感じられるのが「むささびの七」の配役です。いかにも人当たりの良さそうな優男が、実は凶悪無慈悲な悪党だという想定にぴたりとハマります。うーむ、今回のドラマ化はかなり丁寧に作られているぞ。これは、テレビドラマカテゴリーではなくて、「藤沢周平」カテゴリーに入れても良いなあ、などと考え直したところです。

(*1):藤沢周平『愛憎の檻:獄医立花登手控え(3)』を読む〜「電網郊外散歩道」2007年9月

コメント

NHK「立花登 青春手控え2」第4回「押し込み」を観る

2021年01月31日 06時01分07秒 | 映画TVドラマ
荒れ模様のお天気となった週末、楽しみにしていたNHKの連続時代劇「立花登青春手控え2」の第4回「押し込み」を観ました。予告によれば、

唐辛子売りの源次(和田正人) 、湯屋の釜番の金平(ラサール石井) 、元雪駄問屋の若旦那・保次郎(姜暢雄) の三人が、足袋屋の川庄に押し込み強盗をしようとしていた。源次は、同じ長屋に住む独り者で病弱なおしづ(笛木優子) を不幸にした川庄に、おしづに代わって復讐するつもりだった。ところが、ちょうど同じころ、川庄を別の悪党たちが狙っていた。それを知った登は、源次たちに、計画を止めさせようとするが…。

とあるとおり、藤沢周平の『風雪の檻・獄医立花登手控え』第2巻の第3話「押し込み」が原作です。宮崎美子さんが演じる松江さんは今回も絶好調、「立ってる者は親でも使え」とばかりに登に仕事を言いつけます。おちえは娘ですので、あまり登にばかり仕事を押し付けるなとか、お小遣いを増やしてやったほうが良いとか、親にポンポンと言いたいことが言えますが、登は居候の身ですのでやはり遠慮があります。そのへんの機微の描き方はうまいですね〜。

ただ、牢屋の中で周囲の者が聞き耳を立てているときに、あんなに大声で会話をするものでしょうか。もっとヒソヒソ話すのがほんとのような気がします。あれでは、牢名主に睨まれるとか悪党の仲間に密告されるとかして、危険極まりないことなのでは(^o^)/

それでも、やっぱり藤沢周平ドラマは面白い。「養生すれば(あの労咳は)治るよ」というセリフは、湯田川中学の先生だった若い時代(*1)、結核に泣いた原作者の思いが詰まっているような気がします。

(*1):地元紙の連載「やまがた再発見」で3週連続「藤沢周平」を特集(2)〜「電網郊外散歩道」2019年9月

コメント (2)

NHK「立花登 青春手控え2」第3回「化粧する女」を観る

2021年01月24日 06時01分16秒 | 映画TVドラマ
NHKの土曜時代ドラマ「立花登青春手控え2」の第3回「化粧する女」を観ました。藤沢周平原作の『獄医立花登手控え』の二度目の連続ドラマ化シリーズです。以前、原作を読んで記事にしております(*1)が、そこでは

与力が執念で牢問にかける房五郎は、頑として自白しません。ですが、その女房も相当の女狐でした。

としています。うーむ、我ながら端的(^o^)/

今回のテレビドラマ化に当たっても、原作にかなり忠実に描いているように感じます。今回の演出では、化粧する女狐の毒気にあてられていささか人間不信に陥りかけた登が、若いヒロイン役の平祐奈さん演じる無邪気なおちえの化粧姿にドキッとして自分を取り戻す場面をうまく描いていました。一服の清涼剤といったところでしょうか。前回のシリーズでヒロインおちえ役だった宮崎美子さんが、今回は流行らない町医者の締まり屋の女房・松江役で出演するとの興味で観始めましたが、このシリーズはどうやら「当たり」の選択だったみたいで、可能な限り毎回見ようと決めたところです。平成29年にBSで放送されたものの再放送なのだそうですが、当方はまるで新作のように新鮮に楽しんでおります。

次回は第4回「押し込み」。これは、多分あれですね、「素人がプロの真似をするんじゃねぇ!」の回。期待大です。



(*1):藤沢周平『風雪の檻・獄医立花登手控え(2)』を読む〜「電網郊外散歩道」2007年9月



東京在住の孫が高校受験の年で、第一希望に合格したらしい。まずは良かった。ジイチャンは喜び、ほっとしております(^o^)/

コメント (2)

NHK「立花登 青春手控え2」第2回「幻の女」を観る

2021年01月17日 06時01分47秒 | 映画TVドラマ
土曜の夕方、食事時にNHK-TVで「立花登・青春手控え2」第2回、「幻の女」を観ました。グレた職人・巳之吉がはずみで人を殺し、小伝馬町の牢送りになっています。これまで巳之吉の境遇は不遇なものでしたが、たった一度、少年時代におこまという女から好意を寄せられ、お守りをもらったことがありました。親方からそろそろ世帯を持ったらどうかとすすめられたとき、巳之吉はおこまの行方を探したのだそうです。牢医・立花登は巳之吉の頼みでおこまの行方を探しますが、おこまは亡くなった親の借金を返すために職を変え悪事に手を染め、今は小伝馬町の女牢に入っていました。いよいよ島送りになる巳之吉に、登は行方はわからなかったと告げます。巳之吉は登に感謝して行きます。女牢でおこまに会った登は、巳之吉の境遇を伝えます。おこまは、自分が牢に入っていることを巳之吉は知っているのかと問い、知らずに行ったと伝えられて泣き崩れます。

もし、もう少し境遇が違っていれば、違った運命がありえたのではないか。転落した不幸な男女にはそんな悔恨があったのかもしれません。世の中、自己責任とばかりは言えないものがあることは確かです。原作者である藤沢周平の描き方(*1)には、不幸な人々に寄せる温かな視点があります。

(*1):藤沢周平『風雪の檻・獄医立花登手控え(2)』を読む〜「電網郊外散歩道」2007年9月



19時からは、山響第289回定期演奏会のライブ配信を観、聴きました。本日はナマ演奏を堪能する予定。

コメント (4)

NHK「立花登 青春手控え2」(第1回)を観る

2021年01月11日 06時01分45秒 | 映画TVドラマ
最近、テレビはニュースと天気予報だけという生活が続いていましたが、年末に「のだめカンタービレ」再放送を楽しんで以来、テレビのドラマを見ようという機運が高まりまして、「教場」「立花登 青春手控え2」等を観ました。「教場」の方は原作の文庫本を買ってきてただいま積読中。「青春手控え」は藤沢周平『獄医立花登手控え』シリーズのドラマ化で、1982年頃に中井貴一・宮崎美子のコンビで観ています。どうやら、今回は平成29年にリメイクされた新シリーズ(*1)の第2部にあたるようです。前回のシリーズは観られなかったので、今回はぜひ観てみたいところ。

第1回「片割れ」
立花登(溝端淳平) は、東北の故郷を離れ、小伝馬町の牢医者として働いていた。叔父・玄庵(古谷一行)と叔母・松江(宮崎美子) が留守のある日、登とちえ(平祐奈)は、突然診療室に現れた人相の悪い男(木村祐一)を手当てする。数日後、牢に刃物の傷をこじらせた与吉(津田寛治) という囚人が来る。与吉は相棒と二人で米屋に強盗を働いた罪で捕まった。先日の人相の悪い男が、与吉の片割れではないかと疑いを持つ登。するとある晩、素性の知れない何者かに登は襲われて…。

ふむふむ、原作は人相が悪いというだけで悪党だとは限らないという、あれ(*2)だな。『愛憎の檻・獄医立花登手控え(3)』。新リメイクのシリーズを今回はじめて観ましたが、口やかましい叔母の役を宮崎美子さんが演じているのが時代の移り変わりを感じさせて、いいですね〜。藤沢周平の娘・展子さんによれば、作家はどうやらおちえは展子さん、叔母・松江は奥様をモデルにしたらしい(*3)。思わず「うふふ」と笑ってしまいます。宮崎美子さん、年齢的にも口やかましい締まり屋の松江さんに寄せる作家の信頼と愛情を感じることができるからでしょうか、いきいきと演じているように思えます(^o^)/

次回は「幻の女」(*4)、原作は第2巻『風雪の檻・立花登手控え(2)』から。

(*1):藤沢周平『獄医立花登手控え』シリーズを一気に読む〜「電網郊外散歩道」2016年5月
(*2):藤沢周平『愛憎の檻・立花登手控え(3)』を読む〜「電網郊外散歩道」2007年9月
(*3):山形新聞「藤沢周平没後20年」の鼎談がネットで提供〜「電網郊外散歩道」2018年1月
(*4):藤沢周平『風雪の檻・立花登手控え(2)』を読む〜「電網郊外散歩道」2007年9月

コメント (4)

年末特番で「のだめカンタービレ」を観る

2021年01月02日 06時02分56秒 | 映画TVドラマ
当地の民放TVの年末特別番組編成で、「のだめカンタービレ」を連続放映することを知り、29日、30日、31日の三日間、続けて楽しみました。「のだめカンタービレ」は、2005年当時にはフザケタ記事(*1)を書いていたのですが、2008年正月に「のだめカンタービレ」新春スペシャル(*2)を観てすっかりファンになり、2009年末と2010年春には妻とともに映画「のだめカンタービレ最終楽章」前編(*3)および後編(*4)を観て、このブログでもヨーロッパ編を何度か記事にしています。で、今回はヨーロッパ編に至る前、音楽大学での学生時代の話です。

要するに、才能豊かなピアノ専攻の青年が、本当は指揮者になりたいのにオーケストラを指揮する機会がない。しかも、彼には以前の飛行機事故がトラウマとなり、過度の飛行機恐怖症があります。たまたま隣室の女子学生のだめ(野田恵)が見るからに発達障害っぽい我流ながらピアノの才能は抜群であることに気づき、そこから物語が始まります。

なるほど、そういう展開だったのか。千秋センパイが壁にぶつかるときにはのだめが励まし、逆に千秋センパイがぐいぐい上り調子になるとのだめがドヨーンと落ち込む、というパターンが見られますが、これはちょうど千秋の主題とのだめの主題が登場しては交代して次々に変奏されていくソナタ形式のような構造でしょうか。見立てとしては面白いかもしれません(^o^)/

さて、ここまできたらやっぱり続きが見たくなります。たしか、新春スペシャル「ヨーロッパ編』がDVD に録画してあったはず。もしかして10年ぶり? ステイホームのお正月ですから、雪かきの後にこういう楽しみも良いでしょう。どれどれ。うーん、やっぱり面白い。画像は、千秋のコンクールでチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を指揮している場面から。



のだめチャンがコンセルヴァトワールですっかり自信をなくし、どよーんと落ち込んでからの復活と再生の過程に、思わずうるっとします。(でも、若い人たちの孤独な失意は、まだ未来を夢見ることができるという点で、老人の孤独な絶望とは違うのかもしれません。)妻に呆れられながら全編を通して見ましたが、いや〜、面白かった。

(*1):「のだめ」ってな〜に?」〜「電網郊外散歩道」2005年3月
(*2):「のだめカンタービレ」新春スペシャルを観る(1), (2)〜「電網郊外散歩道」2008年1月
(*3):映画「のだめカンタービレ最終楽章・前編」を観る〜「電網郊外散歩道」2009年12月
(*4):「のだめカンタービレ最終楽章・後編」を観る〜「電網郊外散歩道」2010年4月

コメント

芸術の秋、音楽映画の情報が2件

2020年09月24日 06時01分03秒 | 映画TVドラマ
芸術の秋にふさわしく、当地山形にも音楽映画の公開が予定されているようです。その中でも、当方の興味を引いたものが次の2件。

  1. 10月2日(金)〜8日(木) フォーラム山形、「剣の舞」(*1) バレエ「ガイーヌ」発表を前に、作曲家ハチャトリアンは曲の追加を迫られます。
  2. 10月16日(金) フォーラム山形、「パヴァロッティ」(*2) オペラ歌手ルチアーノ・パヴァロッティのドキュメンタリー映画。

いずれも平日で、時間の都合がつけられるか微妙なところですが、なんとか観たい作品です。それには週末にサトイモやリンゴの収穫などを済ませておくことが必要です。なんだか鼻先に人参をぶら下げられた馬のような気分にもなりますが(^o^)/

(*1):映画「剣の舞」公式サイト
(*2):映画「パヴァロッティ」公式サイト

コメント

映画「パブリック」を観る

2020年08月23日 06時02分33秒 | 映画TVドラマ
ようやく週末の休日にたどり着き、「川中島白桃」の出荷の準備で箱やモールドなどの在庫状況を確認点検し、午後から山形フォーラムに出かけ、映画「パブリック〜図書館の奇跡」(*1)を観てきました。

この映画は、米国オハイオ州シンシナティの公共図書館が舞台です。ただでさえ寒い時期に大寒波が襲来し、ホームレスの人たちの中には凍死者が出ているとき、寒さをしのごうと多くのホームレスが図書館にやってきて、一晩泊めてくれと頼みます。これが結果的には主人公の図書館員スチュアートを巻き込んで図書館を「占拠」する事態となってしまいます。市長選へ立候補を目指す検察官は強硬策を主張しますが、図書館側は穏健な解決を望みます。ところが事態は……というストーリーです。

うーむ、新型コロナウィルス禍の渦中とはいえ、いたって平穏無事な日本人的には、警官隊の突入を前にした緊迫感というのは理解されにくいでしょう。米国の日常、とくに大都会においては、「制圧」というのは暴力と流血を意味し、時には死者が出てしまう場合もあると聞きます。ましてや相手がホームレスであれば、容赦ない制圧が行われることは必至でしょう。であれば、多数の犠牲者の発生を回避したあの奇想天外な解決策は、決してお笑いのタネではなくて、本によって命を救われた経験を持つ図書館員の、起死回生の一手だった、ということでしょう。スタインベック「怒りの葡萄」の一節の暗唱は、詩的な名場面であるとともに、教養のないテレビ・レポーターには全く通じないという「分断のジレンマ」をも感じさせます。

題名の「パブリック」について。パブリックとは、この場合、公共と訳せば良いのでしょうか。トランプのアメリカにおいて、公共の場所や政策は該当するすべての人々を対象にするものでなければいけない、という原点を問うものなのかも。

(*1):映画「パブリック〜図書館の奇跡」公式サイト

コメント (2)

チャップリンの映画「街の灯」を観て昔の記憶違いを知る

2019年12月08日 06時01分40秒 | 映画TVドラマ
DVDで、チャップリンの無声映画「街の灯」を観ました。学生時代以来、約半世紀ぶりです。あらためて、実に濃密な名作と感じました。あらすじは今さら説明も不要でしょうが、要するに浮浪者チャーリーが盲目の花売り娘と知り会い、やや人格破綻の金持ちの知遇を得て、娘のために一肌脱ごうと奮闘するドタバタ喜劇が、強盗と間違われて刑務所に入るはめになります。チャーリーが出所したところで、彼からもらったお金で貧困を脱し、手術で視力も回復した娘と再会する話です。

YouTube にあった音楽付き超ダイジェスト版で全編をおさらい;
街の灯 チャップリン/愛のテーマ ニューシネマパラダイス(サントラ完全版)


今回、あらためて感じたことをいくつか挙げてみると:

  • 若い娘が花を売っていると、チャーリーのように買ってくれる人もいるけれど、交代してくれたおばあさんには誰もふりむいてさえくれないという残酷な真実。うーむ、中高年になると、こういう短いシーンが突き刺さるようです。このへんが、「ライムライト」につながっていくのかな。
  • 刑務所から出てきたチャーリーが街を歩き、ショーウィンドウを眺めていたお店は、「Music Store」でした。チャップリンがまだ若く、貧困にあえいでいた頃の、楽器や楽器店への憧れを表しているシーンでしょうか。その後、チェロをたしなみ、音楽の才能を示したことなどから、つい、そんな想像をしてしまいます。
  • 最後の有名なシーン、「You ?」(チャーリーがうなずき)、「You can see now ?」「Yes, I can see now.」 これは、なんとも絶妙のシーンです。ペーソスがただよいます。そうだよね〜、人生って、こんな感じだよね〜、って(^o^;)>


学生時代にはじめてこの映画を観たときは、祖母が30代で失明し、全盲の困難な生活をおくる中で子供時代を過ごしましたので、絵空事と思えず感動した記憶があります。たぶんそのせいだと思いますが、花売り娘が手術後に目が見えるようになる場面で、モノクロの画面がカラーになるというシーンがあったような気がしたのでした。全編を見通しましたが、残念ながらそんなシーンはなく、おそらくは「そういう場面があったら良いのに」という願望が、そのような誤った記憶になって残ってしまったのでしょう。でも、ほんとに味がある、いい映画です。

最後はまた音楽で。マンドリン・オーケストラの演奏です。
映画「街の灯」よりラ・ヴィオレテラ (すみれの花売り娘) La Violetera : ホセ・パディーヤ・サンチェス José Padilla Sanchez


コメント (6)

映画「決算! 忠臣蔵」を観る

2019年12月04日 06時03分22秒 | 映画TVドラマ
月末の土曜の午後、買物がてら妻と一緒に映画を観て来ました。話題の『決算!忠臣蔵』です。もう師走、タイムリーな時節柄、しかし内容は仇討とは程遠いものです。女好きでお調子者で「でくのぼう」と名高い大石内蔵助、幼なじみの勘定方・矢頭長助の奮闘で赤穂城を明け渡し、主戦論者たちを抑えながら主君の一周忌を済ませますが、事態は「そんな馬鹿な!」の方向に転がり、ついに仇討ちを決意します。ですが、その頃には資金は底が見えてきていました。赤穂浪士の生活費、討ち入りの武具の費用など、一回限りのチャンスを活かさなければなりません。大高源吾のもたらした吉良の在宅日の情報は、予算内で決行できる、重要なものでした。



忠臣蔵といえば「情の世界」になるのが定番で、そこに予算や経理をもってきたところが新鮮です。むしろ、主知主義的すぎるほどにクールな視点を貫きます。根っからの経理マンから見ると、「忠臣蔵」はこんなふうに見えるのかも。ゲラゲラ笑うような場面はあまりなかったみたいで、むしろ呆れてしまう場面が多かったように思います。何時の時代も、威勢のいい主戦論者たちは、予算や経理なんぞを考えていないものなのかもしれません。

コメント (2)