日が長くなり、確実に春の気配が近付いておりますが、時おり小雪が降る気候で、まだまだ油断はできません。最近は、通勤の音楽として、カラヤン指揮ベルリンフィルによる、シベリウスの交響曲第1番を聴いております。カラヤンとベルリン・フィルがEMIに録音した、1980年代のデジタル録音です。(CC28-99004)
第1楽章、アンダンテ・マ・ノン・トロッポ~アレグロ・エネルジーコ。ひそやかなティンパニの連打の上で、クラリネットがゆったりと主題を奏します。さらに弦楽器が主題を奏しますが、これはいかにもシベリウスらしい、雄大さを感じさせるところです。展開部は幻想的な雰囲気で、終結部のピツィカートによる終わり方も、緊張感があり、かっこいいものです。
第2楽章、アンダンテ・マ・ノン・トロッポ~レント。ゆっくりとした、弦楽による叙情的な始まりが、次第に力を増して行くあたりは、カラヤンとベルリンフィルの面目躍如。
第3楽章、スケルツォ:アレグロ。ティンパニと組んだ終わり方が、なんともかっこいい。
第4楽章、クワジ・ウナ・ファンタジア。指定にもあるとおり、幻想曲ふうの味わいのある楽章です。最後の盛り上がりが消え入るように終わるところが印象的。
Wikipediaによれば、この交響曲第1番ホ短調作品39は、ベルリンで聴いたベルリオーズの「幻想交響曲」に刺激を受け、1898年に創作に着手、1899年に完成したものだとか。1865年生まれのシベリウスは32歳、1897年に国家から終身年金を受けられるようになったものの、酒に溺れ、浪費を繰り返し、自堕落な生活をおくっていたといいます。
終身年金を受けて何が悲しいのか、ちょいと悲劇的な要素のあるシベリウス青年期のこの音楽も、まるで雄大に飛翔する冬空の鳶のようです。
■カラヤン指揮ベルリンフィル盤
I=10'27" II=10'17" III=5'34" IV=12'04" total=38'22"
【追記】
トラックバックをいただいた eyes_1975 さんの記事によれば、作曲当時のシベリウスは、世間に認められ終身年金も受けられるようになっておりましたが、母と愛娘を亡くし、必ずしも幸福な時期ではなかったようです。なるほど、それでこの気分かと納得した次第。
第1楽章、アンダンテ・マ・ノン・トロッポ~アレグロ・エネルジーコ。ひそやかなティンパニの連打の上で、クラリネットがゆったりと主題を奏します。さらに弦楽器が主題を奏しますが、これはいかにもシベリウスらしい、雄大さを感じさせるところです。展開部は幻想的な雰囲気で、終結部のピツィカートによる終わり方も、緊張感があり、かっこいいものです。
第2楽章、アンダンテ・マ・ノン・トロッポ~レント。ゆっくりとした、弦楽による叙情的な始まりが、次第に力を増して行くあたりは、カラヤンとベルリンフィルの面目躍如。
第3楽章、スケルツォ:アレグロ。ティンパニと組んだ終わり方が、なんともかっこいい。
第4楽章、クワジ・ウナ・ファンタジア。指定にもあるとおり、幻想曲ふうの味わいのある楽章です。最後の盛り上がりが消え入るように終わるところが印象的。
Wikipediaによれば、この交響曲第1番ホ短調作品39は、ベルリンで聴いたベルリオーズの「幻想交響曲」に刺激を受け、1898年に創作に着手、1899年に完成したものだとか。1865年生まれのシベリウスは32歳、1897年に国家から終身年金を受けられるようになったものの、酒に溺れ、浪費を繰り返し、自堕落な生活をおくっていたといいます。
終身年金を受けて何が悲しいのか、ちょいと悲劇的な要素のあるシベリウス青年期のこの音楽も、まるで雄大に飛翔する冬空の鳶のようです。
■カラヤン指揮ベルリンフィル盤
I=10'27" II=10'17" III=5'34" IV=12'04" total=38'22"
【追記】
トラックバックをいただいた eyes_1975 さんの記事によれば、作曲当時のシベリウスは、世間に認められ終身年金も受けられるようになっておりましたが、母と愛娘を亡くし、必ずしも幸福な時期ではなかったようです。なるほど、それでこの気分かと納得した次第。
北欧以外の指揮者であるカラヤンとカラヤン国際指揮者コンクール優勝者のカムと聴き比べるとより、面白くなります。
ワタシはSIBELIUS大好きで、カラヤンには是々非々だが、この演奏は暑苦しくて無遠慮に感じて処分してしまいました。独墺方面にがっちり構成してしまうと、作品の持ち味台無しだと思います。
eyes_1975さまご推奨のオッコ・カムなんかエエですね、含羞があって。最近、ストコフスキー/ナショナル・フィルによる最晩年演奏の颯爽と若々しい演奏に感心したものです。
カラヤンについては、当方はそれほどアンチではありません。田舎で地元オーケストラとカルテットの定期演奏会を好んで聴いているのですもの、様々な演奏に触れることができるだけでもありがたいと思います。特に、体調の思わしくない時など、細部の美しい響きと旋律に魅了されるのもよいものです。元気な時には、躍動的でリズム感に満ちたセルとクリーヴランド管の演奏などに魅力を感じますが、残念ながらこの曲には録音がありませんし(^o^;)>poripori