厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2021年185冊目『62歳の社長が23歳の新入社員と本気で対話したら、会社がスゴイことになった。』は、50年先も100年先も変わらない普遍的な価値観がZ世代との対話から見えてくる

2021-08-22 14:15:38 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

この本は、実際に著者が経営する会社の中にZ世代(1990年代後半から2000年代前半生まれの世代)がもたらした変化や成果について具体的に述べるとともに、その経緯における「対話」を忠実に再現しています。

 

たとえば勉強も、自室で黙々と勉強したい人と、人がいる環境で集中したい人がいて、さらに朝型か夜型かは人それぞれです。それなのに、社会人になった途端に、全員同じ時間に出社して、定時になるまでは、やることがなくてもパソコンの前で座っている、というのも少し変です。(P.70)

実は、意外と、日常の思考で答えのないものに対して考えを巡らせるような機会そのものがないのではないでしょうか?自分で思考しなくても何となくわかったつもりになりやすい環境なのではないでしょうか?「自分の頭で思考する」という思考体験が、もはや「非日常体験」なんだと思うんです。だからこそ、この「非日常」を「日常」に転換するための施策が、絶対に必要だと思います。(P.111~113)

一度バッターボックスに立つ経験をすると、ファシリテーターになる、ならないを問わず、アンテナを張る姿勢を持ち続けられます。(P.186)

 

以上のようなZ世代の発言は、既成の論理や枠組みにとらわれない人財開発や組織編成のあり方に大きな示唆を与えてくれます。

また、職業を通した世代間交流は、どんなビジネスパーソンにとっても、自らが実現したいことが何なのかといった「原点=ルーツ」を改めて問い直せる貴重な場です。

 

個々の人間が持っている多様性に対する寛容や、既存のルールに縛られない自在さ、他者が決めたステータスではなく自分の中の判断基準を大切にする姿勢など、Z世代との対話から見えてくるものは、50年先も100年先も変わらない普遍的な価値観です。

 

本書は、これからの企業に「不思議な利益」を生む人財の本質について知るためのヒントになります。

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2021年184冊目『INTEGRITY 正しく、美しい意思決定ができるリーダーの「自分軸」のつくり方』は、仕事や人生で後悔しない意思決定をするためにインテグリティを高める必要性について述べている

2021-08-22 14:00:19 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

「integrity(インテグリティ)」という言葉は、「誠実」とか「高潔」「廉直」などと訳されますが、ぴったり一致した日本語の単語は存在しないのではないかと思います。

 

この本では、そんなインテグリティの本質を解説し、インテグリティが自分自身の軸・物差しになることで、仕事や人生において後悔しない意思決定ができるようになることを目指します。

 

とにかく目立つ仕事を成功させたという手柄を誇示したかった。自分と一緒に働く部下や取引先のことなど、まるっきり考えていませんでした。おそらく部下の手柄も自分のものにしていただろうし、できない人とは仕事をしたがらなかった。私より年上の社員に辛く当たったこともあります。あることをきっかけに、「いてもいなくても変わらないから」と言ってしまいました。その人はしばらくして会社に来なくなりました。若いころを思い出すと、人間としてどうかと思うような、恥ずかしい思い出だらけです。

(あとがきより)

 

そんな著者が、どう周囲に感謝し共感を得ながら、インテグリティを高めていったのか。

プロフェッショナル論、リーダー論としても学べる1冊です。

 

【my pick-up】

◎正しいことを実行する〝突破者〟になる

社長が改革者であり続けることは難しい。そもそも社長というのは、多くの場合、既存の環境に最大限に適応し、そこで成功をおさめたからこそ社長になっているわけです。改革をした経験がない。そういうとき私たちのようなコンサルタントに声がかかります。私たちが「こう変えなければいけません」と提言しますが、でもそれはなかなか組織的には受け入れられません。そんなときに必要なのが、突破者です。

突破したあと、突破者が社長になれるとは限りません。しかし本人は自分の会社とか、自分の事業とか、今のお客さんとの関係に拘泥せすに、「これから世の中はこうなるだろう」「それなら産業はこう変わるべきだ」「その結果、お客さんも自社も、もっとよくなる」「だから私はこうするべきだ」というようにシンプルに考えることができている。突破者を見つけることができれば、私たちの仕事は半ば成功したも同然です。

突破者は普通、会社の中ではくすぶっているか、社外にいます。それも当たり前の話で、順調に出世している人で、突破なんかしようとする人は少ない。黙っていたら役員になれるのですから。改革をしたい社長がいて、こういう突破者が見つかるとすごく面白い。経営コンサルタントの仕事の醍醐味はここにあると言ってもいいくらいです。

◎リーダーの仕事は「登る山」を決めること

リーダーとは何かというと、目指すものの全体像やゴールを決めて、それを共通認識させることです。そうしたらチームメンバーはおのずと働きだす。

今までの自分の仕事のやり方は、根本的に間違っていたと思いました。私はまさに分割したタスクを与えていた。チームメンバーは最終的に何ができるかわからないまま、言われたからやっているだけでした。完成形がわかっているのは自分だけでした。

◎部下には今できること以上のことをやらせてみる

部下にプレゼンテーションをさせてみる。何かの交渉をさせてみる。機会を与えない限り絶対に成長しません。人間は同じことをやらせていると育ちません。常に今できること以上の、少し背伸びしたことをさせる必要があります。

今までやったことがないけれど、社長の前でプレゼンテーションするなどのチャレンジをさせることです。そしてそのときの成功の手柄は、「彼が・彼女が頑張ったからです」というように、きちんとその人に花を持たせる。

◎多様性とその受容が新陳代謝を促す

みんな同じであることを求められる同調圧力に屈せず、むしろ他人と違うことを面白がる。とくに組織の上層部の意見と異なる見解を述べることに対する忌避感が強いため、そういう人が現れると組織がアレルギー反応を起こして、その人を中心から周辺へと遠ざける傾向があります。

性別、国籍の多様性を叫ぶ前に、違う意見を表明する者、違う視点から物事を捉える人がいることを良しとする組織風土にしていくことです。そうでなければ、仮に女性や非日本人を増やしても、多様性の目的の大切な部分を達成することはできません。

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2021年183冊目『ソニー再生』は、「異端」のソニー元社長が社員との信頼関係を重視してきたことが窺える

2021-08-15 15:35:15 | おすすめビジネス書

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中田敦彦のYouTube大学でも本書が紹介されています

評価 (3点/5点満点)

ソニー・コンピュータ・エンタテインメント米国法人(SCEA)、ソニー・コンピュータ・エンタテインメント(SCE)、ソニーの社長を務めてきた平井一夫さんが、3社の事業再生・変革を成し遂げてきた経歴をドキュメンタリータッチでお伝えします。

 

ソニーの変革も含め、私はこれまで3度の事業再生に携わってきました。そのいずれにおいても、社員との信頼関係を築き、困難に立ち向かうためにはリーダーのEQ(心の知能指数)の高さが求められるということを痛感しました。戦術や戦略といった施策ももちろん重要ですが、それだけでは組織をよみがえらせることはできないのです。(はじめにより)

 

本書を読むと、各組織でまず最初は、社員との対話を丁寧に数多く行っていることが分かります。

 

エレクトロニクスが主流という印象の強かったソニーにおいて、音楽やゲームの領域で出世競争とはあまりかかわりのないキャリアを歩んできた平井さん。

 

少年時代に日本と海外で何度も転居した経験も含め、「異端」としての人生を送ってきたことが、平井さんのリーダーとしての哲学のベースになっています。

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2021年182冊目『先延ばしと挫折をなくす計画術 無敵の法則』は、行動を計画化し実行する仕組みを作る具体的方法が身につく

2021-08-15 15:21:15 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

・細々とした行動をきちんと「計画する」こと

・その計画を実行する「仕組みを作る」こと

本書は、この2つを実現するためのスケジュールの立て方や、時間を効率よく使う方法、抜け漏れを防ぐ仕掛けなどを、55の法則としてまとめています。

 

著者の野呂エイシロウさんが「やりきる人」になれたのは、「予定」を「計画」に変えたからとのこと。

具体的には、スケジュールに目的を書き込んで見える化することで、自然と動けるようになるそうです。

 

やりたいことや、やるべきことがあるのに、つい先延ばしにしてしまう。

計画を立てても、いつもなし崩しに「なかったこと」にしてしまう。

そんなことが少しでも思い当たる人にとって、きっといくつもヒントが見つかると思います。

 

毎日寝て起きて、家族や大好きな人たちと過ごす時間も決して当たり前ではない時代。

日々の一つひとつの予定や行動を計画化して、すぐやる人・確実にやり遂げる人に変わりましょう。

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2021年181冊目『3年で「経理のプロ」になる実践PDCA』は、会社から期待され評価される経理の役割が明確になっている

2021-08-13 14:31:59 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

この本で目指しているのは、経理に求められている「効率仕事力」「計数管理力」「財務提案力」「経営貢献力」の4つのスキルそれぞれについて、「プラスαの価値」を身につけることです。

 

経理のプロとは?(P.180)

1.自らムダを排除して生産性を向上させる(=効率仕事力)

2.会社の状態を数値で計測して変化に気づく(=計数管理力)

3.その結果を視覚化してわかりやすく伝える(=財務提案力)

4.将来を予測して財務体質の改善に貢献する(=経営貢献力)

 

そして、「3年後に業績管理と予算編成を任される人材になる」ことを具体的目標として掲げます。

 

〝現状の経理の仕事は、当たり前のことを当たり前にしているだけで、それ以上でもそれ以下でもない〟

〝経営者としては経理社員にもっと活躍してもらいたいと期待しているが、それに対して経理は事務処理を繰り返すだけ〟

 

こういった経理の評価に対して、経理パーソンは業績管理や、予算編成、財務体質の改善など、経理本来の仕事を充実させていかなければなりません。

 

2014年の刊行ですが、経理部の管理職である私が今読んでも、納得できる部分が多かったです。

事業活動のPDCAを財務面で管理しているセクションである経理にとっては、このPDCAのスタイルは扱いやすく、自分の仕事にもきっとうまく活用できることでしょう。

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