評価 (3点/5点満点)
最近よく話題になる「ジョブ型雇用」の成功のカギは、社員は個性を自覚し、ジョブを選択し、自分の運命に責任を持つこと、つまり
「自律」と能力開発への自主的な取り組みです。
この本は、ジョブ型雇用で活躍する課長の手引書として、知っておくべきこと、やるべきことを体系的に解説しています。
1.課長は中核管理職
トップダウンの指示を実行する中間管理職ではなく、自らのジョブを定め、ボトムアップでイノベーションと企業の成長に貢献する中核管理職になる。
2.21世紀のパラダイムを主導する
「競争に勝つ」ではなく、顧客と社会への価値創造のために組織のメンバーと縦横無尽に協力する。
3.チームの目標管理を推進する
上位下達の目標管理ではなく、本来の目標管理(自ら考え、目標を定め、自主的に管理する)を実践する。
4.役に立つスキルを磨く
チームの活力をつくるリーダーシップ、対話を通じて人と共鳴するコミュニケーション、そして想像と構想を生み出す思考の技術を学び、実践する。
5.マネジメントの焦点を理解する
21世紀の新たなテーマ(コンプライアンス、リスク、D&I、SDGs)と不変のテーマ(顧客起点の行動)に焦点を当てる。
6.自らの運命を支配する
自らの個性に目覚め、ジョブを選び、学習と成長を続ける。専門性を深め、同時に視野を広げ、顧客と社会に貢献する。
日本企業が踏襲してきた「メンバーシップ型雇用」の最大の問題は、よほど幸運な人以外は自分の好きな仕事ができないことです。
ジョブ型雇用の最大のメリットは、個性を生かせる、すなわち、自分が好きな道を選べることではないでしょうか。
【my pick-up】
◎業績を管理する
業績管理とは、業績目標を設定したときの前提条件の変化を確認し、ギャップがあれば、対策を考えることを意味します。この際の前提条件には2つの種類があります。
①外的な環境:経済の環境、競争の環境など売上に影響する要素に関する前提が変化しているのかどうかの検証を行います。
②内部的な要因:業績目標達成のための内部での投資、経費、人員、リソースに変化があったかどうかです。
これらに変化があれば目標を修正することになります。変化がないにもかかわらず目標達成が危うければ、達成を阻む理由を分析し、速やかに対策を考えます。
業績管理とは、業績そのものをマネージすることではなく、目標設定のロジックや予測能力の適切さや精度をテーマとして改善や改良をしていくプロセスであるといえます。