評価 (3点/5点満点)
本書は、ハーバード・ビジネススクールの心理学者が新型コロナのパンデミックが起こる前に書いたものですが、その知見の多くは私たちの新しい仕事生活に今までにないほどよく当てはまっています。
・私たちを「タイム・プア」にする「タイム・トラップ」の1つが、テクノロジーとの絶え間ない接続だ。
・私たちをタイム・プアにするタイム・トラップには、不愉快な課題やストレスの多い課題に時間を費やしたり、目標どうしがぶつかり合うような日々の活動に追われたりするというものがある。
・リモートワークの環境では、緊急な課題よりも重要な課題を優先することが、前にもまして大切になる。
・私生活では誰もが、デジタル機器に気を逸らされないように徹底的な管理を行うとともに、あまり大切ではない課題や不愉快な課題を外注したり他人に任せたりして、「時間に投資したり」「時間を見つけたり」する必要がある。
・リモートワークがより一般的な働き方になるなか、従業者であれ、上級管理職であれ、CEOであれ、誰もが自分にとって最も大切な私生活上の決定や職業上の決定を下すときに、時間を中心に置くことが重要になる。
著者の様々な調査結果によると、「お金ではなく時間を重視することが、幸せの増大や人間関係の改善や体の健康の増進につながる生産的な道筋である」という事実が明らかになっています。
どう時間を使うかによって、どう人生を過ごすかが決まることを、本書を通じて再認識しました。
【my pick-up】
◎多くの休暇を取る従業者ほど幸せで生産的である
人事部門と職場の責任者はマインドセットを変えざるを得ない。不愉快かもしれないけれど、データの裏づけがあるのだから当然だ。従業者がタイム・リッチになるのを助ければ、より有能で忠実な従業者を獲得できる。経営者はつい忘れてしまいがちだけれど、多くの休暇を取る従業者ほど幸せで生産的であることを、最高のデータが示しているのだ。