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評価 

(3点/5点満点)
人生100年時代をどう生き抜くか?
AI時代をどう生き抜くか?
ウィズコロナ、アフターコロナをどう生き抜くか?
これから紹介する10個の力があれば、必ず生き延びることができると、著者の金川顕教さんは言います。
先見力/思考力/表現力/読書力/数字力/当事者力/応援力/習慣力/決断力/チーム力
ここでは「読書力」と「数字力」から少し抜粋してみます。
読書力(P.96~110)
現在は、1日に2冊、読んだ本について解説した動画を「YouTube図書館」というチャンネルにアップしています。なぜ、たくさんの本を読むのか。それは読書することで知識が増え、仕事の生産性やクオリティーが上がるからです。生産性が上がると、仕事が早く終わります。すると、ますます自由な時間が増え、読書する時間が増えるというプラスのスパイラルが回り出します。
アメリカの研究データでは、富裕層の88%が1日30分以上ビジネス書などを読んでいましたが、年収300万円以下の人はわずか2%でした。日本のデータでも、20代、30代のビジネスマンは1か月に平均0.26冊しか本を読んでいませんでしたが、30代で年収3000万円の人は平均で9.88冊本を読んでいます。「時間がないから読書ができない」というセリフは、僕は絶対に言ってはいけないことだと思っています。
読書と年収には相関関係があるのです。年収を伸ばして幸せになりたい人、仕事で成果を上げたい人は、読書量を必ず増やすこと、読書の優先順位を上げるということが非常に大事です。
特にビジネス本の内容は、仕事で成功している人の実話、ノウハウ、人生経験などがほとんどです。ですから、著者になっている人たちの10年分の知識や経験が、1冊の本、金額にしてわずか1500円程度で学べるわけです。読書で他人の成功談や失敗談を学んでいれば、自分が失敗をしたとしても、焦ることはありません。月収が下がる、会社が潰れる、リストラにあうなどといったことが、すべて想定内となるからです。読書によって人の成功や失敗を前借りして学ぶことが、最短で成果を出すことにつながるのです。逆に考えれば、そこで読書をすれば、人と差をつけることができるというわけです。同じ量をこなせる人が2人いた場合、早くから取り組んだ人のほうが、先に結果が出るのは、自明の理です。
さらに、読書と並行して行ってほしいのは、自分が読んでいる本の内容に関連した動画を見ることです。目で学ぶだけではなくて、しっかりと耳でも学ぶと、より理解力が高まります。読書をたくさんしている人、勉強をたくさんしている人は、これはこの本にだけ書かれている内容なのか、他の類書にも書いてあるか、共通点や相違点も見えてくるので、多面的な視点も身につけることができます。
数字力(P.129~139)
企業のトップや起業をしている人は、数字と向き合ってビジネスをしています。しかし一般的な会社員となると、数字を見る機会もありません。ですが、今は一般的な会社員の立場であったとしても、自分には関係ないとは思わず、しっかり学んで数字に強くなってほしいと思います。この数字とは、つまり会計の知識で会社の数字を読むことです。会計の知識は一生使えるので、ぜひ学んでほしいと思います。
会社の利益には5つあります。売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益です。この5つのことをよく分かっていない方は、正直言って会計の勉強不足です。工業簿記ではよく限界利益という話が出てきますが、この限界利益をしっかり学ばないと、ビジネスは黒字化しません。この限界利益とは、売上高から変動費を引いたものです。また、最近では売上が上がっているのに、現金がないという会社も増えています。今回のコロナ禍のように、休業要請がなされて1~2か月収入が途絶えると、あっという間にビジネスが回らなくなる会社も多いのです。上場企業は売上高の3か月分ぐらいの貯蓄があるので、資金繰りが可能ですが、個人であっても貯蓄は最低でも給料の3か月分は必要であると言えます。
決算書を読めるようになっておけば、業界のトレンドや勤め先の現状を客観的に分析できるようになります。決算書はコツさえ学べば誰でも読むことができるのです。「決算を四半期ごとにチェックする」「成長率を確認する」「1社だけではなく類似企業の決算も比較分析する」「1つの企業でもどの部門の事業が伸びているかに注目する」ビジネスは数字です。数字に弱ければ、転職や起業など、仕事で不利な立場になりますので、ぜひ日々、数字力を身につけるようにしましょう。
金川さんは、この10個のスキルを身につけるのに10年以上かかったそうです。
この10個の力を身につけるためのポイントは、常にワクワクしながら学びのプロセスを楽しむこと、つまり地道にコツコツやることではないでしょうか。
その結果、付加価値の高い能力を身につけ、どこに行っても求められる人財になれると思います。
【my pick-up】
◎習慣力は、量とスピードを意識する
僕は、人の3倍やれば10倍の結果が出るという、自分の中でのルールを決めています。人と同じ作業をしたら、同じ結果しか出ませんが、なぜか3倍やると、3倍の成果ではなく、10倍の成果が出るからです。それはなぜかというと、目立つからです。3倍やることで、人より突き抜けることができ、比較対象がなくなります。
例えば痩せたいと思うのであれば、目標は「痩せる」ではなくて「5キロ痩せる」とか、睡眠時間を増やしたいのであれば、「もっと睡眠時間を取るよ」ではなくて、「平日の夜は午後10時までにベッドで横になる」というように、数値で具体的に表すといいでしょう。次に、具体的な数値を出したら、その目標を達成するための行動計画を作るといいでしょう。いつ何をやるかを、あらかじめ、予定に入れておくのです。
1月1日に立てた目標を12月31日まで頑張り続けられる人は、5%と言われています。つまり、自分が行動を習慣化しているだけで、勝手にライバルたちは脱落していくのです。
◎決断力を高めるには、他人の目を意識しないこと
決断力のある人は、他人の目をあまり気にしません。他人からどう評価されるかということよりも、自分の意思を貫き通すことを尊重しているからです。僕は、人に相談することは否定しませんが、相談で大事なのは「自分の決断が揺るがないかどうか」だと思っています。僕が考える本当の相談というのは、相手に話してアドバイスをもらったり相手に決めてもらうことではありません。自分が覚悟を持って決めた決断を、相手に話しても、自分の中でぶれないかどうかを計るものだと考えています。