評価 (3点/5点満点)
走ることは、「体」を鍛えながら「脳力」をも高めることができる一挙両得な方法である。
この本では、走ることで得られる数多くのメリットと、そのためのメソッド、習慣化のコツなどを、最新の科学研究や実験データ、著者の経験などから紹介します。
車や交通機関、エレベーターなど、楽で効率の良い現代社会が、あまりにも走らなくても何とかなる危機的なライフスタイルに置き換わってしまっています。
走ることは「しんどい」「辛い」「無駄な時間」ではなく、習慣化すれば「爽快感」を味わうことができ、かつ「記憶力」「思考力」「発想力」を高めることに繋がります。
走ることは、誰にでも始めやすい運動。走るということを自分の健康を管理するアイテムとして考えれば、それは仕事だけでなく、生涯役に立つアイテムとなり、より長く充実した人生を送ることができるでしょう。8年以上ジョギングを続けてきた私も、それを普段実感しています。
脳と運動の関係で言うと、『脳を鍛えるには運動しかない!』(ジョンJ.レイティ著、NHK出版、2009年)が有名で、本書と合わせて是非読んで頂きたい1冊です。本書もこれを参考にしています。
【my pick-up】
◎ゲームで脳は鍛えられない
脳トレゲームをいくら行ったところでその行為がうまくなるだけで、肝心の脳の活性化は見られないという結論が出てしまったのです。「科学的に効果が証明できる脳トレは有酸素運動、つまり走ることだ」というのが最近の定説と言えるでしょう。
◎走ると仕事ができるようになる
高額所得者(年収750万円以上)の人たちは、体を動かす回数が低所得者(年収300万円以下)に比べて2倍も多い傾向にあるということがわかったのです。体を動かすことで脳が刺激され脳機能がアップし、仕事効率もよくなる。さらにドーパミンやセロトニンが放出されるため、気持ちが前向きになる。こうした効果が積み重なり、結果として年収が高くなる。
◎1日最低何キロ走れば痩せられる?
同じ体重を保持できるのは1週間に8マイル(12.8km)のウォーキングかジョギングを余分にする必要があります。つまり、1日2km程度余分に運動していれば、体重が増えることはない。さらに言えば、それ以上に実施すればそれだけ減量できるということになります。